こんにちは、四谷学院の山中です。
英語の授業後に、生徒からこんな声を聞くことがあります。
「英語が苦手です!」
― よくわかります。つらいですよね。
「なんで英語はこんなに難しいんですか!?」
― うーん、実はそうでもないんですけどね。でも気持ちはよくわかります。
「ヨーロッパの人たちは簡単に英語をしゃべれるのに、なんで私たちはできないの!?」
― おや、面白いところに気が付きましたね。なぜなんでしょうか。
というわけで、今回は「なぜ日本人は英語で苦労するのか」「なぜヨーロッパの人々は簡単に英語が話せるのか」ということについて、少し掘り下げてみましょう。
英語と日本語はどう違うの?
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」
これは「孫子」の有名な一節で、「敵の状況と自分の実力を正しく知ることで、何度戦っても負けないようになる」ということです。
というわけで、英語の勉強でつい見過ごされがちな味方、つまり日本語と比較しながら、英語の特徴を見てみましょう。
文字
もちろん文字は、全く違いますね。これは説明不要でしょう。
音声
次に音声です。ちょっと難しい話も出てきます。
②母音:5種類 子音:17種類 ※諸説あり
③アクセント型:高低
②母音(短母音・長母音・二重母音・三重母音):22種類 子音:26種類 ※諸説あり
③アクセント型:強弱
英語と日本語の音声の違いについて、詳しい仕組みを知る機会はあまりなかったのではないでしょうか。
見ての通り、英語は音の数が多いですね。日本語にはない音が使われているということもありますが、「日本語よりも音を細かく区別している」という側面もあります。例えば、我々には単に「あ」と聞こえる音であっても、英語の母語話者には様々な音として認識されます。
日本語 | |
あ | [æ] |
[ʌ] | |
[ɑ] | |
[ə] |
また、アクセントの仕組みも違いますね。日本語は高低型、英語は強弱型ですので、こんなイメージです。英語の発音をするときは、日本語のクセで高低アクセントにならないように気を付けましょう。
語順
英語を習い始めたばかりの頃に日本人が困惑するのが、語順です。その違いも見てみましょう。
見ての通り、英語は早めに動詞を述べる言語です。ですので、早く結論を知ることができるというメリットがあります。
一方で、日本語のように発言の途中で軌道修正したり、最後になってやっぱり否定したり、といった芸当はできません。
どうして英語は難しいの?①ことばの距離・前編-まとめ―
日本語と英語は文字・音声・語順などに関して、ずいぶんと異なる性質を持っていることがわかりましたね。
こんなに違っていれば、日本人が英語を苦手とするのは当たり前です。
では、そもそもなぜ英語は日本語とこんなにも違っているのでしょう。そして、なぜヨーロッパの人々は英語を簡単に話せるのでしょうか・・・。
続きは次回にしましょう。