こんにちは!四谷学院の奥野です。
日本赤十字看護大学は1986年に誕生した私立大学で、1890年から開始された日本赤十字社病院の看護婦養成が前身です。
看護教育を先導した本大学は、2021年3月時点で3,000人を超える卒業生を輩出しています。
この記事では、日本赤十字看護大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格につながる勉強方法をご紹介します。
日本赤十字看護大学の受験を検討している方、成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2024年6月19日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
日本赤十字看護大学の入試問題で問われる能力
まずは、日本赤十字看護大学が求めている人材(学生)や入試の特徴、難易度について解説します。
日本赤十字看護大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
日本赤十字看護大学の建学の精神は、以下のとおりです。
いかなる場合においても一人ひとりの尊厳を守り、人々が有する平和と健康に生きる権利を、看護を通し広く社会に、さらには国際的な分野においても実現するために、看護学に関する専門分野の教育、研究を行うことを目指します。
引用:日本赤十字看護大学 建学の精神・教育理念|日本赤十字看護大学
そして、アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)では、以下のような学生を求めていると記されています。
- 赤十字理念である人道(Humanity)に共感し、自分も他者も大切にできる人
- 看護学を学ぶために必要な基礎学力を持ち、論理的に考えることができる人
- 感性が豊かで、多様な人とコミュニケーションをとることができる人
- 看護に関する学問・実践の楽しさや深さを発見し、持続的に学ぼうとする意欲を持つ人
引用:日本赤十字看護大学 アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)|日本赤十字看護大学
上記の内容から、日本赤十字看護大学は論理的思考力やコミュニケーション能力、高い学習意欲を持った学生を求めていることがわかります。
日本赤十字看護大学の入試の特徴
日本赤十字看護大学の入試には、一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜、学校推薦型選抜といった選抜方式があり、一般選抜以外はさらにいくつかの種類に分かれています。
ここでは、2025年度の学部入試情報から、おもな選抜方式をご紹介します。
一般選抜
日本赤十字看護大学の一般選抜は、第1次試験に合格した者に限り第2次試験が受けられ、2つの試験の総合点で合格者を選抜します。
第1次試験は学力試験3科目、第2次試験はグループ討議・個人面接です。
なお、看護学部とさいたま看護学部で試験日が異なります。
大学入学共通テスト利用選抜
大学入学共通テスト利用選抜は以下の4つに分けられ、必須科目や選択科目がそれぞれ異なります。
- Ⅰ-A:必須科目2科目+選択科目1科目
- Ⅰ-B:必須科目3科目
- Ⅱ:必須科目1科目+選択科目2科目
- 赤十字6看護大学連携併願:必須科目2科目+選択科目1科目
赤十字6看護大学連携併願選抜は、全国にある合計6つの日本赤十字看護大学が共同で実施しており、1回の出願で複数大学に併願できるのが特徴です。
試験科目の詳細は、大学公式ホームページの大学入学共通テスト利用選抜をご確認ください。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は以下の3つに分けられ、選抜方法がそれぞれ異なります。
- 公募推薦選抜:資料読解、グループ討議・個人面接、書類審査を総合して合格者を選抜
- 指定校推薦選抜:小論文、グループ討議・個人面接、書類審査を総合して合格者を選抜
- 赤十字特別推薦選抜:資料読解、グループ討議・個人面接、書類審査を総合して合格者を選抜
赤十字特別推薦選抜のみ、第1次試験と第2次試験が設けられています。
第1次試験では資料読解とグループ討議・個人面接が、第2次試験では日本赤十字看護大学の教員と日本赤十字社職員による個人面接が実施されます。
また、同一学部であれば、公募推薦選抜と赤十字特別推薦選抜の併願が可能です。
赤十字特別推薦選抜に不合格の場合には、公募推薦選抜で選抜が行われます。
日本赤十字看護大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
日本赤十字看護大学に合格するには、試験問題の特徴や傾向をつかんでおくことが大切です。
ここでは、一般選抜の試験問題の特徴を、科目ごとにご紹介します。
英語
英語は、英語コミュニケーションⅠと英語コミュニケーションⅡから出題され、試験時間は60分です。大問は3つで構成されており、長文読解がメインで出題されています。
英語の得点を高めるには、単語や熟語を覚えて語彙力を高めるのが重要です。
大学入学共通テストレベルの問題集にも取り組み、わからないところが出てきたら徹底的に調べて着実に力をつけていきましょう。
国語
ほかの試験問題はマークシート方式で解答しますが、国語のみ一部記述式の問題があります。これは、大学入学後に求められる読解判断力や論理的思考力、記述表現力を正しく評価するためです。
試験時間は60分で、大問2つで構成されています。各問の文章量が多いため、時間配分に注意して取りかかりましょう。
数学
数学は選択科目の一つであり、一般選抜では数学Ⅰと数学Aが出題範囲です。試験時間は60分で、大問は5つで構成されています。
マークの仕方など、解答上の注意が多く複雑なので、ミスのないよう慎重に解答しましょう。
標準~やや難しいレベルの問題が出されていますが、応用問題は少ないため、基礎的な部分をしっかり理解できるよう、問題集や過去問を繰り返し解くことが重要です。
理科
理科も選択科目の一つです。生物を選んだ場合は「生物基礎と生物」、化学を選んだ場合は「化学基礎と化学」、理科(基礎)を選んだ場合は「生物基礎と化学基礎」が出題範囲となります。
試験時間は60分です。大問の構成は2~10と、科目によって大きく異なります。
なお、「化学(化学基礎と化学)」は2026年度試験から削除されます。
日本赤十字看護大学の入試の難易度
Benesseの「マナビジョン」のデータによると、2024年7月24日時点の日本赤十字看護大学の偏差値は61~68です。大学入学共通テストの得点率は、66~78%となっています。
学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
学部 | 偏差値 |
看護学部 | 63~68 |
さいたま看護学部 | 61~66 |
参照:日本赤十字看護大学/偏差値・入試難易度【2024年度入試・2023年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
日本赤十字看護大学試験の概要
ここからは、日本赤十字看護大学の入試概要をご紹介します。
出願資格について
日本赤十字看護大学の一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜(赤十字6看護大学連携併願選抜を除く)の出願資格は以下のとおりです。
日本赤十字看護大学 一般選抜|日本赤十字看護大学
日本赤十字看護大学 大学入学共通テスト利用選抜|日本赤十字看護大学
また、学校推薦型選抜の出願資格は、選抜方式ごとに定められています。詳細は、大学公式ホームページの学校推薦型選抜をご確認ください。
試験科目や配点
日本赤十字看護大学の入試科目や配点は、入試区分やその種類によって異なります。
ここでは、一般選抜と大学入学共通テスト利用選抜(Ⅰ-A、Ⅰ-B)の試験科目や配点をご紹介します。
なお、以下のデータは2024年6月19日時点のものです。
<一般選抜>
教科 | 科目 | 配点 |
外国語 | 英語(英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ) | 100点 |
国語 | 現代の国語(記述式問題を含む) | 100点 |
選択科目 | 次の4科目から1科目を選択 数学:数学Ⅰ、数学A 生物:生物基礎と生物 化学:化学基礎と化学 理科(基礎):生物基礎と化学基礎 | 100点 |
面接(第2次試験) | グループ討議・個人面接 | 50点 |
<大学入学共通テスト利用選抜(Ⅰ-A)>
教科 | 科目 | 配点 |
外国語 | 英語(リーディング及びリスニング) | 200点 |
数学 | 数学Ⅰ、数学Aまたは旧数学Ⅰ・旧数学A | 200点 |
選択科目 | 次の4科目から1科目を選択 数学:数学Ⅱ、数学B,数学Cまたは旧数学Ⅱ・旧数学B 理科:化学 理科:生物 理科:物理基礎/化学基礎/⽣物基礎/地学基礎から「化学基礎」と「⽣物基礎」を選択 | 200点 |
<大学入学共通テスト利用選抜(Ⅰ-B)>
教科 | 科目 | 配点 |
外国語 | 英語(リーディング及びリスニング) | 200点 |
数学 | 数学Ⅰ、数学Aまたは旧数学Ⅰ・旧数学A | 200点 |
国語 | 国語(近代以降の文章) | 200点 |
参照:日本赤十字看護大学 大学入学共通テスト利用選抜|日本赤十字看護大学
出願者数や合格者数のデータ
日本赤十字看護大学の一般選抜における出願者数や合格者数(2024年度)は、以下のとおりです。
学部 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
看護学部 | 357 | 336 | 189 | 1.8 |
さいたま看護学部 | 226 | 218 | 113 | 1.9 |
参照:日本赤十字看護大学 過去の入試結果(学部)|日本赤十字看護大学
最新のデータは、大学公式ホームページの過去の入試結果(学部)をご確認ください。
日本赤十字看護大学に合格するための勉強方法
ここからは、日本赤十字看護大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
日本赤十字看護大学に入るには、何をすればいい?
日本赤十字看護大学の偏差値は61~68、大学入学共通テストの得点率は66~78%で、中程度の難易度です。
日本赤十字看護大学の入試では、基礎の定着度合いが合否に影響をおよぼします。
そのため、教科書や問題集などで学習しつつ、ケアレスミスがないよう復習することが大切です。
試験科目や範囲は、入試区分やその種類によって異なります。併願を希望する方は、必要な学習内容を事前に調べておきましょう。
受験期の過ごし方
高校3年生の受験期をどう過ごすかによって、合否が左右されるといっても過言ではありません。事前に受験勉強の長期的なスケジュールを立てておき、計画的に取り組みましょう。
以下は、やるべきことを季節ごとに設定した1年間のスケジュール例です。
- 春(4~5月):基礎固めに徹する時期です。日本赤十字看護大学では基礎的な学力が重要なため、教科書を中心に学習を進めます。この段階で苦手分野も明確にしておきましょう。
- 夏(6~8月):苦手分野の克服に努めましょう。十分な時間が確保できる夏休みは、夏休み全体の計画と週単位の計画を立てておくと、スケジュールを組みやすくなります。
- 秋(9~11月):これまで身につけた基礎学力をもとに、応用問題へ取り組みます。過去問を繰り返し解いて入試問題の傾向を把握しつつ、学力アップを目指しましょう。模試を活用するのもおすすめです。
- 冬(12月~):入試本番に備えた対策をする時期です。本番と同じような環境で過去問や演習問題を解き、時間配分の感覚をつかみます。基礎的な部分も併せて復習しておきましょう。
予備校で勉強する場合
日本赤十字看護大学は基礎学力が重要となるため、独学でも合格できる可能性はありますが、効率的に学習を進めたい方には予備校での勉強がおすすめです。
予備校であれば志望校に合った指導を受けられ、スケジュール管理もしやすくなります。
ただし、予備校に通う場合は、勉強したつもりにならないように注意が必要です。特に集団授業では、積極的に質問できる方や、自ら予習・復習ができる方でないと、苦手分野を放置したまま入試本番を迎えてしまう可能性があります。
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予備校の授業についていけるか不安な方には、「ダブル教育」を採用している四谷学院がおすすめです。
科目別能力別授業と55段階個別指導により、自分の学力に適した指導を受けられます。
科目別能力別授業
ほとんどの予備校では、志望校や入塾テストの点数でクラス分けを行います。大学受験に特化した授業内容のため、苦手科目の場合は授業のレベルについていけないこともあるでしょう。
しかし、四谷学院の科目別能力別授業は、科目ごとの習熟度に合わせてクラス分けを行います。苦手科目は基礎から学び直し、得意科目はより点数を伸ばせるため、効率的に理解力を向上できるのです。
55段階個別指導
55段階個別指導では、受験に必要な知識を55段階に分け、1つずつ着実に学んでいきます。段階が上がると、同じ内容を異なる難易度で学習することになるため、弱点をつぶしつつ解答力を大きく向上させられます。
また、プロの講師が1対1で指導する55段階個別指導は、些細な点も質問しやすいのが魅力です。55テストの採点後はすぐに解説を受けられるため、疑問を残すことなく次の段階に進めます。
日本赤十字看護大学入試は丁寧に解く力が重要!
【日本赤十字看護大学の入試概要】
- 入試区分は一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜、学校推薦型選抜があり、一般選抜以外はさらにいくつかの種類に分かれている
- 難易度は中程度
【日本赤十字看護大学の入試データまとめ】
- 一般選抜の実質倍率は1.8~1.9倍(2024年度)
【勉強方法まとめ】
- 基礎的な内容を徹底的に学習し、ケアレスミスのないようにする
- 年間のスケジュールを立て、入試直前期は時間配分を意識して取り組む
日本赤十字看護大学は入試区分やその種類によって、試験科目・範囲が異なります。それらを事前に確認し、試験範囲の基礎固めに努めましょう。
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※本記事でご紹介した情報は2024年6月19日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは相談会・説明会参加が重要!
大学受験の合格率を上げるためには、予備校選びも重要です。インターネット上の口コミやパンフレットでは取得できる情報に限りがあるため、実際に説明会・相談会へ参加することをおすすめします。
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