大学進学後に進路変更したいときどうする?転部・転科とは?予備校で対策するための注意点も解説

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こんにちは、四谷学院の受験コンサルタント、田中です。
今回の記事では、大学で転部を検討している方のために、その対策方法について解説していきます。

意外と知られていない大学の転部・転学科

実際に大学に入学してみると「思っていたのと違う!」と感じてしまう方も少なくないでしょう。また、将来のことを考えて大学や学部選びをしたけれど、実際に大学に行ってから別の夢や新しい目標を見つけることもあります。
「文系学部で学んでいるが実は理系の知識が必要だった!」とか「今の学部がどうしても合わない!」ということでひそかに悩んだり後悔したりする大学生は、意外に多いのです。

そんな時、これから選ぶ道としては、以下のようなものがあります。

(1)やりたいことを今はあきらめて、とりあえず大学を卒業する
(2)別の大学に入り直す(編入・再受験)
(3)大学とは全く別に活動をする(聴講生になる・インターンシップに参加するなど)
(4)転部・転学科をする

今回詳しく見ていくのは「(4)転部・転学科をする」という方法ですが、大学入試からやり直す必要がなく、またやりたいことを専門的に学び直すことができるという大きなメリットがあるんです。
さらに、外国語や一般教養の単位もそのまま認定されるケースも多く、一度は検討しておくことをお勧めします。

転部・転学科とは?

そもそも「転部」「転学科」とはどんなものでしょうか。簡単に説明すると、転部とは現在在籍している学部から、同じ大学内の別の学部に転籍することです。転学科とは、現在在籍している学科から、同じ学部内の別の学科に転籍することです。この2つをまとめて「転籍」と呼ぶこともあります。

転部とは
現在在籍している学部から、同じ大学内の別の学部に転籍すること
転学科とは
現在在籍している学科から、同じ学部内の別の学科に転籍すること

転学部制度がある大学(一例)

転籍の仕組みや制度がどの程度整っているかは、大学によって異なります。多くの大学で、転部や転学科が認められていますが、注意すべきなのは、希望したからといって、すべて100%受け入れられるというわけではない、ということです。

転学部制度がある大学(一例)
東京大学
京都大学
早稲田大学
青山学院大学
神奈川大学
日本大学
専修大学
法政大学
立教大学
など

例えば早稲田大学では、転部・転科の両方の制度があり、いずれも試験要項が毎年6~7月頃に公開されます。ただし、非常に難易度は高く、狭き門と言われています。

転部・転学科の条件

転部・転学科の具体的な条件としては、単位取得状況や成績などが挙げられます。また、移動先の学部・学科に空きがない場合には、転部ができない場合もあります。転部のタイミングについては、通常学年が変わるタイミングが多いようですが、2学期からあるいは単位の取得状況によっては、留年する可能性もあります。

そして、大学入学の合格基準によって、転部・転学科ができない学部・学科もありますので、注意が必要です。

転部のための試験対策

一般的な転部の試験内容は以下の通りです。

・書類選考
・専門科目の学科試験
・英語の試験
・小論文(志望理由や研究計画等を含む)
・面接

試験の種類や内容は、大学・学部・学科によって異なりますので、事前にしっかり調べておきましょう。大学の学生課で確認することができます。
これらの対策は予備校で行うことができます。転部対策の専門予備校や大学院入試のための予備校ではなく、大学受験予備校も対応している場合がありますが、その際には活用のポイントがあります。科目ごとに注意点を説明します。

数学の対策(数学が苦手・理転)

高校時代に苦手な数学を避け、文系学部に進学したという方も多いかと思います。しかし、実際に大学に入学したけれども「やっぱり理系学部で学びたい!」という思いが強くなり、理系に変更(理転)する場合もあるでしょう。その時には、再び「数学」という壁が立ちはだかることになります。
また、理転でなくとも数学が苦手科目であるような場合には、やはり転部試験において数学が足を引っ張ることになります。

数学を一から独学で学ぶというのは非常に難しいというのが、正直なところです。

特にこれまで学習経験がなかったり苦手意識が強かったりする場合には、言わずもがなです。転部対策のために「数学」を予備校や塾で学び直す場合には、高1の基礎からの学び直しをお勧めします。

なぜ基礎から学び直すのか

「でも、高校までの勉強と、大学の勉強は違うって聞いたことがあるから、予備校でわざわざ基礎をやる必要はないんじゃないか?」
「自分がつまずいたのは高1の途中からだから、最初からやらなくてもいい」
そんな風に考える人もいるかもしれませんね。

考えられる反論
・大学と高校の数学は違う
・過去問だけやればいいのではないか?
・わざわざ基礎からやるのは時間がかかりすぎる

しかし、それは違います。
なぜなら、数学の学びは積み重ね。基礎となる計算や公式が十分理解できている、ということが前提だからです。当然ながら、高校で学んだ数学は大学での学びに繋がっていますから、高校の数学がわからないと大学の数学もわかりません!

一方で、高校時代に数学が得意だった人が、大学の数学でつまずいてしまうということもあります。その理由は、「数学の正しい勉強法」ができていなかった可能性が大です。大学で学ぶ数学は計算や公式ではなく、論証がより重視され、抽象度がぐっと上がってくるので、「解法暗記」で大学入試を突破した人は非常に苦しくなります。

以上のことから、文系学部から理系学部への転部を検討されているのであれば、高校時代に数学が苦手だった人も、大学に入ってから数学につまずいた人も、まずは数学の基礎の見直しから始めるべきです。しっかりと基礎から、理解を重視して教えてくれる塾や予備校を選びことを強くお勧めします。

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英語の対策

ほとんどの大学の転部試験において、「英語」が課されます。学部の専門や専攻によって必要となる英語力は異なりますが、大学入試とは出題傾向が異なることがほとんどです。転部試験の過去問題を公開しているのであれば、どの程度の英語力が必要なのか、専門的な文章が試験で出題されるのかなどをしっかり確認したうえで、必要な入試対策を行っていきましょう。

特に、高校時代に英語が苦手だった人や、大学に入って英語から離れてしまい英語の勉強にブランクのある人は、大学入学当初よりも英語力が格段に下がってしまった、というケースが多く見られます。早めに対策をスタートさせましょう。

TOEIC 対策

転部試験においては、独自の語学試験以外にも、TOEICやTOEFL スコアなど外部英語試験の成績の提出が必要になってくる場合があります。
転部を検討しているのであれば、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングをバランスよく鍛え、外部試験で高得点を取っておくと大きなアドバンテージが期待できます。

小論文対策

大学入試と異なり、小論文が課されることが多くなっています。出題の内容や形式は大学・学部によって大きく異なりますが、どの大学のどの専攻においても、まずは「志望理由書」「研究計画書」は必要となりますが、こちらも小論文に近いものになります。

一般選抜(一般入試)で大学に入学した場合では特に、志望動機をまとめることに苦戦される方も多いようです。いわゆるペーパー試験と異なり、唯一の正解があるわけではありませんから、自分のこれまでを振り返ったり、これから将来に向けてのプランを具体的に考えたり、意外に時間がかかるものです。遅くとも試験の半年前には準備を始める人が多いようです。

小論文にせよ、志望理由書にせよ、その特性上、自己採点が非常に難しいため、第三者から客観的なコメントをもらって指導を受けることが、ブラッシュアップして精度を高めていくうえでは必要となってきます。
プロの講師による添削指導が受けられる塾・予備校を選びましょう。

まとめ「大学進学後に進路変更したいときどうする?転部・転科とは?」

福島県立医科大学

大学の転部試験における「英語」「数学」「小論文」の対策についてみてきました。
あなたの今の状況に合わせて、適切な対策をできるだけ早く始めることが、合格への近道です。

 四谷学院の個別指導ならばあなたにぴったりの対策が可能です。   
まずは、個別相談会で気軽に相談してみませんか?転部試験の要綱や過去問を持参いただけると、より適切なご提案をすることができます。まだ転部するかどうか決めていない、大学の再受験や学士編入も視野に入れて相談したい、というケースも遠慮なくご相談ください。

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