一橋大学の英語対策:形式変更の大きい一橋英語への対策とは?読解と英作文対策!リスニングはなくなる?

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こんにちは。四谷学院英語担当、山岡です。
この記事では、一橋大学を第一志望にしている受験生に向けて、「英語をどう対策していけばいいか?」といった疑問にわかりやすく答えていきます。

それでは早速、一橋英語の特徴とその対策について、詳しく紹介していきます。

 

一橋英語 全体の傾向

一橋大学の英語の入試問題について、まずは全体像を確認しておきましょう。

従来は約700~900語の読解が2題、英作文1題、リスニング1題、そして年度によって文法・語彙問題が1題という出題形式が続いていました。しかし、突然2021年度入試で形式が大きく変わり、約1500語の読解、英作文、リスニングがそれぞれ1題という形式となりました。この形式が2023年度入試まで3年間続きます。この形式が定着されたかと思いきや、さらに2024年度入試で従来の読解2題、英作文、リスニングが1題ずつの形式に戻っています。

~2020年度2021~2023年度2024年度
・読解(約700~900語)2題

・英作文1題

・リスニング1題

 

年度によって

・文法・語彙問題1題

・読解(約1500語)1題

・英作文1題・リスニング1題

・読解(約700~900語)2題

・英作文1題

・リスニング1題

このように、一橋大学の英語の出題は、問題構成の変動が他の大学に比べて大きいことが特徴です。将来的には、試験時間が変わるということなどもあるかもしれません。常に大学のホームページを確認し、最新の情報を把握しておきましょう。

2025年度はリスニング問題が廃止になります

2025年度入試では、長年出題されていたリスニング問題が廃止されることが発表されました。そのため、次年度以降はまた違った大問構成になりますが、具体的な内容は発表されていません。「どのような形式が来ても大丈夫!」と言える地力を今からつけておく必要があります。

一橋英語 各大問の設問内容

実際に、一橋大学の入試問題の各大問で、どのような設問が出されているのかを確認していきます。「読解」「英作文」に分けて見ていきましょう。

読解問題は論説文から出題

過去には物語文が出た年度もありましたが、基本は論説文の出題です。全体傾向でも確認した通り、語数は1題だけの場合は約1500語、2題出題される場合はそれぞれ約700~900語です。どちらにしても、内容を整理しながら読む必要があるため、最初に設問にざっと目を通し、どのようなことが問われているのかを把握した状態で本文を読むと良いでしょう。

毎年出題は「下線部和訳」

下線部和訳の問題は毎年1~2題出題されています。一橋の英文では教科書レベルを超える単語や表現が出てくることもよくあります。ただし、英文自体の難易度は年度によってはやや難しいことがあるものの、概ね標準レベルと言って差し支えありません。特に下線部和訳では、語彙・文法・構文ともに大学受験においては必須レベルのものが出題されることがほとんどなので、確実に得点したい設問だと言えます。

実際に1題見てみましょう。

2.下線部(2)を和訳しなさい。
(2)Those not so fortunate as to control their own lives had to make do, as the British poor had done for centuries, with mostly oatmeal, perhaps with some vegetables.
2023年度入試 大問1より抜粋

英文を見てみると、語彙レベルはそこまで高くないことがわかるでしょうか。文法事項についても、
・those ~「~な人たち」
・so 形容詞 as to do ~「~するほど十分…だ」
・接続詞のas(この文においては)「~するように」
など教科書で扱うようなものばかりですね。

ポイントは、make do with ~「~で済ます」です。気づきにくいですが、make doはつながっていますが、withの前に“as the British poor had done for centuries,”が挟まっているため、make doで止まってしまうのではなく、その先を読んで“with mostly oatmeal”とつながっている(=「主にオートミールで済ます」)ことに気づく必要があります。さらにその先に“perhaps with some vegetables”が続いているのでこれもmake doにつながるということに気づかなければなりません。(=「主にオートミール、もしくはひょっとしたらいくらかの野菜で済ます」)

このように、語彙や文法について確実な知識をつけておくことはもちろん、複雑な修飾関係や構文もしっかり見抜けるように、普段から様々な和訳に触れて練習を積みましょう。下線部の和訳や、下線部ではなくても自分が復習していて「この文は構造が難しそうだ」と感じるものは実際に訳してみて、先生などに確認してもらうこともよいでしょう。

記述問題のメインは「内容説明」

毎年2~4題出題されていて、一橋英語の記述のメインともいえるのは「内容説明の問題」です。字数制限があるものがほとんどで、約30~100字と幅広い字数で指定されています。過去には1題の中に80字で内容説明をする問が2問出されたケースもあります。

なお一橋の内容説明は、以下の2パターンでよく出題されています。

①下線部の内容を具体的に説明する問題
②提示されたテーマに対して本文の内容に即して説明する問題

①のパターンでは、下線部から近い場所にある文から説明するものもあれば、その下線部がある段落全体の内容を把握してまとめるものもあります。
そして、②のパターンでは本文に下線部が存在しないため、どこで答えに該当する部分が現れるかわかりませんし、該当箇所が複数であることも多く見られます。

問10「空想(fantasy)が欲望(desire)へ変わると人の気持ちはどのように変化するかを、本文全体の内容に即して80字以内の日本語(句読点を含む)で説明しなさい」
2021年度入試 大問1より抜粋

例えばこの問題は「空想・欲望がそれぞれどのようなものなのか、その違い、人の気持ちがどのように変化するのかを複数段落から把握し、まとめる」という必要がありました。

問題文でテーマが提示され、「本文に即して説明しなさい」とされている問題は、事前に問題内容を見ておいて答えるべき点を意識しながら読むことが大切です。いずれにせよ下線部の前後近くや、本文の一部だけを見ておけばいいというわけではありませんね。本文を読むときには、下記3点を意識して読んでみましょう。

(1) 段落ごとの要旨をつかみ、最終的には文全体で最も伝えたいことが何かを把握することを意識して読む
(2) 前後で話の流れはどのようになっているのかを把握する
(3) 下線部や問題で設定されているテーマに関連したことが書いてある箇所を特に丁寧に読む

 

段落の内容把握や、前後の流れを把握しながら読むことは決して簡単なことではありません。慣れないうちは短い文章でも構わないので、普段から段落ごとや本文全体の内容をまとめる練習をするといいでしょう。慣れてきたら徐々に分量を増やし、最終的に一橋レベルの英文でも把握できるようにします。長期的な練習になるので、なるべく早いうちから対策を始めましょう。

ポイント!字数制限について

さて、突然ですがあなたは「80字」と聞いてどれぐらいの分量かイメージがわきますか?一旦記事を読むのを止めて、自分のなかで大体これくらいかなと想像してみてください。

できましたか?

実は先ほどの問いかけの部分「さて、突然ですが~想像してみてください。」は数字を1マスに2字入れるとして、句読点含めてちょうど80字です。自分が想像したものは実際の80字と合っていたか、実際に見てどう感じたでしょうか。数字だけを聞くと多く感じるかもしれませんが、実際に見てみると「80字って思ったより短い」と思ったはずです。

文字数制限がある問題に取り組む必要がある場合には、そもそも「〇〇字がどれぐらいの分量なのか」を把握しておくことはとても重要です。自分で大体の分量が把握できていないと、いざ答案を書いてみたときに字数が大幅にオーバー、もしくは逆に字数が極端に不足してまた考え直し・・・ということに陥ってしまいます。そうならないようにするためには、自分で書くことによって感覚をつかむしかありません。まずは自分で答案を書いて、指定された文字数がどれくらいのものなのかを確認してみるといいでしょう。これは英作文でも同じことが言えます。

☑ポイント!日本語の表現について

また内容説明は、分量の感覚がつかめているだけでは十分とは言えません。確立された日本語での表現力が必要です。
先ほど紹介した段落ごとの要約や文全体のまとめを書いてみることは記述力自体を高める良い練習にもつながります。また、問題にも何度も繰り返し取り組む、つまり量をこなすことで答案の質は高まります。様々な問題に触れ、自分で答案を実際に書き、模範解答を参照しながら自分の解答を見返して改善点を確認するように意識しましょう。
さらに先生にも解答をチェックしてもらうようにすれば、より質の高い答案を書けるようになっていくことが期待できます。

頻出は「語句整序」・「空所補充」

「語句整序」・「空所補充」の2つも例年安定して出されている形式です。前後の文脈から推測して解くものもありますが、文法やイディオムなどの知識が問われるものが多くあります。

例えば、2022年度入試の語句整序問題では、make it C to doという頻出表現や、…to the extent that SV(~ほどは…)というイディオムが問われたり、空所補充ではnothing but A「Aだけ」やbring A to mind / bring to mind A「Aを思い出させる」というイディオムが出題されました。

下線部和訳と同じですが、大学受験必須レベルの語彙や文法の基礎をしっかり固めて、自ら正しい英文を組み立てられる力を様々な問題を解いて身につけておきましょう。

また空所補充問題でよく出題されるのが「( A )( B )( C )など複数の空欄に入る語の組み合わせとして最も適切なものを選ばせる」問題です。1つでも空欄に入れる単語を間違えてしまうとその問題自体が不正解になってしまうため、複数箇所の文脈を把握していることが求められ、1つの空欄に入る語を選ぶ問題よりも難易度が上がります。単発の空所補充はイディオムなどの知識で解ける問題もありますが、近年の組み合わせを答える問題では全て文脈から正しい語を判断することが求められているため、先ほど説明した段落ごとや文全体の内容を把握する力はここでも活かされるということになります。

読解問題では上記3つの設問以外にも、同義語選択や本文合致問題が出題されることもあります。このように一橋大学の読解問題では、記述式も選択式も出題される典型的な国公立型です。総合力が決め手になるので、すきのない読解力を身につけましょう。

英作文

一橋大学入試英語の英作文は基本的に、3つのトピックから1つを選択し100~140語でまとめるものです。英作文といえば基本的に問題でテーマが提示され、それに対して自由に意見を述べるものが思い浮かぶと思いますが、一橋大では「架空のことわざの意味を考えさせる問題」「写真が提示され、その写真を描写する問題」のような他の大学とは違った特徴的な問題が出題されることが多いのです。実際に1問見てみましょう。

Ⅱ Choose one of the proverbs below and explain in English what you believe it means. Your explanation should be 100 to 140 words in length. Indicate the number of the proverbs you have chosen. Correctly indicate the number of words you have written at the end of the composition.

1. A pig and a farmer should not try to be friends.
2. A late reply is worse than no reply at all.
3. The right word is more effective than the wrong book.
2021年度入試 大問2より抜粋

3つの架空のことわざの中から1つ選択し、自分の考えるその意味について説明する問題が出題されました。「こんな問題見たことない!」と驚いた人もいたのではないでしょうか?

ことわざの意味を考えたり、写真の描写をしたりすることは難しいように思えますよね。想像力や発想力が必要なことも事実です。では一橋の英作文を対策するには、他の大学と違った準備や対応をしないといけないのでしょうか?

よく考えてみましょう。例え想像力や発想力が鍛えられたとしても、確実な英語力・文章の構成力なしでは適切な答案を作成することは難しいですよね。まずやっておくべきことは一橋大学でも他の大学でも同じです。英文を書くという点においては、以下が重要です。

①これまでの下線部和訳や空所補充などと同様、大学受験に必須レベルの語彙や文法は確実におさえておくこと

②英作文では自分で全て英文を書く必要があるため、様々な文法や構文を見て自分でもそれらを用いた英文を書いてみてより多くの引き出しを持っておくこと

 

分量感の把握が重要

実際に英作文を書く際には、内容説明の問題と同じで、まずは100~140語の分量感を把握することが大切です。また、最長で140語という長い英文を書くため、論理展開が一貫するように気を配らなければなりません。

これらの点をクリアして質の高い答案を作れるようになるためには、とにかく何度も書く必要があります。一橋の過去問以外にも様々な入試問題に取り組み、模範解答と見比べたり先生に見てもらったりすることで、少しずつですが確実に英作文の学力は向上していきます。このように当たり前に見えることを当たり前に長期的に続けていくことが実は合格への最も近い道なのです!

まとめ

今回は一橋大英語の傾向と各問題の特徴、対策に向けた具体的な方法を紹介してきました。
一橋大学の出題形式や問題構成は、他大学の入試に比べて変更されやすいという特徴があります。とはいえ各大問の設問内容は例年同じようなものが多く見られます。そのため地力をつけることに加え、一橋大英語の過去問を見てどのような問題が出ているのかを分析し、対策することが重要です。まずは問題ごとの傾向と特徴を把握したうえでそれらに応じた対策をしていきましょう。またどのような問題形式に対しても必要なのは、語彙や文法、構文などの知識の基礎です。ここをしっかり身につけ、普段から量をこなして指導者に見てもらうことでより効果的な対策をしていきましょう。

四谷学院では「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」のダブル教育を通じて、 英語の基礎から入試レベルの学力までをしっかり身につけ、一橋大学の問題に十分に対応できる力を養えます。先生と生徒との距離が近く、自分のレベルにあった集団授業と、先生に1対1で自分の答案を直接見てもらえる55段階で得点力を磨くことができます。
一橋大合格に向けて、まずは対策に向けたポイントを一緒におさえていきましょう!
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