こんにちは!四谷学院の奥野です。
聖路加国際大学は、キリスト教宣教医であるルドルフ・B・トイスラーが1920年に創立した「聖路加国際病院附属高等看護婦学校」を母体とする私立大学です。
看護学部、看護学研究科を擁しています。
研究活動を積極的に進めており、2012年には文部科学省科学研究費補助金の採択率が全国で1位になるほどの実績を誇ります。
この記事では、聖路加国際大学の入試の特徴や難易度、試験の概要、効率的な勉強方法などをご紹介します。
聖路加国際大学の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2024年5月22日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
聖路加国際大学の入試問題で問われる能力
まずは、聖路加国際大学が求めている人物像や入試の特徴、難易度などをご紹介します。
聖路加国際大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
大学の創設者であるルドルフ・B・トイスラーは、職業訓練を行う場としてだけでなく、社会性と高い水準の看護を備えた人材の育成を目指しました。
看護学部のアドミッションポリシー(学生の受け入れ方針)としては、以下のような内容を挙げています。
- 人に対する関心や思いやりをもつことができる人
- 人の悩みや苦しみを感じることができる人
- 人と人との関わりを大切にでき、協働できる人
- 看護を学ぶための基礎知識や技術及び態度を持つ人
- 幅広く学問を探求し、科学的な探究心の旺盛な人
- 世界の人々の健康に関心がある人
- 自律的、倫理的に行動できる人
- 看護の発展に寄与する意欲のある人
聖路加国際大学では、看護学研究科にもアドミッションポリシーが設定されています。詳しくは、大学公式ホームページをご確認ください。
聖路加国際大学の入試の特徴
聖路加国際大学の看護学部で用意されている選抜方式は、以下の5つです。
- 一般選抜
- 総合型選抜
- 学士編入学者選抜
- 帰国生選抜
- 学校推薦型選抜
一般選抜
聖路加国際大学の一般選抜では、先述のアドミッションポリシーに則した能力を有しているかどうかを、特定の科目、面接、小論文などをもとに評価します。
キリスト教精神を具現する意図も含めて創立された大学ではあるものの、宗教などにかかわらず公平かつ妥当な方法で選抜されます。
試験日はA方式・B方式・C方式の3つに分類されています。
それぞれ異なる試験日が設定されているため、併願することも可能です。
なお、C方式は大学入学共通テスト利用型のため、大学独自の個別学力検査は行いません。
総合型選抜
総合型選抜では、提出書類審査、小論文(英語による問題を含む)、面接をもとに合否判定を行います。
この選抜方式は、合格した場合に必ず入学する方でなければ出願できません。
帰国生選抜
帰国生選抜は、提出書類による審査と、小論文・個人面接をもとに合否判定を行う方式です。
帰国生選抜も総合型選抜と同じく、合格した場合には必ず入学することが出願資格で定められています。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は、いわゆる推薦入試のことです。聖路加国際大学の学校推薦型選抜は指定校制となっており、募集要項は指定校にのみ送付されます。
第3年次学士編入学者選抜
第3年次学士編入学とは、特定の出願資格を満たした人が、3年次から4年制大学に編入する制度のことです。
2025年度における出願資格は以下のようになっています。
次の(1)(2)のいずれかに該当する者
(1) 大学を卒業した者もしくは 2025 年 3 月卒業見込みの者(大学評価・学位授与機構による学士の学位取得者もしくは学位取得見込みの者を含む)
(2) 外国において学士号(Bachelor)を取得した者もしくは 2025 年 3 月取得見込みの者
聖路加国際大学の第3年次学士編入学者選抜では、募集定員が30名と指定されています。
第3年次学士編入学者選抜では、提出書類による審査と小論文、英語の筆記試験、面接をもとに合否判定を行います。
各選抜形態の詳細は、大学公式ホームページの募集要項をご確認ください。
各科目の試験問題の特徴
聖路加国際大学に合格するためには、試験問題への理解を深めることが大切です。
ここでは、聖路加国際大学の一般選抜A方式における試験問題の特徴を、科目別に解説します。
英語
聖路加国際大学の英語の試験時間は75分で、大問3問で構成されています。
英語の試験は、長文による問題が出される点が特徴です。設問内容はさまざまで、提示された長文から答えを見つけて解答します。
具体的には、長文から抜粋された単語の反意語を選択する設問や、適切な単語を選択する設問などが出されます。
また、設問の文章が英語になっているものもあります。
数学
聖路加国際大学の数学の試験時間は60分で、大問6問で構成されています。
出題範囲は、「数学Ⅰ」「数学A」「数学Ⅱ」「数学B」「数学C」と幅広く設定されていることから、余裕を持った対策が不可欠です。
数学では、数式に入る数字をマークして解答する問題が数多くあるため、マークシートの解答番号を間違えないように注意しましょう。
化学
聖路加国際大学の化学の試験時間は60分で、大問3問で構成されています。出題範囲は、「化学」および「化学基礎」です。
化学では、5~6つの選択肢による設問が多く出されています。
選択肢には、類似した数値が複数設定されているケースもあるため、焦らずじっくりと考えて丁寧に解答を埋めていくことを意識するとよいでしょう。
生物
聖路加国際大学の生物の試験時間は60分で、大問5問で構成されています。
生物の出題範囲は、生物および生物基礎です。
設問には、適切な数字や記号を選択するものが多く見受けられるため、ケアレスミスに注意して丁寧に解答していく必要があるでしょう。
国語
聖路加国際大学の国語の試験時間は60分で、大問2問で構成されています。
出題範囲は、古文・漢文を除く「現代の国語」「言語文化」「論理国語」「文学国語」です。
解答はマークシート方式で、空所補充、内容把握、漢字の問題が出題される傾向にあります。
文章の読解力を養うだけでなく、漢字の意味や読みなどの知識も身につけておくことが大切です。
聖路加国際大学の入試の難易度
Benesse「マナビジョン」のデータによると、聖路加国際大学看護学部看護学科の偏差値は61~67で、大学入学共通テストの得点率は87%です(2024年5月22日時点)。
参照:聖路加国際大学/偏差値・入試難易度【2023年度入試・2022年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
聖路加国際大学の入試の概要
ここからは、聖路加国際大学試験の概要について解説します。
出願資格について
聖路加国際大学の出願資格は、選抜形態ごとに異なります。
多くの生徒が受験すると考えられる一般選抜の出願資格は、以下のいずれかに該当する方です。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月卒業見込みの者
- 外国において学校教育における12年の課程を修了した者またはこれに準ずる者で文部科学大臣の指定した者
- 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者
- 文部科学大臣の指定した者(専修学校の高等課程の修業年限3年以上の課程で文部科学大臣が別に指定したものを文部科学大臣が定める日以降に修了した者を含む)
- 大学入学資格検定規程により文部科学大臣の行う大学入学資格検定に合格した者
- 高等学校卒業程度認定試験規則により文部科学大臣の行う高等学校卒業程度認定試験合格者および入学年の3月までに合格見込みの者
- その他本学において、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、入学年の3月31日までに18歳に達する者
ほかの選抜形態における出願資格は、大学公式ホームページの募集要項をご確認ください。
入試科目や配点
聖路加国際大学の一般選抜における入試科目および配点の詳細は、A方式・B方式・C方式でそれぞれ異なります。ここでは、募集定員数が最も多いA方式についてご紹介します。
<A方式>
試験科目 | 範囲 | 配点 | ||
一次試験 | 外国語 | 英語 | 「英語コミュニケーションⅠ」 「英語コミュニケーションⅡ」 「英語コミュニケーションⅢ」 「論理・表現Ⅰ」 「論理・表現Ⅱ」 「論理・表現Ⅲ」 | 100点 |
いずれか1科目選択 | 国語 | 「現代の国語」 「言語文化」 「論理国語」 「文学国語」 ※古文・漢文を除く | 100点 | |
数学 | 「数学Ⅰ」「数学A」「数学Ⅱ」「数学B」「数学C」 | 100点 | ||
化学 | 「化学」「化学基礎」 | 100点 | ||
生物 | 「生物」「生物基礎」 | 100点 | ||
二次試験 | 小論文 | – | 100点 | |
面接 | – | 100点 |
参照:
聖路加国際大学 2025年度看護学部一般選抜試験科目について(予告)|学部の入試|聖路加国際大学
聖路加国際大学 入試要項ハンドブック
出願者数や合格者数のデータ
2023年度における、一般選抜A方式の出願者数および合格者数は、以下のとおりです。
<A方式> | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
2023年度 | 339 | 329 | 70 | 4.7 |
聖路加国際大学に合格するための勉強方法
聖路加国際大学に合格するためには、どのような勉強方法を実践すればよいのでしょうか。
ここからは、試験に合格するための具体的な対策を解説します。
聖路加国際大学に入るには、何をすればいい?
2023年度一般選抜A方式の選抜結果データによると、合格最低点は325/400点であることがわかります。
また、先述のように実質倍率は4.7倍と、競争率の高さがうかがえます。
合格する可能性を高めるためには、大学公式ホームページで公開されている過去の試験問題および解答を確認し、実際に解いてみるのが効果的です。
受験期の過ごし方
合格を掴むためには、年間を通した計画的な学習が不可欠です。
ここでは、聖路加国際大学合格を目指す皆さんに向けて、季節ごとの学習内容の目安をご紹介します。
ぜひ参考にして、自分に合った学習スケジュールを立ててみましょう。
春(4~5月)は、教科書をじっくりと読み込み、例題や章末問題を解くことで、基礎を徹底的に固める時期です。この段階で苦手分野を把握しておくと、今後の学習計画に役立ちます。また、古文や英語の単語・文法など、暗記科目も並行して進めましょう。
夏(6~8月)は、苦手分野を克服するチャンスです。夏休みはまとまった時間が取れるため、集中的な学習に最適です。秋以降は総復習の時間が限られるため、小さな目標を立てて着実に進め、やり残しがないようにしましょう。
秋(9~11月)は、夏までに培った基礎力を活かし、応用力を磨く時期です。問題演習を通じて、知識や解法をアウトプットする練習を積み重ねます。志望校の過去問を解くことで、出題傾向を把握し、戦略的な学習を進めましょう。
冬(12月~)は、入試本番を想定した時間配分で過去問を解き、実戦力を養います。間違えた問題や理解が不十分な箇所は、教科書や解答・解説を読み込んで、必ず復習しましょう。
予備校で勉強する場合
受験を控えている方のなかには、予備校に通うべきか悩んでいる方もいるかもしれません。
独学でも適切な学習方法を継続できれば問題ありませんが、効率的かつ効果的な方法で合格を目指したい場合は、予備校に通うのがおすすめです。
学習習慣を身につけられるほか、勉強に集中できる環境が整っているといったメリットがあります。
また、質問できる環境があることで、独学よりも理解度を高めやすいでしょう。
四谷学院のカリキュラムのご案内
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具体的な学習方法をご紹介しましょう。
科目別能力別授業
一般的な予備校では、志望校別にクラス編成して授業を行います。しかし、志望校が同じ生徒全員の学力が同等レベルとは限らないため、なかには授業内容を理解しきれない状況に陥ってしまう生徒もいます。
四谷学院では、すべての生徒が理解度を高められるように、習熟度別のクラス編成を実施しています。この方法であれば、授業内容をしっかりと理解でき、着実に知識を習得できるでしょう。
55段階個別指導
55段階個別指導とは、受験に必要な知識やテクニックについて、段階を追って学習・習得していく学習システムです。
中学1年生レベルからスタートし、最終的には東大レベルにまで到達します。達成感を味わいながら勉強できるため、モチベーションを維持したまま試験合格を目指せるでしょう。
また、プロ講師がその場で個別に採点および解説してくれるのも魅力の一つです。
聖路加国際大学入試は丁寧に解く力が重要!
【聖路加国際大学の入試概要】
- 一般選抜(A方式・B方式・C方式)、総合型選抜、第3年次学士編入学者選抜、帰国生選抜、学校推薦型選抜がある
- 難易度は標準よりもやや難しい傾向にある
【聖路加国際大学の入試データまとめ】
- 一般選抜(A方式)の倍率は4.7倍(2023年度)
【勉強方法まとめ】
- 聖路加国際大学の大学公式ホームページから過去問を確認し、演習を繰り返して着実に知識を習得および強化する
ゴールである受験日までの時間を有効活用し、効率的に合格を目指すなら、自身の学力に合った指導が受けられる四谷学院の「ダブル教育」がおすすめです。
疑問点を放置せずその場で解消したい、学力をより強化し余裕を持って入試に臨みたいなど、どのようなお悩みもお気軽にご相談ください。
※本記事でご紹介した情報は2024年5月22日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!
インターネットの普及により、Webサイトであらゆる情報を入手できるようになりました。しかし、インターネット上の情報のみでは、入手できる情報に限度があったり実際の情報とは異なる情報が紛れていたりします。
そのため、自身に適した予備校を見つけたい場合は、説明会・相談会に参加して、校舎の雰囲気などを確認することが大切です。
説明会・相談会について気になる方は、以下の記事もご覧ください。