現在完了形や過去完了形など、完了形は日本語にはない表現で、理解が難しい部分のひとつです。特に高校では、過去完了形だけではなく、未来完了形や完了進行形なども学ぶため、時制の理解はとても重要です。
そこで今回は、現在完了形と過去完了形の基本構文をおさらいし、両者の相違点や共通点をまとめます。訳し方や、一緒に使われることが多い表現もご紹介しますので、完了形に苦手意識のある方はぜひ参考にしてください。
目次
現在完了形と過去完了形の基本構文をおさらい
最初に、現在完了形と過去完了形の基本構文を確認しておきましょう。
肯定文
肯定文の構文は、以下のようになります。
現在完了形:主語+have(has)+動詞の過去分詞
過去完了形:主語+had+動詞の過去分詞
動詞の過去分詞は、“動詞の原形+ed”の基本パターンに当てはまらない不規則変化動詞に気をつけましょう。
否定文
否定文は、肯定文の“have・has・had”のうしろに“not”を入れます。
現在完了形否定文:主語+have(has)+not+動詞の過去分詞
過去完了形否定文:主語+had+not+動詞の過去分詞
後述しますが、“経験”の用法の場合は、“never”を使って否定文を作ります。“never”は否定を表す副詞なので、“not”は不要になります。
現在完了形(経験)否定文:主語+have(has)+never+動詞の過去分詞
過去完了形(経験)否定文:主語+had+never+動詞の過去分詞
疑問文
疑問文は、主語と“have・has・had”を入れ替え、文末に“?”をつけます。なお、“経験”の用法でよく使われる“ever”の位置は、必ず過去分詞の前になります。
現在完了形疑問文: Have(Has)+主語+動詞の過去分詞
過去完了形疑問文: Had+主語+動詞の過去分詞
現在完了形と過去完了形の違いと共通点
では、過去完了形と過去完了形の違いと共通点をまとめてみましょう。
基点となる時点
現在完了形と過去完了形で大きく異なるのが、基点となる時点です。
現在完了形の基点は、現在です。過去のある時点から現在まで継続していることを表現するのが、現在完了形です。
一方、過去完了形の基点は、過去のある時点です。過去のある時点より前の時点から、過去のある時点まで継続していた(そして、現在は継続していない)ことを表現するのが、過去完了形です。過去完了形では、基点となる過去のある時点を表現しなければならないため、過去形とセットで使います。
4つの用法
現在完了形も過去完了形も、用法は“完了”“経験”“継続”“結果”の4種類です。
完了の用法
完了の用法は、直前に起きたことや、やり終えたことを表す用法です。
現在完了形の完了用法は、「~やり終えた」「~やり終えたところだ」と訳すことが多く、たった今終了したことを強調する表現になります。完了用法では“just”“already”“yet”がよく使われ、“just”“already”は過去分詞の直前に置くのが一般的です。ただし、“yet”は否定文と疑問文のみに使い、肯定文には使えないので注意しましょう。
過去完了形の完了用法は、「~したときにはやり終えていた」「~までにはやり終えていた」という表現が頻出で、“when”“by”などがよく使われます。なお、when節に入るのは過去形で、過去完了形ではありません。また、“when”は過去の一時点を指すため、現在完了形には使えません。混乱しやすい部分なので、しっかり覚えておきましょう。
経験の用法
経験の用法は、過去の経験を表す用法です。
現在完了形の経験用法は、「~をしたことがある」と訳します。経験用法は、単なる過去形よりも経験を強調する表現になります。
過去完了形の経験用法は、「~をしていたことがあった」という意味になります。経験用法では、“before+過去形”で基点となる過去のある時点を表すことが多いです。
現在完了形・過去完了形ともに、経験の回数を表す“once”“twice”“~times”などがよく使われます。疑問文では“ever”、否定文では“never”もよく使われるので、覚えておきましょう。
なお、経験用法で注意しなければならないのが、「~へ行ったことがある(行ったことがあった)」という表現です。“go(gone)”を使うと「~へ行ってしまった(今はここにいない)」という意味になるので、be動詞(been)を使うようにしてください。
継続の用法
継続の用法は、過去のある時点からずっと継続していることを表す用法です。
現在完了形の継続用法は、「~をしているところだ」「ずっと~している」と訳します。
一方、過去完了形の継続用法は、「ずっと~していた」と訳します。過去完了形では、過去のある期間において「ずっと~していた」だけであり、現在はしていないというニュアンスになる点に注意しましょう。
継続用法では、期間を表す“for”、過去のある時点からずっとという意味の“since”、期間を指定する“until”がよく使われます。“since”は過去完了形でも使えますが、現在完了形で使われる場合が多いです。
結果の用法
結果の用法は、過去に起きた出来事の影響が続いていることを表す用法です。
現在完了形も過去完了形も「~した」と訳すため、過去形との区別が難しいですが、過去に起きた出来事の結果、どうなったのかまで予測できるのが特徴です。
過去形:I lost my wallet.(私は財布をなくした。←今財布があるかどうかは不明。)
現在完了形:I have lost my wallet.(私は財布をなくしたままです。←今も財布がない。)
過去完了形:The train had already started when she got to the station.(彼女が駅に到着したとき、列車はすでに発車していた。←列車に乗れなかった。)
理解度に合わせた学習ができる四谷学院で実力をアップさせよう
現在完了形や過去完了形など、完了形は日本語にはない表現で、理解が難しい部分のひとつです。しかも、高校の授業は進行が早く、わからなくても個別に対応してくれません。また、志望大学別や教科別得点でクラス編成する予備校では、自分のレベルに合う授業を受けられない場合もあります。
そこでおすすめなのが、四谷学院です。四谷学院ではレベル診断テストが毎月あるため、常に理解度に応じた授業が受けられます。さらに、受験に必要なテクニックをスモールステップで積み上げていくため、無理のない学力アップが目指せます。基礎の基礎からしっかり学習できる四谷学院で、苦手教科を克服しましょう!