こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。
新年度になり、このような相談を受けることが増えました。
『最高学年になるので部活に力を入れたいけれど、先に引退して受験勉強に専念する同級生が多くて焦っています。』
『中学校と比べて通学に時間がかかるので、高校では部活に入らず勉強しないといけないかなと悩んでいて…』
「部活と受験勉強は両立できるのか」は、多くの高校生が抱えている悩みです。
3年生の最後の大会よりも前に引退して本格的に受験勉強を始める人や、「授業についていけなくなるのが怖い」と最初から部活に入らない人もいるでしょう。
しかし、「第一志望の大学に合格したい」という望みと、
「一度きりの高校生活で部活も楽しみたい」という願いは両立しないものなのでしょうか。
そんなことはありません。
実際に部活を最後まで続けながら、第一志望合格をつかんだ先輩はたくさんいます。
今回は、「どうすれば部活と受験勉強を両立できるのか」を確認していきましょう。
目次
部活を続けていると現役合格は難しい?
結論を先に伝えると、部活を最後まで続けながら第一志望や難関大に合格した先輩はたくさんいます。
部活との両立を断念する最大の理由は、「第一志望に現役で合格したい」からでしょう。
部活を続けながらだと絶対的な勉強時間が減ってしまい、志望校に合格できないかもしれない…と不安になる人が少なくありません。
その理由と近年の受験環境を確認していきます。なぜ焦ってしまうのかがわかるはずです。
現役合格志向が強い
近年、浪人生(既卒者)の数が大幅に減っていると言われています。
2024年度(令和6年度)共通テストの志願者数を見てみると、浪人生は前年より3,422人少ない68,220人でした。
浪人生が敬遠すると考えられていた「共通テスト元年」となる2021年度(令和3年度)の試験でも81,007人と、たった3年の間に1万人以上も減っていることがわかります。
もちろん、18歳人口自体が減ってきているため、現役生の数も年々少なくなっています。
共通テスト(センター試験)の志願者数が50万人を下回ったのは、実に32年ぶりのことでした。
ただし、その32年前の1992年度のセンター試験では浪人生が約1/3を占めていたのに対し、今年度は全体の13.9%となっています。
金銭面など様々な事情から「もう1年かけてでも行きたい大学に行く」という考えをもつ受験生が減り、「現役で行ける大学に行く」という現役合格志向の受験生が増えていることがわかりますね。
その流れに乗り遅れないよう、部活を削ってでも勉強時間を確保したいと考える現役生が多いのは自然にも思えます。
推薦合格者が増えている
近年、推薦入試(「総合型選抜」「学校推薦型選抜」)で大学に進学する人が急激に増えました。
私立大学では既に全体の6割ほどが推薦入試での合格者であり、国立大学でも全体の2割ほどが推薦合格者となっています。
私立大学では11月までに選考を行うところがほとんど。
国公立大学でも年内に結果が出るところや、二次試験不要で共通テストのみを学力の選考基準とする方式もあります。
推薦入試は選考日(試験日)が早いため、一般入試よりも早い段階で学力を引き上げておく必要があるのです。
また、推薦入試の出願基準には評定が含まれることも少なくありません。
学校の成績が悪いと出願することもできなくなってしまうため、「部活が終わってから集中して短期間で仕上げよう」と思っても一般入試以上に難しくなるでしょう。
推薦入試での合格者が急増したことにより、かつての「推薦入試は志望校合格のチャンスを増やす」という認識から、「推薦入試に挑まないとチャンスが減ってしまう」という考えに変わってきているのかもしれません。
現役で進学しても中退してしまう人がいる
毎年6万人近くの学生が大学を中退しており、そのうち1万人弱が「転学が理由」と答えています。
つまり、「進学先に満足できなかった」「通ってみたら想像と違った」という学生が、毎年これだけいるのです。
四谷学院にも、再受験や仮面浪人の相談に来る大学生が少なくありません。
「行きたい大学」ではなく「行ける大学」に進学して、後悔してしまうのは非常にもったいないことです。
踏ん切りをつけて再受験に挑む人だけでなく、不満やモヤモヤを抱えながら通い続ける学生もいるでしょう。
「浪人してみたい」と自分から選択するような受験生はいません。
進学してから後悔することがないよう、現役合格をつかむ計画を立てて日々の学習に取り組みましょう。
現役合格をつかんだ先輩たちはどう両立している?
ここでは、実際に部活を続けながら合格をつかんだ先輩たちの工夫を見ていきましょう。
引退後の計画を立てておく
部活と両立して志望校合格をつかむために、もっとも重要なのは「部活引退後の計画を立てておく」ことでしょう。
多くの部活では5~6月に最後の大会を迎え、勝ち進んでいくと夏ごろに引退するケースも珍しくありません。
引退後から翌1月の共通テストを目掛けて勉強を始めても、半年ほどしか残っていないことになりますね。
残された時間が限られた状況で、いかに素早く意識を受験に切り替えられるかが重要でしょう。
しかし、「燃え尽き症候群」という言葉があるように、部活が終わると放心してしまい、なかなか受験勉強に取りかかることができない受験生が多いのもまた事実です。
スムーズに切り替えて勉強時間を少しでも確保できるよう、あらかじめ引退後にどう勉強するかを決めておく必要があります。
忙しい間にもやるべきことを継続する
引退後に限らず、部活に入っている間の学習計画も重要です。
忙しくて絶対的に勉強時間の確保が難しい時期にこそ、日々何を行うか考えておきましょう。
学力向上のためには、勉強を継続することが最重要です。
だからこそ、「部活で疲れているから、今日は何もしないで寝てしまおう」という日をいかになくせるか考えましょう。
「帰宅する電車の中で単語テストの振り返りをしよう」「夜寝る前に10分だけノートの見直しをする時間をつくろう」など、忙しいときにでもできる「最低限の勉強」を用意しておくことも継続するためのカギになります。
負担の少ない部活を選ぶ
入部の段階で、どのくらい負担になりそうかを考えて部活を決めている人もいるようです。
特別やりたいことはないが部活動には入りたいという人や、学校から何かしらの部活に入ることを義務づけられている人も珍しくありません。
その場合、以下のような部活を選択することが多くなります。
活動日が少ない
週5~6日活動がある部活に入ると、どうしても部活を中心に生活を送ることになります。
勉強と両立できるのかが不安で、活動日が多い運動部や吹奏楽部をあきらめてしまうケースもあるようです。
ただ、「平日は1日50分の練習時間のみ」で結果を残している野球部があるように、学校によって部活の内情は異なるため、入部前によく確認しておくと良いでしょう。
部活の卒業生の進路を聞いてみるのも、勉強と両立できるのかを確認するのに良いかもしれませんね。
学力アップにつながる
部活動を学力アップのために活用する人もいるようです。
英語部や生物部など、各科目の知識を深めていくことができる部活で、楽しみながら学んでいくことができます。
近年人気が高まっているクイズ部のように、広く知識を求められる部活を選ぶのも良いでしょう。
推薦入試のアピールに使える
大学進学者の半数以上を占める推薦入試で優位になるよう、部活動をアピールの材料として考えている人もいます。
そのままスポーツ推薦で進学するケースに限らず、1つのことを継続して結果を残すことは、推薦入試において重要な要素になるでしょう。
部活と受験勉強を両立させるなら四谷学院へ!
四谷学院には、志望校合格をつかむための学習計画を考えてくれる受験コンサルタントがいます。
多くの先輩たちと一緒に合格を勝ち取ってきた先生が、あなたがどう勉強を進めていけば良いのかを明確にしてくれますよ。
一度きりしかない高校生活を楽しみながら、第一志望に現役合格を勝ち取るのは、決して欲張りなことではありません。
ただ、勉強にも部活にも集中して取り組むには、まず悩みの種を取り除くことが重要です。
日々の不安を解消するために、受験のプロに頼ってみませんか?