歯科医師になれるのはどの大学?地域別・難易度別一覧で確認!【歯科医師免許の取り方】

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こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。

だれでも一度はお世話になったことがある、歯科医師という職業。
「コンビニよりも歯医者の方が多い」と言われるほど、開業する人が多く、親子でその医院を運営している歯科医師も珍しくありません。
しかし、歯科医師免許を取る必要があることまでは知っていても、具体的にどう目指せば良いのかわかっていない…という人もいるのではないでしょうか。

歯科医師免許を取るには、大学の歯学部で6年間専門的に学んだのち、国家試験に合格することが必要です。
歯学部のなかにも4年制の口腔保健学科といった学科を置く大学もありますが、歯科医師にはなれません
歯科衛生士や社会福祉士など、別の資格取得への道になるため、注意しましょう。

また、歯科医師の資格取得後も、指定された病院や診療所で1年間以上の臨床研修を受けることが義務づけられています。

医師になるための医学科が全国81校の大学に設置されているのに対し、
歯学部は27校の大学にしか置かれていません。
非常に少なく、狭き門であることがわかりますね。

医師国家試験は、毎年約1万人が受験し、そのうち9,500人ほどと、大半の受験者が合格しています。
一方で、歯科医師国家試験は、毎年約3,000人ほどが受験し、合格者が2,000人程度となっています。
合格率は約66%と、全体の2/3ほど。しっかりと対策を行わなければ合格できない試験だと言えるでしょう。

そこで今回は、歯学部を設置している大学を一気に紹介していきます。
気になった大学は、自分でも調べてみましょう!
地域別のページでは国公立大学の詳細や私立大学の一覧も紹介しているので、ぜひ確認してみてくださいね。

【偏差値別】歯科医師を目指せる大学を一覧でチェック!

国公立大学

歯科医師の国家試験を受験できる歯学部を設置している国立大学は11校、公立大学は1校です。
後期日程は5校のみ、かつ難易度も上がるため、前期日程から慎重な出願をする受験生が多くなっています。

前期日程
偏差値大学学部(学科)
64大阪大学歯(歯)
63東京科学大学歯(歯)
62九州大学歯(歯)
62~61北海道大学総合入試理系
61東北大学歯(歯)
60北海道大学
新潟大学
岡山大学
広島大学
徳島大学
長崎大学
歯(歯)
歯(歯)
歯(歯)
歯(歯)
歯(歯)
歯(歯)
59鹿児島大学
歯(歯)
58九州歯科大学歯(歯)
後期日程
偏差値大学学部(学科)
67東京科学大学
歯(歯)
64広島大学
徳島大学
歯(歯)
歯(歯)
63新潟大学
歯(歯)
60鹿児島大学歯(歯)

私立大学

対象となる私立大学は、全部で15校です。
日本大学
日本歯科大学は、東京都だけでなくそれぞれ千葉県と新潟県にも歯学部を設置しており、入試難易度や学費も異なるため、必ず確認しておきましょう。

一般入試
偏差値大学学部(学科)
58昭和医科大学
東京歯科大学
歯(歯)
歯(歯)
55~53日本大学歯(歯)
54日本歯科大学
大阪歯科大学
生命歯(生命歯)
歯(歯)
50~47日本大学松戸歯(歯)
49~46明海大学歯(歯)
47愛知学院大学歯(歯)
46明海大学
朝日大学
歯(歯)
歯(歯)
45北海道医療大学
岩手医科大学
鶴見大学
歯(歯)
歯(歯)
歯(歯)
44奥羽大学
日本歯科大学
松本歯科大学
福岡歯科大学
歯(歯)
新潟生命歯(生命歯)
歯(歯)
口腔歯(口腔歯)
43神奈川歯科大学歯(歯)
共通テスト利用入試
偏差値大学学部(学科)
60昭和医科大学歯(歯)
60~58日本大学歯(歯)
58東京歯科大学歯(歯)
57~56大阪歯科大学歯(歯)
56日本歯科大学生命歯(生命歯)
55朝日大学歯(歯)
54明海大学歯(歯)
52日本歯科大学新潟生命歯(生命歯)
51日本大学松戸歯(歯)
50神奈川歯科大学
福岡歯科大学
歯(歯)
口腔歯(口腔歯)
50~49愛知学院大学歯(歯)
49岩手医科大学歯(歯)
46北海道医療大学
鶴見大学
歯(歯)
歯(歯)
45松本歯科大学歯(歯)

【地域別】歯学部が設置されている大学をチェック!

北海道地方

【国立】北海道大学(北海道)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)
後期:歯学部 歯学科 なし

前期:総合入試理系 物理・化学・総合(目標偏差値:62) 生物(目標偏差値:61) 数学(目標偏差値:60)
⇒歯学部
後期:総合入試理系 なし

旧帝大の1つである北海道大学には、歯学部 歯学科があります。
薬学部など後期日程のみ実施する理系学部も多いですが、歯学部は前期日程のみの実施です。

大学院の歯学研究院には、「デンタルイノベーション部」があります。
企業や団体と連携して研究を行うことで、事業の支援や新たな研究など、お互いの発展につながっています。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者51名に対し合格者47名と、実に92.2%が合格しています。

ここもPoint!

北海道大学では、文系・理系ともに「総合入試」を実施しており、出願や入学の際には学部を決めずに受験することができます。
1年間を総合教育部で学び、自身の希望と「移行点」と呼ばれる成績をもとに、2年次から学部へと分かれていく形です。

総合理系の1学年が約1,000人なのに対し、歯学部への移行は最大10名となっています。
専門性の強い学部学科のため、明確な意志を持ったライバルたちと枠を争うことになります。
ただ、歯学部の場合は前期日程で試験を実施しており、総合入試と難易度は大きく変わりません。
将来の進路を歯科医師と定めている場合は、最初から歯学部で受験した方が良いでしょう。

私立大学一覧

【北海道】
・北海道医療大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:45)

東北地方

【国立】東北大学(宮城県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:61)
後期:なし

旧帝大学として知られる東北大学には歯学部 歯学科があります。

「日本大学ランキング」でも、「教育成果」や「国際性」の項目でトップクラスの評価を得ている東北大学。
歯学部でも同様で、さらに大学院まで進むと、全体の1/4を占める留学生とともに研究を行う環境があります。
歯科医師を目指す人も、口腔に関する研究者を志す人にとっても、最高級の環境や仲間が揃った大学だと言えるでしょう。

2024年の歯科医師国家試験を見ると、新卒受験者50名のうち44名が合格しています。

私立大学一覧

【岩手県】
・岩手医科大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:45)

【福島県】
・奥羽大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:44)

関東地方

【国立】東京科学大学(東京都)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:63)
後期:歯学部 歯学科(目標偏差値:67)

東京科学大学には歯学部 歯学科があります。
後期日程を実施する国公立大学が少ないこともあり、医学部志望者なども流れてきて、激しい競争になると予測されます。

2024年に東京工業大学と合併した東京医科歯科大学が前身であることからも、専門性と実績は間違いのない環境だと考えられるでしょう。

最長3ヶ月の海外研修や、海外の大学との国際交流プログラムなど、グローバルな学びを重視しています。
また、歯科衛生士・歯科技工士を目指すための4年制の学科へ進むことも可能です。

東京医科歯科大学時代の2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者49名中44名が合格しています。

私立大学一覧

【東京都】
・昭和医科大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:58)
・東京歯科大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:58)
・日本大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:55~53)
・日本歯科大学 生命歯学部 生命歯学科(目標偏差値:54)

【神奈川県】
・鶴見大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:45)
・神奈川歯科大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:43)

【埼玉県】
・明海大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:49~46)

【千葉県】
・日本大学 松戸歯学部 歯学科(目標偏差値:50~47)

甲信越地方

【国立】新潟大学(新潟県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)
後期:歯学部 歯学科(目標偏差値:63)

新潟大学は歯学部 歯学科を設置しています。
後期日程を実施する数少ない国公立大学であり、北日本や東日本の学生からは特に出願しやすい大学となっています。

国立大学歯学部では3番目に長い歴史を持ち、多くの歯科医師を輩出しています。
また、4年制の口腔生命福祉学科を設置しており、歯科衛生士と社会福祉士の受験資格を同時に取得できるカリキュラムがあるのも特徴です。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者35名に対し合格者は30名でした。

私立大学一覧

【新潟県】
・日本歯科大学 新潟生命歯学部 生命歯学科(目標偏差値:44)

【長野県】
・松本歯科大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:44)

北陸地方

なし

東海地方

私立大学一覧

【愛知県】
・愛知学院大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:47)

【岐阜県】
・朝日大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:46)

近畿地方

【国立】大阪大学(大阪府)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:64)
後期:なし

大阪大学には歯学部 歯学科があります。
国公立・私立問わず、全国の歯学部でもっとも難易度の高い人気大学だと言えるでしょう。

歯と関連がある口や顔だけでなく、脳や人のからだ全体を科学の目で見ることのできる「オーラルヘルス・サイエンティスト」の育成にも力を入れています。
研究も活発に行われており、実際に研究者と共同研究を行う機会がすべての学生に準備されています。
欧文論文(英語論文)の発表数も、全国トップクラスです。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者51名のうち47名が合格しており、合格率は92.2%と非常に高い数値となっています。

私立大学一覧

【大阪府】
・大阪歯科大学 歯学部 歯学科(目標偏差値:54)

中国地方

【国立】岡山大学(岡山県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)
後期:なし

岡山大学は歯学部 歯学科を設置しています。

「世界最高水準の歯科医療人」の育成を目的としており、留学も盛んです。
海外からも毎年30名ほどの留学生を受け入れるなど、グローバルな実践力を身につけることができる環境と言えるでしょう。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者50名のうち合格者が48名と、全国でトップの合格率をマークしています。

【国立】広島大学(広島県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)
後期:歯学部 歯学科(目標偏差値:64)

難関大の1つとして人気がある広島大学には、歯学部 歯学科があります。
後期日程も実施しており、倍率約5倍の激しい競争が毎年行われています。

歯学科のほかに、口腔健康科学科があり、保健学専攻と工学専攻に分かれ専門知識を修得することが可能です。
口腔についてこれだけ広く専門的に学べる大学は限られており、合同授業を通じてお互いの理解を深めることもできます。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者54名中44名が合格しています。

私立大学一覧

 なし

四国地方

【国立】徳島大学(徳島県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)
後期:歯学部 歯学科(目標偏差値:64)

四国地方の国公立で唯一、徳島大学には歯学部 歯学科があります。
後期日程は非常に多くの受験生が集まり、2023年度入試では27.2倍という驚異的な数字を記録しました。

医学部や薬学部もあり、医療系に強い地方大学と言えるでしょう。
学ぶキャンパスもその2学部と共通で、医療人としてお互いに高め合える仲間が見つかります。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者42名に対し、37名が合格となりました。

私立大学一覧

  なし

九州・沖縄地方

【国立】九州大学(福岡県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:62)
後期:なし

全国に12校しかない国公立大学の歯学部のうち、1/3となる4校が集まる九州地方。
なかでも旧帝大の1つである九州大学の歯学部 歯学科は、トップの人気と難易度を誇ります。

国際交流も盛んで、アジアを中心とする協定校などへ留学する学生も少なくありません。
グローバルな人材の育成を掲げており、国際的な視野を手に入れることができるでしょう。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者47名のうち合格者は42名でした。
卒業後は、半数程度がそのまま九州大学病院で臨床研修を行っています。

【国立】長崎大学(長崎県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)
後期:なし

長崎大学は医学部や薬学部だけでなく、歯学部 歯学科を設置している数少ない大学です。
国立大学の歯学部としてはもっとも新しい大学(岡山大学も同様)ですが、1979年の設立以来、2000名以上の卒業生を送り出しています。

2019年から新カリキュラムを導入し、入学後1年半は広い教養を身につけるために「リベラルアーツ教育」に力を入れるようになりました。
歯科医師としてのスキルや知識だけでなく、大学生活のなかで人間として成長することが求められています。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者44名中41名が合格と、93.2%が合格しています。

【国立】鹿児島大学(鹿児島県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:59)
後期:歯学部 歯学科(目標偏差値:60)

鹿児島大学の歯学部 歯学科は、前期・後期ともに試験を実施しています。
国立大学の歯学部ではもっとも目標偏差値は低く出ていますが、それでも一般的な理系学部より難易度が高いため、しっかりと対策しておきましょう。
推薦入試の募集人数も多いため、正しく活用すれば入試を有利に進めることができるかもしれません。

特徴的な学びとして「離島歯科巡回診療同行実習」があり、離島での実際の歯科治療に同行することができます。
地域医療に関心がある人にとっては、在学中から体験できることは大きなプラスになるでしょう。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者57名のうち54名と、94.7%の合格率をマークしています。

【公立】九州歯科大学(福岡県)

前期:歯学部 歯学科(目標偏差値:58)
後期:なし

公立大学で唯一歯学部を設置している九州歯科大学。
歯学科と4年制の口腔保健学科があります。

医療系の学部で導入されていることもある「テュートリアル教育」を取り入れており、少人数で行うグループ討論型の学習を行っています。
ほかにも1年次・4年次に行う「WADSキャンプ」という学外研修など、他者とのディスカッションを通じてコミュニケーション能力や主体性を磨いていくことが可能です。

2024年の歯科医師国家試験では、新卒受験者86名のうち合格者68名と、国公立大学では唯一8割を下回る合格率となりました。

私立大学一覧

【福岡県】
・福岡歯科大学 口腔歯学部 口腔歯学科(目標偏差値:44)

まとめ

今回は歯科医師を目指すことができる大学について確認しました。
非常に数が少なく、対策を早く始めるためにも志望校選びが大事であることがわかったのではないでしょうか。

学科を必ず確認すべし

6年制の歯学科と4年制の口腔保健学科などとの違いは、必ず認識しておきましょう。
入学後に学科変更ができず、仮に4年制の学部を卒業して大学院へ進んだとしても、国家試験の受験資格を取得することはできないため、注意が必要です。

国家試験合格率に注目すべし

歯科医師の国家試験合格率は、6年制を卒業した新卒だけで見ると80%前後で推移しています。
一方で、既卒者の合格率は40%を下回るほどであり、いわゆる「浪人」をする方が大変だと言えるかもしれません。

また、私立大学のなかには、新卒合格率が60%ほどのところもあります。
「6年制の歯学科に入れさえすれば良い」ではなく、学習環境を確認してから志望校を決めましょう。

また、新卒の合格率を高く出すために、留年が多発している大学もあります。
不合格になりそうな学生をもう一年勉強させることで、数字が悪くならないようにできるんですね。
1学年の学生数と受験者数を比較することで、「最短で歯科医師を目指せる環境か」がわかってくるでしょう。

学費に注目すべし

私立大学の歯学部は、6年間で2,000万円以上の学費が必要になるところがほとんどです。

姉妹校である明海大学と朝日大学が、そのなかでも一番低い1,793万円
東京歯科大学がもっとも高く、3,190万円が必要です。
薬学部が1,200万円前後であることを考えると、非常に大きな額であることが伝わるでしょう。
特待生で入学し、学費免除を目指すという道もあるため、目標偏差値よりも高い実力を身につけておきたいですね。

一方で国公立大学は、6年間で約350万円の学費で通うことができます。
費用面から私立大学は挑戦ができず、歯科医師の夢が絶たれる…という人も少なからずいますから、しっかりと学力をつけて第一志望に合格できるように努力を続けましょう。

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