第一志望校を偏差値で決めるのはNG?大学受験で失敗しない「偏差値」のトリセツ

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第一志望校を決める際に、偏差値を参考にする人は多いと思います。

たしかに、偏差値は入試の難易度を表す指標の一つなので、志望校選びの参考にするのはアリでしょう。しかし、偏差値はほんの少し条件が変わるだけで大きく変わります。また、偏差値で選んだ大学が行きたい大学と一致するとは限りません。

そこで今回は、大学受験における偏差値の正しい意味と、偏差値だけで第一志望校を決めるのがNGな理由、そして偏差値を積極的に活用すべき場面を解説します。

大学受験における「偏差値」の意味


最初に、大学受験で偏差値がどのような意味を持つのかを知っておきましょう。

偏差値は「立ち位置」を確認する手段の一つ

偏差値とは、「ある母集団の中での位置づけを示す数値」です。つまり、模試の偏差値は、「模試を受けた全員の中で自分がどれくらいの位置にいるかを示す数値」ということになります。

偏差値の計算では、全体の平均値が「50」になるように変換されるため、ぴったり平均点をとった人の偏差値は「50」です。偏差値は平均値とどれくらい差があるかで決まるため、模試の偏差値を見れば、テストを受けた母集団の中で自分がどれくらいの立ち位置にいるかを把握できます。

偏差値はあくまで「相対評価」

偏差値は自分の立ち位置を確認する手段の一つですが、絶対的なものではありません。なぜなら、母集団が変われば偏差値も変わるからです。

例えば、全国規模で実施される模試と難関大学志望者のみを対象とした模試では、母集団がまったく違います。そのため、全国模試で偏差値60を超えている人が、難関大模試では偏差値50以下になるというケースも、決してめずらしくありません。

このように、偏差値はあくまで相対評価なので過信は禁物です。

第一志望校を偏差値で決めるのはアリ?なし?


志望校選びに迷った場合、偏差値をもとに第一志望校を決めるのは方法の一つといえるでしょう。

しかし、偏差値だけで志望校を決めるのは避けるべきです。場合によっては、大学に入学してから後悔することになるかもしれません。それは一体なぜなのでしょうか。ここからは、その理由を詳しく見ていきましょう。

偏差値が示すのは「模試を受けた時点での学力」

くり返しになりますが、模試の偏差値を過信してはいけません。

模試の偏差値は、試験を受けた時点の学力を示すものです。実際の入試とは母集団が違うはずですし、学力も異なっているでしょう。特に、全国模試では志望校の出題傾向が反映されていないため、たとえ偏差値が合格ラインを越えていても志望校合格がかなうとは限りません。

このように、模試と本番の入試では条件が異なるため、偏差値だけで大学を選ぶのは考えものです。

入試方式・試験科目によって偏差値は大きく変わる

偏差値は、入試方式や試験科目などによっても大きく変わります。

わかりやすいのが、前期日程と後期日程の偏差値差です。大学にもよりますが、後期日程は募集人数が少なく倍率が高くなる傾向があるため、同じ学部・学科でも後期日程のほうが偏差値は高くなります。ただし、後期試験は欠席する人も多いため、見た目の倍率や偏差値だけで難易度は測れません。

その他、以下のような点にも注意する必要があります。

・受験科目数が少ないほど偏差値は高くなりやすい。逆に科目数が多いと偏差値は上がりにくいが、すべての試験科目でまんべんなく点数を獲得しなければならないため、偏差値が低くても難易度は高いことがある。

・全学部統一入試や共通テスト利用入試は、募集人数が少ない一方で一度に複数の学部・学科を受験できるため受験者が多い。したがって、一般的に偏差値が高くなる。しかし、これらの入試方式は併願目的で利用する受験生も多いため、辞退者を見越して合格者数を多めにする措置などが採られることも稀ではない。そのため、実際には難易度がそれほど高くない場合もある。

このように、偏差値と入試の難易度は必ずしも相関しません。このような点からも、偏差値だけで大学を決めるのは避けるべきでしょう。

偏差値で選んだ大学=行きたい大学とは限らない

当たり前のことですが、偏差値で選んだ大学が自分の行きたい大学、あるいは期待通りの大学とは限りません。

がんばって偏差値の高い大学へ入学しても、魅力を感じない大学や興味の持てない学部・学科では充実した大学生活は望めません。偏差値だけではなく、興味のある分野や学問、職業に直結するかどうかまで考えて志望校を選ぶほうが、失敗はないでしょう。

また、大学は4~6年は通うことになるため、国公立と私立のいずれを選ぶのかという点も大切です。キャンパスの立地や雰囲気、取得できる資格なども考慮して、本当に行きたい大学を選ぶようにしましょう。

「併願校選び」は偏差値を活用

第一志望校選びで偏差値に頼りすぎるのはNGですが、併願校選びでは偏差値を積極的に活用しましょう。

併願校を選ぶ際には、候補となる大学を「チャレンジ校」「実力相当校」「安全校」の3つのランクに分けてください。

・チャレンジ校:実力より上の大学(偏差値+4~+8)
・実力相当校:実力レベルの大学(偏差値±3)
・安全校:合格圏内の大学(偏差値-4~-8)

ランク分けをしたら、試験日や試験科目、出題傾向などをチェックして併願しやすい大学を各ランクから選んでください。出願数の目安は、チャレンジ校・安全校からそれぞれ2~3校、実力相当校から2~4校程度です。これらに加え、共通テスト利用入試で受けられる大学をいくつか選んでおくとよいでしょう。

志望校合格への最短距離は四谷学院で

第一志望校を選ぶ際に、偏差値を参考にするのは悪いことではありません。

しかし、偏差値を重視し過ぎて、大学へ行く意味を見失わないようにしてください。偏差値は、学力を表す指標の一つです。目標とするのは構いませんが、目的とするものではありません。

また、受ける大学や学部学科、入試方式などによって受験戦略は変わってきます。偏差値にこだわるのではなく、志望校合格に必要な「力」を身に付けることを考えていきましょう。

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