こんにちは。四谷学院の奥野です。
近年、少子化の進行によって18歳の人口が減り、大学受験倍率が急速に低下しています。
定員割れを起こしている私立大学もあり、大学全入時代と呼ばれることもしばしば。
本人さえ良ければ、ほとんど誰でもどこかの大学には入れるということになります。
しかし、もちろんですが全ての大学において「簡単に入れる」ということにはなりません。
一部の難関大学に人気が集中し、倍率が上昇しつつあります。
中でも特に、不況に強いとされる資格・技能を習得できる大学・学部が人気です。
今回は、その中の頂点、医学部についてお話ししていきます。
目次
医学部の志願者数は増えている
そもそも医者になりたい人は、どのくらいいるのでしょうか。
2000年度に約4万5000人いた私立大学医学部の一般入試の志願者数は、2014年度には10万人を超えています。
倍以上増えているんですね。
「医師が足りない!」
という社会ニュースを目にする機会が多くなっている近年では、志願者が倍以上増えていることは、とても良いことのように思うかもしれません。
ただ、志願者数が増えただけでは解決しないんです。
実は、その倍増している志願者数を受け入れてくれる医学部は、ほとんど増えていないんです。(定員は増えています)
2016年4月に「東北医科薬科大学」が誕生し、それがなんと37年ぶりの医学部新設。医学部以外の学部はどんどん増えていき、名称も多様なものがありますが、医学部はほぼ増えないんです。
医師不足なのに医学部は増えない理由
なぜ医学部は増えないのでしょうか?
医師が足りないんだから、さっさと作っちゃえばいいのに。と思うかもしれませんが、医学部新設にはハードルが複数あります。
・技術面(医療について学ぶための施設・医療技術を充実させるのが大変です)
・医師会の反発(大人の事情です)
つまり現状は、定員は増えているもののそれも限界、それ以上に志願者が増えている。ということです。
だからこそ倍率が上がり、10倍・20倍というレベルの話になるんですね。
医学部は何が特別?
医師になろうと決意し、医学部を目指す受験生にとって、きわめて厳しい現実ですね。
たしかに医学部に合格することは簡単なことではありません。
ただ、ここで重要なのは、「医学部は本当に特別なのか」という問題です。
国公立医学部は東大レベル?
「国公立医学部」と聞いた瞬間に、もはや神のごとき扱いをする人もいます。
「そもそも医学部に入るには、特別な頭が必要」
と考えている人も少なくありません。
ですが、それは本当なのでしょうか。
医学部の難しさを表現するときに、「東大レベル」のような言い方を使うことがあります。
確かに少し前までは国公立医学部だと
「センター試験の得点率ボーダーは90%以上が当たり前」
と言われ、東大とほぼ同じ得点率でした。
ただ、先ほども伝えたように定員が増えたり、地方枠が拡大している影響で、国公立医学部の中でも二極化の傾向が見られるんです。
また、東京大学と医学部、どちらが難しいかを単純比較することはできません。
配点の比率が異なるだけでなく、二次試験の出題傾向や難易度も違うからです。
国立医学部が難しいと言われる理由
国公立医学部が難しいと言われるのは、「センター試験でとるべき得点が非常に高い」ためです。
医学部に合格するには90%近くの得点率が必要なだけでなく、そもそも合否判定におけるセンター試験の割合が非常に高いです。
その一方で二次試験では、たいていの場合、他の理工系学部と共通の問題が出題されます。合格ラインは上がりますが、問題自体は他学部と同じものの場合が多いんです。
医学部だけがまったく異質な対策が必要でないことが分かりますよね。
逆に東大はどうでしょう。
東大の場合、医学部と違って、センター試験と二次試験の得点比率を見ると圧倒的に二次試験の比重が重いです。
つまり、東大は、センター試験で多少失敗しても、二次試験での逆転も可能。
医学部はセンター試験がとにかく生命線。二次試験での逆転はかなり厳しい。ということです。
そう考えると東大と医学部、どちらがより難しいかを考えるのは不毛なことですよね。
「どちらも、それぞれに難しい」というしかないんです。
まとめ:国公立医学部に受かるためには
ここまでを踏まえて、国公立医学部に受かるためには何が必要なのか、考えてみましょう。
強いてあげるとすれば、「センター試験の全科目でミスなく高得点をする」ことです。
人間だれしも得意・不得意と好き・嫌いがあります。
勉強の科目においても同じこと。
ただ医学部に受かるためには、得意・不得意や好き・嫌いは言ってられません。
どんな科目であっても求められるのは高得点。
全科目を1年もの間取り組むのは、メンタル・忍耐力が必要です。
求められるのは学力の高さだけではないんですね。
四谷学院には、どんな逆境からでも国立医学部に合格できるだけのノウハウが備わっています。