【現代文】語彙力を鍛える!一生モノの語彙力を身に付ける受験生におすすめの勉強法

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こんにちは、四谷学院の山中です。

「語彙力を鍛えたい!」というのは、受験生だけでなく、社会人にとっても切実な思いかもしれません。
語彙力とは、どれくらいたくさんの言葉を知っているかということだけでなく、それらをいかに使いこなせるか?ということです。

今回は、語彙力の鍛え方についてお話しします。

語彙力とは?

語彙力というものをきちんと考えると、「その人の持っている言葉の種類の多寡」でしょうし、英単語のように「○○語覚えた」という定量的測定が可能なものに見えますが、実際はそうではありません。
もちろん量という側面はありますが、質の側面もあります。

たとえば、「経済」という言葉。
知っていますよね?

馬鹿にしているのかって?いいえ。私たちは、驚くほど、無頓着に言葉を使っています。

次の文が何を言っているのか、説明できるでしょうか?

市場経済は全体的な経済活動の一部にすぎず、全体的な経済活動は自然と人間の「生命系=生きている系」のなかで展開している
内山節『現実の奥底』14専修大 経済2部など

「市場経済」と「全体的な経済活動」がどう違うのか、わかるでしょうか?
・・・経済を、「お金と商品の動き」くらいで捉えていると、違いが分からなくなります。

じっさいのところ、経済という語句は、元々「経国済民」、ないし「経世済民」の略語です。「国や世を経(おさ)め、民を済う」ことを指していました。

つまり、経済という語句は元々「政治」という語句にかなり近い意味を持っていたわけです。
そのあと”economy”という語の訳語として「経済」が定着し、元々の「政治」の意味合いは薄れましたが、金銭のやりくりを指すというのは「経済」という語のかなり狭い一側面でしかありません。「経済」という語句がこれだけ広い意味を持っているということを知らないと、先述のような文章はかなり読みにくい、あるいは意味をつかみ損ねるのではないでしょうか。

語彙力とは、量と質の両輪です。
難しい言葉をたくさん知っていることだけが語彙力ではない、ということです。

語彙力を磨くには?

では、「質」を含めた語彙力を磨くためにはどうしたらよいでしょうか。
それは、結局、こまめに辞書を引くということに尽きます。

辞書の引き方にも少しコツがあるので、それも説明してみます。

わからない単語があったらすぐに辞書を引いていませんか。
ちょっと待ってください。辞書をひくまえに、一呼吸おいて、その語句の意味を予想してみましょう。

たとえば、
「共同体」という語句を考えます。
意味を予想してみましょうか。
「人間同士の関わり合い、集合体」とか、そんな意味かな…。

では、辞書を引いてみましょう。

共同体:血縁的・地縁的あるいは感情的なつながりや所有を基盤とする人間の共同生活の様式。共同ゆえの相互扶助と相互規制がある。特定の目的を達成するために結成する組織と区別される。広辞苑 第六版

単なる人間同士の関わり合いではなく、「地縁的・血縁的、あるいは感情的な」つながりである、という制限が加わりましたね。
こういう風に予想を立てると、単に調べるより、何が自分にとっての新規情報だったのか、というのが分かりやすくなります。

辞書を引く前に、一度予想を立てる。
これを忘れずに。

辞書の使い方

紙の辞書を使っている場合、覚えていなかったものについてはマーカーを引き、インデックスをつけてしまいましょう。
そして、定期的にインデックスを見返して、意味がぱっと出てくるか確認し、出てくればよし、出てこないならそのページを開いて確認します。
そういうことを繰り返す中で、語彙力が地道に、しかし着実につきます。

負担が大きいようなら、少し小さめな中型辞書がお勧めです。サイズ・収録語数などを加味して選ぶとよいでしょう。

語彙力の鍛え方~まとめ~

今回取りあげた「経済」のように、知っているつもりでもわかっていない語句というのはままあります。
受験生の学習の仕方としては、現代文の演習問題を解くたびに、どんなに平易な文章でも、2語程度はかならず辞書で意味を確認するというふうに、ルールを設けて辞書を引くとよいでしょう。
わからない単語が3語を超えたら残りは電子辞書で引いてしまうなど、まじめになりすぎて自分にストレスをかけすぎないようには気をつけてくださいね。

ちなみに、漢字についても辞書を引くのが有効です。こちらはまたの機会にご紹介します。

語彙力は一生ものです。
大学受験を機に、一生の財産を手にしましょう。言葉を使うのではなく、遣えるように、なりましょう。

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