こんにちは!四谷学院の岩佐です。
四谷学院では受験コンサルタントがみなさんの学習相談に乗っているのですが、
『現代文ってなにを勉強すればいいんですか??』
という質問を毎年受けるんですよね。
今日は現代文の勉強方針について、お話ししていきます。
現代文に求められる学力とは
受験生にとって「なにを勉強したらいいかわからない科目」No.1の現代文。
そもそも、大学入試の現代文において求められる学力は、3つに分けられます。
- 語彙力
- 読解力
- 表現力(構成力)
の3つです。
それぞれ紹介していきましょう。
語彙力とは
「語彙(単語) の勉強って英語や古文で必要なんじゃないんですか?」
と、思う人もいるかもしれません。
しかし、評論文を読むときにはテーマに応じた「評論用語」の知識が必要です。
さらに、小説を読むときには「心情表現」を知らないと登場人物の気持ちは理解できませんよね。
多様なテーマ・表現を正確に理解するためには語彙力を高めていく必要があるのです。
読解力とは
『読解力』というと少しあいまいな感じがするので
文と文のつながりを理解し、文章全体の「言いたいこと」をつかむ力
と、定義したいと思います。
※言葉の定義を把握することは読解でも重要!
そして、この『読解力』を身につけるためには2つのことが必要不可欠です。
2.「段落ごとの展開」や、「表現方法」に注意して読むこと
特に「接続詞」は文脈(=文章の流れ)をつかむためにも必要な道具です。
たとえば、次の2つの例文を見てみましょう。
Ⅱ. あの子はとてもやせている。しかし、大食いだ。
Ⅰの例文では、「やせている」ということが
Ⅱの例文では、「大食いだ」ということが強調されています。
どちらも同じ言葉を使っているのに、文のつなぎ方によって文脈が変わってしまうのです。
例文で登場した「しかし」は、一般に「逆接」の接続詞と言われます。
「逆接」の接続詞は基本的にうしろに来るものを強調する、という特徴があるのですが
さらに言うと、「逆接」の接続詞の前後は「対比関係」にあると言えます。
Ⅲ. 一昔前はちょっとした用事で町へでかけるにも大変苦労した。
しかし、今では交通網の発達ですぐに町の中心地へ行けるようになった。
Ⅲの例文では「しかし」のうしろを強調しているとともに、「しかし」の前後で「今」と「昔」が比べられています。
文章の流れや対比関係を正確に把握するためにも、接続詞のはたらきは必ず理解しておきましょう。
表現力(構成力)
文章を読む力は、文章を書く力と切り離すことができません。
正しい文を書くためには、正しく文を読める力を養わなければならないですし、その逆もまたしかり、です。
たとえば、文の骨格となるものとして主語・述語があります。
わかりにくい文に出会ったときでも、主語・述語をおさえると意味を把握しやすくなります。
こちらの文を見てください。
ヨーロッパ式の庭園は、左右相称で、幾何学的図形をなしている花壇や、やはり幾何学的図形を石組で作り出し、中央に噴水を出しだ泉水や、丸く刈り込んだ樹木や大理石その他の彫刻を置いた、よく手入れされた芝生など、人間の造型意志をはっきりと示しているところに特色がある。
(2007年度センター試験 国語 本試験 第一問 山本健吉『日本の庭について』より)
とても1文が長くなっています。
この文から主語と述語を抜き出してみると、
とてもすっきりした文になり、「ヨーロッパ式の庭園」がどんな特色を持っているのか、ぐっとわかりやすくなりました。
長い文に直面したときに、「なに言っているのかわからない…」となってしまう人は、ぜひ試してみてください。
ちなみに、今回引用した文章のように、日本と西洋の比較というのは、評論文の問題でよく出題されるテーマの1つです。
みなさんのなかにも学校の授業で『水の東西』という文章を読んだことがある人も多いのではないでしょうか?
『水の東西』は日本の「ししおどし」とヨーロッパの「噴水」を比較している文章でした。
「授業でやったけど忘れちゃった」という人はぜひ読み直してみてください。
そのときにはぜひ先ほどお話しした「対比」に注目して読んでみてください。
本日は現代文に必要な力とその勉強法についてお話ししてきました。
自分がもっと伸ばしていくべき部分はどこなのか、確認してみましょう。
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