こんにちは、四谷学院の山中です。
生物の学習において
「計算問題になると何していいかわからない・・・」という相談をよく受けます。
今日は、計算問題を「図で考える」ということを解説していきます。
複雑な計算ではない
生物の計算問題の多くは、数学や物理のように難しく複雑な計算を解き切る力を要求されているわけではありません。
与えられた文章を読み、その意味を適切に理解できているかが問われているだけなのです。
計算問題を図解で整理しよう!
たとえば、遺伝子の分野では、こんな計算問題が登場しますね。
ある細菌のゲノムDNAはであり,そのすべての領域がアミノ酸配列に関する情報をもつと仮定する。この細菌から合成されるタンパク質の平均分子量はであり,タンパク質中のアミノ酸の平均分子量は120であるとする。この細菌は何種類のタンパク質を合成することができるか計算せよ。
図解で整理してみましょう!
図の書き方は?
手順1:まず、2本鎖DNAの図を描いてみます。
手順2:このDNA全体から何種類のタンパク質が翻訳されるのか?を図示します(DNAを四角形で区分けしてみる)。
手順3:翻訳されたタンパク質の図解も描きます。
手順4:与えられた数値を図解のなかに入れます。
手順2:このDNA全体から何種類のタンパク質が翻訳されるのか?を図示します(DNAを四角形で区分けしてみる)。
手順3:翻訳されたタンパク質の図解も描きます。
手順4:与えられた数値を図解のなかに入れます。
どうでしょう?書けましたか?
求められるものは?
このようにしてみると、まず何が求められるでしょうか?
(1)まずは、図の一番下のタンパク質に注目します。この図から、タンパク質1種類あたりにアミノ酸が何個使われているのか(48000÷120=400個)がわかります。
(2)図を1つ上にもどると、RNAの3塩基が1個のアミノ酸を指定する関係から、アミノ酸400個に対応するRNAの塩基数(DNAの塩基対数)が、400×3=1200塩基だとわかります。
(3)DNA全体の図にもどると、1種類のタンパク質合成には1200塩基対が必要ですから、全DNAがからは、のタンパク質が合成できることがわかります。
【生物】計算問題も図で考えれば怖くない!~まとめ~
生物の学習において計算でのポイントは・・・
与えられた状況を図解で整理しながら考えることです。
生物の学習では「文章⇔ 図」に変換しながら考えてみると、わかりやすくなることが実に多いのです。
ふだんから、図を描く習慣をつけてみると、生物の学習は格段にやりやすくなりますよ!早速今日から試してみてくださいね。
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