法政大学の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説

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MARCHの一角を担う法政大学は、創立140年を超える名門大学。昔は「質実剛健」といった男子学生のイメージが強い大学でしたが、近年は女子学生も増えてイメージチェンジを果たしています。そんな法政大学に入学するためにはどのような受験対策が必要なのか、知りたい方は多いのではないでしょうか?

本記事では、法政大学の出願資格や出願者などの各種データ、試験の難易度、求めている人材像などをご紹介します。法政大学合格のための勉強方法も解説しますので、法政大学に興味のある方、受験を予定している方はぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2022年12月21日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページなどで必ずご確認ください。

 

法政大学の入試問題で問われる能力


法政大学に合格するためには、入学試験で問われる能力やどのような人材を望んでいるのかをあらかじめ把握しておきましょう。ここでは法政大学が求めている人材像や入試の特徴、入試の難易度をご紹介します。

 

法政大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

1880年に創立された法政大学は、その名のとおり「法学」を学ぶために作られた東京法学社が前身。創立当時から「民主主義の精神に基づき、公共の福祉に献身する人物」を輩出することを目標として教育を行っています。

そのことから、法政大学のアドミッション・ポリシー(学生の受け入れ方針)に挙げられているのは次の4つ。
1.入学後の修学に必要な基礎学力を有する者。
2.自ら考え,判断し,表現する一定の能力をもち,その能力をさらに高める意欲をもつ者。
3.主体性を持って多様な人々と協働しながら学び,議論することで,知を深めていこうとする能動的な姿勢をもつ者。
4.グローバルに視野を広げ,国際的な知識と表現力を獲得することに能動的である者。

出典:法政大学HP 学生の受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)

基礎学力を有していることはもちろん、異なる価値観や地域など、すべての者に生じる差に囚われずに考え、実際に行動できる人材が求められていることがわかります。法政大学の理念である「自由を生き抜く実践知」を体現できるか否かがポイントになるでしょう。

 

法政大学入試の特徴

法政大学で実施されている入試方法は、大きく分けると一般選抜・総合型選抜と、帰国生入試などのその他選抜方法に分かれています。このうち、中心になる選抜方法は「一般選抜です。

一般選抜には以下のような4種類の方法があります。

・A方式(個別日程)
学部ごとに個別日程で行われる入試方法です。全15学部で実施され、試験科目は3科目。募集人数が最も多い入試方法となります。試験会場は全国6都市に用意されます。

・大学入学共通テスト利用入試
大学入学共通テストの点数のみで合否判定する方法です。15学部が対象で3教科利用の「B方式(私立大学型)」、13学部が対象で5教科6科目を利用する「C方式(国公立併願型)」があります。

・T日程入試
T日程入試は、全学部・学科の試験を同日に実施する入試方法のこと。違う学部であれば受験科目と出題範囲が同一である場合に限り併願が可能なので、1日で複数の学部・学科を受験できるメリットがあります。

また、T日程入試の会場は全国10カ所あり、地方在住者にとっては、移動の負担が軽減できます。

ただし、試験科目は2科目のみで滑り止めとして受験する人も多いため、レベルが高くなる傾向にあります。

・英語外部試験利用入試指定の英語外部試験で一定の点数以上などの条件を満たしていれば英語の試験が免除され、法政大学独自の試験1科目を受験。その1科目の点数のみで合否を判定する入試方法です。

かなり競争率が高い傾向にあります。この入試方法が利用できるのは限られた学部・学科のみです。HPをチェックして利用できるか確認しておきましょう。

 

各科目の試験問題の特徴

ここでは、法政大学の各科目の試験問題にはどのような特徴があるのかをご紹介します。学部や学科によって試験時間や配点、試験の難易度が大きく異なるので、ここでは全学部統一で実施する「T日程入試(統一日程)」の試験問題について解説します。

 

英語

法政大学の英語は、試験時間が90分で長文が4題。難易度は少し高めなので、英語の文法力や単語力も重要ですが、時間内に解くスピードも重要になってきます。ただし、文章量は決して多いわけではありません。文章をなんとなくではなく、正確に読み取れるように文構造の把握の練習をしておくとよいでしょう。
配点は学部や学科によって異なるので、受験する学科の配点を事前に確認しておきましょう。

 

国語

国語は、試験時間が60分で基本的には大問3つの出題。ただし、日本文学科だけは試験時間が90分となり、古文と漢文の大問が1つずつ増え、合計5問になります。

大問3つの内訳は、漢字や故事成語、語彙・文法などの国語常識を問う大問1つと、現代文の大問2つ。

現代文は小説と評論文の2つであることが多いですが、随筆文が出題されることもあります。また、大問としては出題されない古文や和歌などの知識を問う問題が、現代文の大問内で出題されることもあるので、総体的に学習しておくのがおすすめです。

 

数学

法政大学の数学は、試験時間が60分で大問が5問程度出題される形式。基本的に理系は数Ⅲまで学習しておく必要があり、それ以外は数ⅡBまでの学習だと考えておけばよいでしょう。

解答はすべてマークシート方式で、難易度は大学入学共通テストよりも少し難しいレベル。基礎をしっかりと身に付けていれば問題なく解ける問題が多いので、正確性を重視した勉強をするとよいでしょう。

 

地理

文学部地理学科のみ受験可能な地理は、試験時間が60分で配点が100。大問が3題出題され、必ず論述が出題されるのが特徴です。論述対策はもちろん必要ですが、論述以外で出題される選択問題や記述問題をできるだけ落とさない勉強をするのが最優先。

地理に関するデータを正確に覚えておく必要があるので、過去問などを利用して頻出の統計は覚えておくようにしましょう。

 

法法政大学入試の難易度

Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、法政大学の入試の偏差値は57~74、共通テスト得点率は55~88%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。

学部偏差値
67~72
68~71
経済66~71
経営67~71
社会67~71
現代福祉64~70
国際文化71~74
人間環境67~69
情報科59~61
キャリアデザイン68~72
GIS(グローバル教養)69~74
デザイン工59~65
理工57~62
スポーツ健康67~69
生命科58~63

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

法政大学試験の概要


ここでは、受験資格や試験科目と合格要件、入試の合格者最低点、出願者数や合格者数のデータなど、法政大学の入試概要について見ていきましょう。
※記事に記載のデータは、2022年12月21日現在のものです。

 

出願資格について

法政大学の出願資格は、以下のいずれかに該当する人と定められています。
1.高等学校または中等教育学校を卒業した者、および入学年の3月までに卒業見込みの者
2.通常の課程による12年の学校教育を修了した者、および入学年の3月までに修了見込みの者
3.学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、および入学年の3月までにこれに該当する見込みの者

参照:法政大学2024年度入学試験要項(PDF)

 

試験科目や合格要件

ここからは、法政大学の学部ごとの試験科目や配点を、一部学部・学科を抜粋してご紹介します。ここで取り上げるのは、2022年度一般選抜A方式入試(個別日程)の内容です。受験をお考えの方は、最新の募集要項等をご確認ください。

 

法学部

教科科目配点
英語コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ150(国際政治学科のみ200)
国語国語総合(古文を出題範囲に含み、漢文の独立問題は出題しない)100
選択科目「世界史B」「日本史B」「地理B」「政治・経済」、「数学Ⅰ・Ⅱ、数学A・B」の5科目から1科目選択

※数学Bは数列・ベクトルを出題範囲とする

100
総合計350(国際政治学科のみ400)

文学部

教科科目配点
英語コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ100(英文学科、地理学科、心理学科は150)
国語国語総合(古文・漢文を出題する)

※英文学科、地理学科、心理学科は古文を出題範囲に含み、漢文の独立問題は出題しない

100
選択科目「世界史B」「日本史B」「地理B」「政治・経済」、「数学Ⅰ・Ⅱ、数学A・B」の5科目から1科目選択

※数学Bは数列・ベクトルを出題範囲とする

100
総合計300(英文学科、地理学科、心理学科は350)

 

経済学部

教科科目配点
英語コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ150
国語国語総合(古文・漢文の独立問題は出題しない)100
選択科目「世界史B」「日本史B」「地理B」「政治・経済」、「数学Ⅰ・Ⅱ、数学A・B」の5科目から1科目選択

※数学Bは数列・ベクトルを出題範囲とする

100
総合計350

 

情報科学部

教科科目配点
英語コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ150
数学数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A・B

※数学Bは数列・ベクトルを出題範囲とする

150
理科物理基礎・物理

※物理は「様々な運動」「波」「電気と磁気」を出題範囲とする

100
総合計400

 

デザイン工学部

デザイン工学部のシステムデザイン学科は、3教科受験して得点の高い2教科の得点を合否判定に使用します。ただし、1教科でも受験しない科目があると全時限欠席扱いになってしまうため、事実上2科目の得点しか必要ではなくても3科目受験しましょう。

教科科目配点
英語コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ150
数学数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A・B

※数学Bは数列・ベクトルを出題範囲とする

※システムデザイン学科のみ数Ⅲは含まない

150
理科「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」の2科目から1科目選択

※物理は「様々な運動」「波」「電気と磁気」を出題範囲とする

150
総合計450

 

出願者数や合格者数のデータ

出願者数や合格者数、倍率などのデータは以下のとおりです。ここでは2022年度一般選抜A方式入試(個別日程))のデータを紹介します。

学部募集人数出願者数受験者数合格者数実質倍率
3235,8385,2761,1214.7
3084,4504,2561,0294.1
経済4017,7737,3371,5374.8
社会3335,2434,9971,3373.7
経営3748,5948,2891,9074.3
国際文化1182,6502,3574245.6
人間環境1352,3502,2765913.9
現代福祉1001,1761,1273083.7
キャリアデザイン1152,2572,0423236.3
GIS15152142871.6
スポーツ健康781,2911,2372405.2
情報科学702,1802,0093865.2
デザイン工1433,6623,4056615.2
理工2205,2924,8811,2423.9
生命科学1163,0002,7438103.4

参照:法政大学 2022年度一般選抜結果(PDF

 

法政大学に合格するための勉強方法


ここまで法政大学についてご紹介しましたが、実際に法政大学に合格するための勉強方法はどのようにしたらいいのか、気になる方が多いのではないでしょうか?ここでは、法政大学に入るには何をすればいいのか、受験期の過ごし方、独学で勉強する場合、予備校で勉強する場合などについてご説明します。

 

法政大学に入るには、何をすればいい?

法政大学に入るために最も重要なのは、基礎学力の充実。どの学科も難易度がそれほど高いわけではなく、標準〜標準より少し上のレベルの問題が多いからこそ、基礎の部分でミスしてしまうと合否に大きな影響が出てしまいます。教科書を中心に正確な知識を身に付けましょう。

また、学科や科目によっては解くスピードも問われます。過去問を何度も解いて、時間配分を身に付けてください。

 

受験期の過ごし方

高校3年生の受験期をどう過ごすかは、合否に関わる重要なポイント。受験する入試方法によってスケジュールは多少異なりますが、以下を参考にして過ごすと良いでしょう。

・春(4〜6):基礎学力を確実につけることに注力しましょう。英単語や文法などの知識をつけ、教科書や青チャートなどを中心に学習します。
・夏(7〜9):苦手範囲の克服や基礎力を固めることを目標にしましょう。以降は大学別の学習法になるので、ここまでで基礎部分を身に付けておく必要があります。
・秋(10〜12):基礎知識を利用した記述・論述の練習や応用問題の練習を開始しましょう。ここまでインプットしてきた知識のアウトプットの練習期間です。
・冬(1〜入試当日):過去問を試験時間通りに解くなどして、実践力を身に付けましょう。また、暗記科目の復習もするのがおすすめです

 

勉強のポイント

法政大学の試験科目ごとの勉強ポイントは、以下のとおりです。

・英語:時間に対して問題量が多い傾向にあるので、速読力が必要になります。過去問などで時間配分の練習を繰り返すとよいでしょう。また、単語・熟語などの基礎知識も必須です。
・国語:国語は現代文が中心で、必ず評論文が出題されます。文章のつながりを意識して、正しく読み解く力を養いましょう。古文や漢文に関しては、基礎レベルの知識で対応可能。ミスしないように正しい知識を身に付けておきましょう。
・地歴公民:基本的には標準レベルの問題が出題されます。たまに難易度の高い問題が出題されますが、とれなくても合否にはあまり関わってこないので、基礎を身に付けてミスをなくす勉強法が最も効率の良い勉強法でしょう。
・数学:文系の場合は、教科書レベルの計算問題が中心。理系の場合でもそこまで難易度は高くないので、教科書と青チャート、白チャートを活用して勉強しましょう。
・理科:こちらも難易度は標準レベル。ただし、学部によっては微分・積分の知識が必要になる問題も出題されます。計算方法などを正しく覚えておきましょう。

 

予備校で勉強する場合

「予備校に通っているから、そこまで考えなくても大丈夫」と安心している方は多いのではないでしょうか?実は、予備校に通っていても自分と目指す大学に合った学習法でなければ、まったく身に付かないこともあります。
もちろん予備校で勉強すると受験日までのスケジュール管理をしてくれるので、間に合わない心配はありません。しかし大人数授業の場合、理解が追いつかないまま先に進んでしまい、結局何も分かっていない、という状況になるかもしれません。
レベルが合っていないと感じたらクラス替えを頼み、分からないところはその日のうちに質問に行くなど、ある程度の積極性を持って授業に臨むようにするのがおすすめです。

予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。

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四谷学院の「ダブル教育」システムのご案内

四谷学院の「ダブル教育」は、科目別能力別授業と55段階個別指導により知識の定着を図る学習システム。法政大学合格に必要な基礎力とそれを活用した記述力、さらには実戦力を高めることができます。
それぞれの特徴やメリットを見ていきましょう。

 

科目別能力別授業

予備校で良くとられているのは、総合点を基準にすることや、志望校でクラス分けするシステム。しかしこれだと、得意科目は進みが遅く、苦手科目は進みが早く感じるなど、授業と自分のレベルが合っていない状況が作り出されます。

授業のレベルが自分の能力と合っていなくては十分な効果が得られないため、四谷学院では科目ごとの能力別でクラス分けを実施。それにより、すべての科目で自分の能力にぴったりと合った授業を受けることが可能となっています。

自分のレベルにあった授業であれば、理解も早く進みます。効率の良い学習のためにも、科目別能力別授業は効果的なシステムといえるでしょう。

 

科目別能力別授業の詳細はこちら!

 

55段階個別指導

大人数の予備校の授業では、理解ができないまま授業が先にどんどん進んでしまうことが良くあります。そのような事態を防いでくれるのが、55段階個別指導です。

55段階のレベルに分けて個別に指導してくれるので、理解できない部分を潰せますし、自分が今どのレベルにいるのかも把握できるのがポイント。毎回小テストが行われるので、着実に知識が身に付きます。

 

55段階個別指導の詳細はこちら!

 

まとめ

【法政大学の入試概要】
・枠にとらわれず自由に考え、行動できる人材が求められています
・入試方法は、一般選抜で「A方式入試(個別日程)」「T日程入試(統一日程)」「英語外部試験利用入試」「大学入学共通テスト利用入試」の4種類がある
・学部によって異なるが、難易度は標準~やや難程度

【法政大学の入試データまとめ】・倍率は2022年度一般選抜A方式入試で1.6~6.3倍

【勉強方法まとめ】
・教科書を中心とした基礎学力をしっかりと身に付けておくことが重要
・正確な知識と解くスピードを求められるので、過去問を解いて実践力を身に付けるのがおすすめ

関東の名門大学の1つでもある法政大学は、MARCHのなかでも比較的難易度は低め。学部によっては6割程度の点数で合格可能なので、狙い目といえます。そんな法政大学入試で重要なのは、基礎学力。

四谷学院で取り入れている科目別能力別授業と55段階個別指導の2つを合わせた「ダブル教育」は、自分のレベルに合わせて学習することで、効率良く学力を身に付ける学習システムです。法政大学に合格したいと考えている方は、ぜひ四谷学院にお越しください。

 

※本記事でご紹介した情報は2022年12月21日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

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