こんにちは、四谷学院、地理担当の矢ヶ部です。
「地理が苦手だ」という受験生はたくさんいると思います。実際に私が地理を教えている中でもらった質問&回答をご紹介していきます。どのように勉強すれば苦手を克服できるのか悩んでいる受験生は、ぜひ役立ててほしいと思います。
では早速どうぞ!
目次
質問1:統計を覚えられません
地理の先生の回答
地理は覚えるのではなく、「なぜそのような統計になっているか」の背景を理解することが大切です。
例えば、米の生産統計ベスト10に入っている国はどのような国でしょうか。
まず、田んぼを思い浮かべてみてください。水がたくさん張られていますよね。つまり、米は水が大好きということです。
そして、米の原産地は中国南部からインド東部であり、水をたくさん得ることもできるモンスーンアジアで主食として定着しています。
そこで、手元のデータブックを開いて、米の生産統計10位内の国々を確認してみると・・・。
ほとんどがモンスーンアジアの国々ですよね!
同時に、米は主食であるため、人口の多い国がランクインしていることもわかります。
地理の学習アドバイス
どの国が1位で2位なのかは、原則覚える必要はありません。
小さな順位の変動は毎年あるため、順位を丸暗記しても覚えた統計値の年度と異なる統計値が出題されると、対応できなくなってしまいます。
大切なのは、「なぜそのようになっているか」を理解した上で、その背景をインプットしていくことです。
質問2:どこに何があるのか覚えられません
地理の先生の回答
「なぜその場所にそれがあるのか」を理解することが大切です。
たとえば、フィヨルドがある場所はどこでしょうか。
そもそもフィヨルドは氷河の浸食によってできたU字谷が沈水したものなので、氷河があった場所、つまり高緯度地域に存在することになります。
なおかつ、氷河が発達するには氷河のもとである水も必要です。高緯度で雨がよく降る場所はどこか。山脈の風上側です。平たく言えば、雨雲が山にせき止められて雨が降るわけです。風は高緯度では偏西風が吹く。これらをまとめると、高緯度で偏西風が当たる山脈の西側ということになります。
原理を知った上で、例えば、フィヨルドがある場所を地図帳と照らし合わせて確認してみましょう。ノルウェー、カナダ、ニュージーランド、条件に合っていますね。なおかつフィヨルドがあるのは、それぞれの国の西側が多いこともわかります。
地理の学習アドバイス
がんばって地理を勉強しているけど伸びないと、相談に来てくれた生徒がいました。
「単語カードも作って毎日電車で覚えてるんですけどすぐに忘れてしまいます。」とのこと。そのカードの表面には、「フィヨルドがある場所は?」とあり、裏面には「ノルウェー、カナダ、ニュージーランド」と書かれていました。
同じことをしている人はいませんか?
これでは記憶に定着させることは難しいと思います。丸暗記に頼る前に「なぜその場所にあるのか」について考えてみましょう。
質問3:貿易風や季節風がどっちからどっちに吹くとか覚えられません
地理の先生の回答
自然を扱う地理の分野を「自然地理学」と呼びますが、この範囲は特に「なぜそうなるか」が大切です。
具体的な解決策を解説してみましたので、こちらの記事も参照してみてくださいね。
まとめ【地理が苦手な受験生必見!】克服法・勉強法とは?
今回は地理が苦手な受験生からの質問をもとに、その克服法・勉強法を解説しました。
地理は「なぜそうなるか」がとても大切な科目です。地理が苦手な理由には様々なものがあると思われますが、そのうちの一つが「丸暗記」しようとしているからではないでしょうか。
もし自分がそうだと思ったら、少し地理の見方を変えてみるだけで地理を得意科目にできると思います。
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