【数学入試問題】嘘つきパズルを知っていますか?

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こんにちは、四谷学院の山中です。
本日は、受験勉強の息抜きに、面白い入試問題を紹介しますよ。

いつもとは違う頭の部分を使うことで、脳を活性化させましょう。

大学入試でも出題される嘘つきパズルとは?

「正直者は必ずほんとうのことをいい、うそつきは必ずうそをつく」という設定のパズルを見たことはありますか?

論理パズルというパズルのジャンルがあって、その中の一つの形式です。
この正直者とうそつきについての問題が、ごく稀にですが、数学の入試問題として出題されることがあります。本当にごく稀なのでわざわざそのためにパズルの本を買ってきて練習する必要はまったくないのですが、たまには気分転換に、そんな問題を解いてみましょう。

ご紹介するのは2016年度青山学院大学(全学部日程)の問題です。

A,B,Cの3名がいて、正直者が2人、残りの1人が嘘つきである。そして3名とも誰が正直者で、誰が嘘つきかは知っているとする。ここで、正直者とは常に真実をいう人、嘘つきとは常に真実と反対のことをいう人である。このとき、つぎのようなA,B,Cの証言が得られた。

Aの証言:Cは嘘つきである。
Bの証言:Aは正直者である。
Cの証言:Bは嘘つきである。

これらの証言に基づいて、以下の手順にしたがって誰が嘘つきかを決定しよう。
(以下略)

(以下略)としたところは、誘導に従って問題を解きすすめさせる形になっていますが、そんな誘導に従っているようではパズルとして味わえません。

最初から最後まで、自分の頭で考えてみましょう。
考え方は「○がうそつきと仮定」して順にわかることを積み上げていき、矛盾なくすべての証言の真偽が確定できるかどうかを確認すればよいのです。

数学的な思考力が試される論理学

では実際に解いてみましょう。

Aがうそつきと仮定してみると、
→このとき、Aの証言はうそだから、Cはうそつきではなく正直者である。
→よってCの証言は本当で、Bはうそつき。
→AとBがうそつきとなり、うそつきが1名であることに矛盾。

よって、Aがうそつきであることはなく、Aは正直者ということになります。

このとき、
→Aの証言が正しいのでCがうそつき。
→Cの証言はうそなのでBは正直者。
→Bの証言は正しいので、Aは正直者であり、矛盾は生じない。

無事、うそつきがCであることが確定しましたね。

最初に書いたとおり、こういう出題はごく稀なので前もって対策するというものではないのですが、こうしたことを扱う論理学という学問が数学と隣接した領域として存在していて、こうした問題もまた数学的な思考力が試されることも事実です。

 

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