こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。
志望校や大学の話になると、レベルの近い大学がひとくくりにされているのをよく耳にしますよね。
関東であれば「MARCH」や「日東駒専」「大東亜帝国」、関西なら「関関同立」「産近甲龍」「摂神追桃」など、様々なグループが存在します。
もちろん各大学には個性や特長がありますが、就職などを意識しながら志望校を決める際に、このような「大学のレベルや評価」が気になるのもまた事実。
今回は、たくさんある大学群(大学のグループ分け)について、わかりやすくお伝えしていきます。
目次
私立大学のグループ分け
現在日本にある私立大学は、約600校。大学全体の3/4程度を占めています。
それだけ数が多いと、自分がどの大学へ進むべきなのか迷ってしまいますよね。
まずは私立大学のグループを見ていきましょう。
リンクされた記事から、各大学ごとの特徴や入試難易度も確認できるので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
※目標偏差値は大学や学部によって異なります。気になる大学の数値は、必ず個別で調べましょう!
※目標偏差値は「2024年度入試 受験校決定PERFECT BOOK」を参照しています。模試により偏差値の基準は異なるため注意してください。
関東地方
早慶上智/早慶上理
(そうけいじょうち/そうけいじょうり)【目標偏差値:67 ~ 75 程度】
「早稲田大学」「慶應義塾大学」「上智大学」「東京理科大学」の4校が、私立大学の最上位と位置づけられています。
関東出身者が8割ほどを占めますが、各地方でも志望する受験生は多く、人気も知名度も非常に高い大学群です。
大学名からもわかる通り、東京理科大学は理系学部を中心に構成されています。(経営学部を設置していますが、社会科目での受験はできません)
よって、受験生のなかでもとりわけ多い「私立文系」志望者を対象として、「早慶上智」と呼ばれることも多いです。
MARCH/GMARCH
(まーち/じーまーち)【目標偏差値:62 ~ 70 程度】
「明治大学」「青山学院大学」「立教大学」「中央大学」「法政大学」という5つの人気大学の頭文字をとり、「MARCH(マーチ)」と呼びます。
昔から人気の高い首都圏の大学群であり、『今の成績だと難しいかもしれないけれど、マーチを目指したい!』『なんとしてもMARCHレベル以上の大学に行きたい』という声をよく耳にしますね。
レベルや立地の面でも近い存在の「学習院大学」を含めて、「GMARCH(ジーマーチ)」と呼ばれることもあります。
SMART
(すまーと)【目標偏差値:65 ~ 70 程度】
「上智大学(英語名:Sophia University)」「明治大学」「青山学院大学」「立教大学」「東京理科大学」の5校を、頭文字から「SMART(スマート)」と表現することがあります。
「早慶上理」のなかでは比較的難易度が低い2校と、「MARCH」のなかで高い3校をまとめていることから、「早慶上理」と「MARCH」の間くらいのレベル帯として位置づけられています。
昔から使用されてきた「早慶上理」や「MARCH」といったグループとは異なり、受験生やその保護者にはあまり馴染みのない表現かもしれません。
まだ一般的な名称とは言えませんが、入試難易度の観点からするとより近い大学を集めたグループだと言うこともでき、少しずつ浸透していく可能性もあるでしょう。
成成明学/成成明学獨國武
(せいせいめいがく/せいせいめいがくどっこくむ)【目標偏差値:55 ~ 63 程度】
「成蹊大学」「成城大学」「明治学院大学」の3校を、「成成明学」と呼びます。
また、「獨協大学」「國学院大学」「武蔵大学」の3校を加え、「成成明学獨國武」とグループ分けされることもあります。
関東地方以外の受験生はあまり耳にする機会がないかもしれませんが、難易度や評判は決して低くない大学群です。
入試難易度で考えると「MARCH」と「日東駒専」の間くらいの位置づけと言えるでしょう。
日東駒専
(にっとうこません)【目標偏差値:52 ~ 60 程度】
「日本大学」「東洋大学」「駒澤大学」「専修大学」の4校は、関東地方の中堅私大グループとして知られています。
各大学の学生数は非常に多く、全国的な知名度も低くありません。
そのほかのグループ(関東)
大東亜帝国
(だいとうあていこく)【目標偏差値:44 ~ 52 程度】
「大東文化大学」「東海大学」「亜細亜大学」「帝京大学」「国士舘大学」の有名私大5校。
「日東駒専」に次ぐグループとして有名であり、知名度が高く学生数の多い大学が並びます。
拓玉産大
(たくたまさんだい)【目標偏差値:48 ~ 54 程度】
「拓殖大学」「玉川大学」「産業能率大学」「大正大学」の4校。
入試難易度は「日東駒専」と「大東亜帝国」の間くらいです。
文東立松/文東立松産玉武
(ぶんとうりっしょう/さんたまぶ)(関東)【目標偏差値:50 ~ 56 程度】
「文教大学」「東京経済大学」「立正大学」「二松学舍大学」の4校。
同レベル帯の「産業能率大学」「玉川大学」「武蔵野大学」をまとめることもあります。
関東上流江戸桜
(かんとうじょうりゅうえどざくら)【目標偏差値:43 ~ 48 程度】
「関東学園大学」「上武大学」「流通経済大学」「江戸川大学」「桜美林大学」の5校。
入試難易度は「大東亜帝国」よりやや低くなっています。
関東中流
(かんとうちゅうりゅう)【目標偏差値:43~ 45 程度】
「関東学院大学」「東京国際大学」「中央学院大学」「流通経済大学」の4校。
中東和平成立
(ちゅうとうわへいせいりつ)【目標偏差値:43 ~ 53 程度】
「中央学院大学」「東京国際大学」「和光大学」「東京平成国際大学」「立正大学」の5校。
難易度の幅が大きく、語感の良さからまとめられたグループ名とも言えます。
明明大工目
(めいめいだいこうもく)【目標偏差値:44 ~ 49 程度】
「明星大学」「明海大学」「大正大学」「東京工芸大学」「目白大学」の5校。
東京六大学
(とうきょうろくだいがく)【目標偏差値:62 ~ 75 程度(東京大学を除く)】
「慶應義塾大学」「法政大学」「明治大学」「立教大学」「早稲田大学」に、国立の「東京大学」を加えた6校。
元々は大学野球のリーグ戦を行うグループでしたが、ほかのスポーツやコンテストでも交流が行われるようになりました。
四工大(東京理工系4大学)
(よんこうだい)【目標偏差値:54 ~ 60 程度】
「芝浦工業大学」「東京電機大学」「東京都市大学」「工学院大学」の理工系大学4校。
レベル帯だけでくくられたグループと異なり、学園祭を共催するなど、横のつながりがあり交流の深い大学群です。
女子大御三家/茶津本東
(じょしだいごさんけ/ちゃつぽんとん)【目標偏差値:56 ~ 60 程度(お茶の水女子大学を除く)】
「津田塾大学」「日本女子大学」「東京女子大学」は、関東私立女子大の御三家とされています。
国立の「お茶の水女子大学」を含めた関東の女子大トップ4校を「茶津本東」と呼ぶこともあります。
聖清白フ
(せいせいしらふ)【目標偏差値:46 ~ 52 程度】
「聖心女子大学」「清泉女子大学」「白百合女子大学」「フェリス女学院大学」の女子大4校。
関西地方
関関同立
(かんかんどうりつ)【目標偏差値:62 ~ 70 程度】
「関西大学」「関西学院大学」「同志社大学」「立命館大学」の4校が、関西地方のトップ私大グループです。
関西大学と関西学院大学は地元の近畿地方出身者が多く、同志社大学や立命館大学は比較的全国から学生が集まります。
関西や西日本エリアだけでなく、全国的にも知名度や評価の高い大学群と言えるでしょう。
関東の「MARCH」、関西の「関関同立」は近いレベル帯として考えられ、どちらも出願校に組み込む受験生は少なくありません。
産近甲龍
(さんきんこうりゅう)【目標偏差値:54 ~ 62 程度】
「京都産業大学」「近畿大学」「甲南大学」「龍谷大学」の4校が、関関同立に次ぐ私大グループです。
一般入試での志願者数が10年連続で日本一となっている近畿大学を筆頭に、いずれも人気の高い大学であり、関東の「日東駒専」と同じくらいのレベルとして考えられています。
そのほかのグループ(関西)
摂神追桃
(せっしんついとう/せっしんおうとう)【目標偏差値:45 ~ 52 程度】
「摂南大学」「神戸学院大学」「追手門学院大学」「桃山学院大学」の4校。
関東の「大東亜帝国」と同じくらいのレベル帯です。
外外経工佛
(がいがいけいこうぶつ)【目標偏差値:50 ~ 55 程度】
「関西外国語大学」「京都外国語大学」「大阪経済大学」「大阪工業大学」「佛教大学」の5校。
レベルは摂神追桃と同じくらいで、専門分野に強い大学が揃います。
神姫流兵
(しんきりゅうへい/じんきりゅうひょう)【目標偏差値:43 ~ 47 程度】
「神戸国際大学」「姫路獨協大学」「流通科学大学」「兵庫大学」の4校。
いずれも兵庫県の大学です。
東海地方
関東や関西とは異なり、東海地方は愛知県に大学が集中しています。
また、「私大よりも国公立」と考える受験生が多く、私立専願の場合でも県内ではなく関東や関西の上位校を目指す傾向にあります。
東海地方のグループ
愛愛名中
(あいあいめいちゅう)【目標偏差値:46 ~ 60 程度】
「愛知大学」「愛知学院大学」「名城大学」「中京大学」の4校。
南愛名中
(なんあいめいちゅう)【目標偏差値:55 ~ 63 程度】
「南山大学」「愛知大学」「名城大学」「中京大学」の4校。
「愛愛名中」から愛知学院大学を除き、東海地方の私大でトップの評価を受ける南山大学を加えた形です。
名名中日
(めいめいちゅうにち)【目標偏差値:45 ~ 53 程度】
「名古屋学院大学」「名古屋学芸大学」「中部大学」「日本福祉大学」の4校。
SSK
(えすえすけー)【目標偏差値:55 ~ 63 程度】
「椙山女学園大学」「愛知淑徳大学」「金城学院大学」の3校を、「SSK(エスエスケー)」と呼ぶことがあります。
昔から愛知県の女子大御三家とされていましたが、1995年に愛知淑徳大学が共学化しています。
国公立大学のグループ分け
国公立大学のグループは、「入試難易度でまとめたもの」と、「同時期に設立された大学をまとめたもの」に分かれます。
近年は使われなくなった呼び方も多いですが、大学の「評価」や「ブランド力」が気になる人は、チェックしておいて損はないでしょう。
入試で必要な科目が多くなるほど目標偏差値は低い数値が出ます。
そのため、科目数が異なる国公立と私立の偏差値を単純比較しないよう、注意が必要です。
※目標偏差値は大学や学部によって異なります。気になる大学の数値は、必ず個別で調べましょう!
※目標偏差値は「2024年度入試 受験校決定PERFECT BOOK」を参照しています。模試により偏差値の基準は異なるため注意してください。
東京一工
(とうきょういちこう/とうきょういっこう)【目標偏差値:68 ~ 75 程度】
「東京大学」「京都大学」「一橋大学」「東京工業大学」の4校は、国内でトップの大学群と言えるでしょう。
誰もが知る東大・京大に加え、それぞれ文系・理系の最高峰である一橋大・東工大は、古くから評価を受けてきた「難関4大学」とも呼ばれます。
旧帝大
(きゅうていだい)【目標偏差値:65 ~ 75 程度】
「北海道大学」「東北大学」「東京大学」「名古屋大学」「大阪大学」「京都大学」「九州大学」と、帝国大学を前身とする7校は「旧帝大」と呼ばれています。
間違いなく最上位に位置づけられる大学群であり、『仙台で生まれたから東北大』『東海地方にいるから名古屋大』のように、地元に近い旧帝大を志す進学校の生徒は非常に多いです。
一方、どの旧帝大も文系・理系ともに豊富な学部が揃っていることから、自分の学びたい学問や研究室の充実度にフォーカスして志望校を選択することも可能です。
しっかりと各大学のことを調べた上で進路検討を行いましょう。
筑横千
(つくよこち)【目標偏差値:62 ~ 68 程度】
「筑波大学」「横浜国立大学」「千葉大学」の3校。
「東(京)一工」に次ぐ、人気が高い関東地方の国立大学と言えます。
金岡千広
(かねおかちひろ)【目標偏差値:56 ~ 62 程度】
「金沢大学」「岡山大学」「千葉大学」「広島大学」の4校。
帝国大学が存在しなかった北陸地方や中国地方のなかで、それに近い役割を担ってきた地方の有力な大学群です。
そのため、関東にある千葉大を外して「金岡広(かねおかひろ)」と表現されることもあります。
そのほかのグループ
旧六医大
(きゅうろくいだい)【目標偏差値:69 ~ 71 程度(医学部のみ)】
「千葉大学」「金沢大学」「新潟大学」「岡山大学」「長崎大学」「熊本大学」の6校。
いずれも設立時は医学専門学校でしたが、のちに医科大学、そして現在のような総合大学へと昇格していきました。
旧帝大に次ぐ歴史のある大学であり、医学部の評価は特に高くなっています。
旧三商大
(きゅうさんしょうだい)【目標偏差値:62 ~ 71 程度(経済・経営・商学部のみ)】
「一橋大学」「神戸大学」「大阪公立大学」の3校。
いずれも設立時は商業専門学校でしたが、のちに商業大学、そして現在のような総合大学へと昇格していきました。
商学部に限らず、人気の高い大学群です。
旧三工大
(きゅうさんこうだい)【目標偏差値:65 ~ 68 程度(工学部のみ)】
「東京工業大学」「大阪工業大学(現在の大阪大学工学部)」「旅順工科大学(現在は閉鎖)」の3校。
現在はあまり呼ばれることのないグループです。
旧二文理大
(きゅうにぶんりだい)【目標偏差値:60 ~ 70 程度)】
「筑波大学」「広島大学」の2校。
2校のみのため、近年の受験ではあまり呼ばれることのないグループですが、いずれも人気の高い大学です。
TOCKY
(とっきー)【目標偏差値:60 ~ 68 程度)】
「筑波大学」「お茶の水女子大学」「千葉大学」「神戸大学」「横浜国立大学」の5校。
「筑横千」に2校を加えた、旧帝大に次ぐグループとして近年まとめられることが増えました。
5S大学
(ふぁいぶえすだいがく)【目標偏差値:54 ~ 58 程度)】
「埼玉大学」「信州大学」「新潟大学」「静岡大学」「滋賀大学」の5校。
新潟大学の略称である「新大(しんだい)」を含め、頭文字がSの大学をまとめて「5S」と表現します。
地方国公立大学のなかでは入試難易度や評価が比較的高いため、地元の大学よりも優先して選ばれることのある大学群です。
電農名繊/農繊名電
(でんのうめいせん/のうせんめいでん)【目標偏差値:58 ~ 60 程度)】
「電気通信大学」「東京農工大学」「名古屋工業大学」「京都工芸繊維大学」の4校。
理系に特化した国立大学群で、人気も入試難易度も低くありません。
STARS大学
(すたーずだいがく)【目標偏差値:47 ~ 53 程度)】
「佐賀大学」「鳥取大学」「秋田大学」「琉球大学」「島根大学」の5校。
入試難易度が比較的高くない地方国立大学としてまとめられています。
北北秋琉室
(ほくほくしゅうりゅうしつ)【目標偏差値:47 ~ 53 程度)】
「北見工業大学」「北海道教育大学」「秋田大学」「琉球大学」「室蘭工業大学」の5校。
STARS大学と同程度の入試難易度で、北海道・秋田・沖縄という立地面からグループとしてまとめられています。
駅弁大学
(えきべんだいがく)【目標偏差値:45 ~ 55 程度)】
旧帝大などの旧制大学とは別に、第二次世界大戦が終わってから各地方に新制の国立大学が急増しました。
「駅弁が売られるような地方駅にある大学」ということから名づけられた名称であり、あまりポジティブな意味合いでは使われません。
「地方にある国立大学」とだけ認識しておけば良いでしょう。
大学群 まとめ
今回は大学群について確認しました。
大まかなレベル帯イメージをまとめているので、志望校を考えるときの参考にしてみてくださいね。
ほかにも各地方で呼ばれているグループ名は、いくつかあることでしょう。
しかし、大事なのは「情報を正しく使う」ことです。
今回確認してきた大学群というのは、大学側が設定しているものではありません。
あくまで予備校が呼びやすいように名づけたものや、自然発生的に生まれたものです。
極度に信頼し、振り回されてしまうのも考えものですね。
なんとなくのイメージや評判だけで志望校を決めるのではなく、必ず気になっている大学については個別に情報収集を行いましょう。
自分が少なくとも4年間は学生生活を送る環境なのですから、真剣に悩んで考えた時間が無駄になることはありません。
まだ「行きたい大学」が決まっていない!という人もいますよね。
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