「広島大学受験の難易度はどれくらい?」「広大合格に向けての勉強法はどうしたら良い?」と思う人は多いでしょう。広島大学は、文部科学省が実施している「スーパーグローバル大学創生支援事業」に採択されており、全国で13校しかないトップ型指定校の1校です。受験の難易度も高く、中国・四国地方の難関校となっています。広大に合格するには、弱点のない基礎力と、記述力を高めることが重要です。
この記事では、広大の入試問題で問われる能力、広大受験の概要、入試の難易度や偏差値、広大に合格するための勉強方法について解説します。
※本記事に記載されている情報は2022年10月6日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
広大(広島大学)の入試問題で問われる能力
広島大学の入試問題で問われるのはどのような能力なのでしょうか?ここでは、広大はどのような人材(学生)を望んでいるのか、広大入試の特徴、各科目の試験問題の特徴、広大入試の難易度について見ていきます。
広大はどのような人材(学生)を望んでいるのか
広島大学は、「自由で平和の一つの大学」という建学の精神のもと、
1.平和を希求する精神
2.新たなる知の創造
3.豊かな人間性を培う教育
4.地域社会・国際社会との共存
5.絶えざる自己変革
を理念5原則としています。広島大学の伝統と実績を活かした教養教育を根幹に「平和を希求する国際的教養人」の養成を行うとともに、世界トップレベルの研究に裏打ちされた国際的に通用する専門教育を提供し、世界や地域社会で活躍する人材の養成を行うことにより、国立大学としての使命を果たしています。
そのような広島大学では、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)として、次のように定めています。
1.豊かな心を持ち平和に貢献したい人
2.知の探求・創造・発展に意欲のある人
3.専門知識・技術を身につけ、社会の発展に貢献したい人
4.多様な文化・価値観を学び、地域・国際社会で活躍したい人
広島大学の各学部・学科ごとのアドミッション・ポリシーも定められているほか、入学者に求める能力やその評価方法を、知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性・協働性などと関連付けて明示し、多面的・総合的な評価による選抜を実施しています。
広大入試の特徴
広大入試は、一般選抜(前期日程)での大学入学共通テストの配点比率が高めになっています。特に文系学部・学科でその傾向が強く、例えば法学部(昼間コース)では共通テスト800点に対し、個別学力検査が400点、経済学部ではそれぞれ900点・800点などとなっています。
理系学部・学科では個別学力検査の配点のほうが高くなっているケースもありますが、いずれにしても、全体的に大学入学共通テストの点数が高く設定されているので、共通テスト対策が合否に大きく影響します。ただし、学部・学科により配点は異なりますので、志望学部・学科で重視される教科・科目を確認し、受験勉強の進め方を決めましょう。
各科目の試験問題の特徴
広島大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、一般選抜(前期日程)での試験問題の特徴を、科目を抜粋してご紹介します。
英語
広大の英語は試験時間120分で大問は5問。全学部で同じ問題を解きます。長文の英文和訳が1問、会話文が1問、長文読解が2問、自由英作文が1問というのが近年のパターンです。
かなりボリュームのある長文を理解しながら時間内に5問解くには、かなりの速読が必要です。また、自由英作文は図やグラフといった統計データを読み解いて英語で解答する形式で、他の大学ではあまり見られない出題形式です。過去問などを使い、慣れておきましょう。
国語
広大の国語は、大問が3問で試験時間は120分。ただし学部により、「現代文のみ3問」と、「現代文・古文・漢文の3問」の2パターンがあります。設問数や記述量が多く、読解を問う問題も多いので、時間配分も重要です。
現代文が3問のパターンでは、評論・小説・随筆の出題が例年のパターンです。
現代文と古文、漢文が1題ずつ出題されるパターンでは、古文の文法・語彙、漢文の句形の知識と語彙の読みは重要です。また、どの分野の解答も、記述力と表現力が求められます。
数学
広大の数学は、文系で大問が4つで120分、理系では大問が5つで150分。理系数学には数Ⅲが入ってきます。いずれも微分積分、確率、数列などが頻出とされています。また、単元が融合された出題(例えば数列と確率、図形と方程式と微積分など)も多くみられるので、過去問などで傾向をつかんでおきましょう。
広大入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、広島大学の入試の偏差値は55~76、共通テスト得点率は55~84%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
文 | 65~70 |
法 | 64~71 (夜間)55~59 |
経済 | 65~69 (夜間)55~56 |
教育 | 57~68 |
総合科 | 60~69 |
情報科 | 59~62 |
理 | 55~67 |
工 | 57~62 |
医 | 55~76 |
歯 | 55~67 |
薬 | 63~67 |
生物生産 | 57~62 |
広大試験の概要
出願資格や試験科目と合格要件、出願者数や合格者数のデータなど、広大試験の概要について見ていきましょう。
※記事に記載のデータは、2022年10月6日現在のものです。
出願資格について
広大の出願資格は、大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験し、次のいずれかに該当する人です。
(1)高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月に卒業見込みの者
(2)通常の過程による12年の学校教育を終了した者および入学年の3月までに修了見込みの者
(3)学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
参照:令和6年度 広島大学一般選抜 (前期日程・後期日程) 学生募集要項
なお、(3)に該当する場合で、個別の入学資格審査が必要な場合などは、公式サイトか入試センターで事前に手続きが必要です。
試験科目や合格要件
ここからは、広島大学の学部ごとの試験科目や配点を一部学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜(前期日程)の内容です。その他の学部・学科の試験内容については、最新の募集要項にてご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2022年10月6現在のものです。
総合科学部 総合科学科 文科系(前期)
試験区分 | 教科 | 科目 | 配点 |
大学入学共通テスト | 国語 | 国 | 200 |
地歴・公民 | 世B、日B、地理B、倫・政経から2 | 200 | |
数学 | 数ⅠAと(数ⅡB、簿、情報から1)の2 | 200 | |
理科 | 物基、化基、生基、地基から2 または 物、化、生、地から2 | 100 | |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1 | 200 | |
合計 | 5~6教科8科目 | 900 | |
個別学力検査 | 外国語 | 英、独、仏、中から1 | 600 |
その他 | 小論文 | 600 | |
合計 | 1200 | ||
総合計 | 2100 |
歯学部 歯学科(前期)
試験区分 | 教科 | 科目 | 配点 |
大学入学共通テスト | 国語 | 国 | 200 |
地歴・公民 | 世B、日B、地理B、倫・政経から1 | 100 | |
数学 | 数ⅠAと(数ⅡB、簿、情報から1)の2 | 200 | |
理科 | 物、化、生から2 | 200 | |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1 | 200 | |
合計 | 5教科7科目 | 900 | |
個別学力検査 | 数学 | 数ⅠA・数ⅡB・数Ⅲ | 400 |
理科 | 物基・物、化基・化、生基・生から2 | 400 | |
外国語 | 英、独、仏、中から1 | 400 | |
その他 | 面接 | – | |
合計 | 1200 | ||
総合計 | 2100 |
工学部 第1類(前期)
試験区分 | 教科 | 科目 | 配点 |
大学入学共通テスト | 国語 | 国 | 200 |
地歴・公民 | 世B、日B、地理B、倫・政経から1 | 100 | |
数学 | 数ⅠAと(数ⅡB、簿、情報から1)の2 | 200 | |
理科 | 物と化の2 | 200 | |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1 | 200 | |
合計 | 5教科7科目 | 900 | |
個別学力検査 | 数学 | 数ⅠA・数ⅡB・数Ⅲ | 600 |
理科 | 物基・物と化基・化の2 | 600 | |
外国語 | 英、独、仏、中から1 | 400 | |
合計 | 1600 | ||
総合計 | 2500 |
出願者数や合格者数のデータ
広島大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2021年度(令和4年度)の一般選抜(前期日程)の結果です。
学部 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
総合科 | 110 | 250 | 240 | 114 | 2.1 |
文 | 90 | 183 | 177 | 105 | 1.7 |
教育 | 315 | 532 | 514 | 337 | 1.5 |
法(昼) | 110 | 267 | 252 | 121 | 2.1 |
経済(昼) | 110 | 203 | 192 | 124 | 1.5 |
理 | 143 | 316 | 303 | 167 | 1.8 |
医 | 195 | 850 | 782 | 220 | 3.6 |
歯 | 60 | 177 | 157 | 76 | 2.1 |
薬 | 50 | 198 | 192 | 63 | 3.0 |
工 | 399 | 682 | 658 | 431 | 1.5 |
生物生産 | 65 | 94 | 91 | 72 | 1.3 |
情報科 | 72 | 181 | 176 | 77 | 2.3 |
広大に合格するための勉強方法
広大に合格するための勉強方法はどのようにすれば良いのでしょうか?広大に入るには何をすればいいのか、受験期の過ごし方、独学で勉強する場合、予備校で勉強する場合などについて見ていきましょう。
広大に入るには、何をすればいい?
広島大学は、全体的に大学入学共通テストの配点比率が高くなっています。したがって、まずは共通テストで高得点を取ることが合格に必須の要件となるでしょう。
また、広大の2次試験は論述問題が多いことも特徴です。論述問題の解答は、採点官にきちんと伝わるような文章を記述しなくてはなりません。自分の作成した文章が人に伝わりやすいかどうかはなかなかわからないものであるため、記述力を高めるためには先生に添削してもらうことが有効です。
受験期の過ごし方
高校3年生の1年間の受験期をどう過ごすかで、志望校への合否が決まることになります。受験期は、学期ごとに目標をはっきりとさせたうえで勉強に取り組みましょう。
4月~8月(1学期と夏休み)
1学期と夏休みの期間は、基礎をしっかりと固めることに専念しましょう。過去問を解くなどよりも、教科書を徹底的に理解することが大切です。基礎の内容で、もしどうしても納得できないことがあれば、先生に遠慮なく質問しましょう。先生に質問することで、基礎をより深く理解することができます。
夏休みの期間は、苦手科目の克服に取り組みましょう。夏休みを過ぎてしまえば、基礎固めに使うことができる時間はもうあまりありません。夏休みの終わりまでに、弱点のない基礎固めを終えましょう。
9月~11月(2学期)
2学期は、夏休みまでに固めた基礎の上に応用力をつける時期です。過去問などはこの時期に取り組むのがよいでしょう。この時期に多く行われる模試を積極的に受けてみるのもおすすめです。
また、論述問題に解答するための記述力も、この時期につけなくてはいけません。解答を先生に添削してもらうことで、記述力は飛躍的にアップするでしょう。
12月~3月(3学期)
3学期は実戦力をつける時期です。冬休みから共通テストまでは共通テストの過去問に、そして共通テストが終わったら2次試験の過去問に取り組みましょう。過去問に取り組む場合は時間を計り、時間配分の要領についても身につけていきましょう。
独学で勉強する場合
独学で勉強する場合には、まずはスケジュールをしっかりと立てましょう。学期ごとに目標を定めたあと、それを1ヵ月、1週間のスケジュールに落とし込んでいきます。進み具合を時々確認し、もし遅れが出た場合は、スケジュールを組み替えることも必要でしょう。
また、独学で勉強すると「自分がどのレベルにあるのか」がなかなかわかりにくいものです。目標に対する自分のレベルがわからないと不安の原因ともなりますので、模試などは積極的に受けることをおすすめします。
また、基礎力と記述力を高めるためには、質問や添削ができる先生の力がやはり必要となるでしょう。学校の先生に個人的に質問したり添削してもらったりする機会を積極的に作りましょう。
予備校で勉強する場合
予備校で勉強する場合、「予備校に通っている」ということだけで安心してしまうことがあります。予備校にただ漠然と通っていても、目標を達成することは難しいのが実情です。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
まず、予備校の授業レベルや内容が自分に本当に合っているのかを確認しましょう。特に、授業レベルについては自分の能力より高すぎても低すぎても効果を上げることはできません。授業レベルが自分に合っていないと思ったら、クラス替えをお願いすることも必要でしょう。
また、志望校に合格するためには自分の弱点がどこにあるかをきちんと知り、弱点を克服するための勉強を重ねることも欠かせません。弱点を克服するには、先生に個別指導を受けることも有効です。
数ある予備校のなかでも、四谷学院は、大人数を対象とした授業スタイルではなく、一人ひとりのレベルに合ったカリキュラムを提供できるシステムを用意。理解力と解答力を効率的に強化できる大学受験予備校です。
四谷学院のカリキュラムのご案内
四谷学院では、「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」のダブル教育により広大に合格できる力を無理なく身につけることができます。
科目別能力別授業
科目別能力別授業は、科目ごとに、自分の能力にぴったりと合ったレベルの授業を受けられるシステムです。例えば国語で、「現代文は得意だけど古文と漢文は苦手」などという場合でも、現代文はレベルが高いクラスで、古文と漢文は標準レベルのクラスで授業を受けられます。それにより、広大合格に欠かせない基礎力を効果的に高めることができます。もちろん、実力が上がればクラスレベルも変えることが可能。毎月レベル診断テストを実施しており、学期途中でも学力の伸びに応じて最適な授業が受けられます。
また、四谷学院のクラスはアットホームな雰囲気ですので、先生に対して質問なども気軽にできます。授業を受ける仲間同士ではげまし合えるので、勉強に対するモチベーションを保つことにも役立ちます。しかも、科目別能力別授業なら、自分と近い実力の生徒だけが集まるので、周囲との学力差を感じてモチベーションが下がることもありません。これも習熟度別にクラスを分けるメリットです。他予備校のように、単純な教科別のクラス編成では実現できない多くのメリットを享受できるスタイルが、四谷学院の科目別能力別授業なのです。
科目別能力別授業の詳細はこちら!
55段階個別指導
55段階個別指導は、中1レベルから東大レベルにまで設定された55段階の個別指導を受けることにより、無理なく実力をアップさせるシステムです。毎回小テストが行われ、解答をプロの講師がその場で添削します。理解に穴があるところや弱点は先生が個別に指導しますので、弱点のない基礎力が身につきます。これは四谷学院の登録商標で、特許庁にも出願済のシステムです。
論述問題の添削も個別指導が受けられます。解答の仕方が不十分なものは先生が指摘。単純な回答だけでなく、その回答に至るまでのプロセス・思考まで指摘・アドバイスをしてくれるので、本番で通用する記述力を高めることも可能です。
55段階のペース配分は、年間の授業回数から逆算して決められます。志望校合格への最短コースを導く「55ナビシステム」により、広大合格という目標に対し自分がどのレベルにあるのか常に意識できますので、不安になることがありません。
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まとめ
広大の入試問題で問われる能力
- 広大は、平和に貢献したい人、社会の発展に貢献したい人を求めている。
- 広大入試は大学入学共通テストの配点比率が高いことが特徴。
- 広大入試は難易度が高いが、良問が多いといわれているので基礎固めが重要。
広大試験の概要
- 広大の実質倍率は、1.3~3.6倍(令和4年度一般選抜前期日程)。
広大に合格するための勉強方法
- 広大に入るためには基礎力と記述力を高めることが重要。
- 受験期の過ごし方は学期ごとに目標をしっかりと持つことが大切。
- 独学で勉強する場合にはスケジュール管理をしっかりする。
- 予備校で勉強する場合は授業レベルと自分の能力が合っているかを確認する。
- 四谷学院はダブル教育の効果で広大に合格できる力が無理なくつく。
広島大学は、難易度が高く、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年10月6日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。