こんにちは!四谷学院の奥野です。
龍谷大学は、京都府京都市にある私立大学です。
1639年に西本願寺に設けられた「学寮」を起源とし、1922年に大学認可を受けた歴史ある大学で、「自省利他」の精神のもと真の学びを追求し、地球規模での課題に立ち向かう人材を輩出しています。
この記事では、龍谷大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格へ向けた勉強のコツなどをご紹介します。龍谷大学の受験をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
なお、龍谷大学短期大学部は、2027年の3月に閉校が決まっております。この記事では、短期大学部以外の学部学科について解説をします。
※本記事に記載されている情報は2024年3月18日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
龍谷大学が求める人物像
まずは、龍谷大学が求めている人材(学生)について解説します。
龍谷大学の建学の精神は、以下のとおりです。
浄土真宗の精神とは、生きとし生けるもの全てを、迷いから悟りへ転換させたいという阿弥陀仏の誓願に他なりません。
迷いとは、自己中心的な見方によって、真実を知らずに自ら苦しみをつくり出しているあり方です。悟りとは自己中心性を離れ、ありのままのすがたをありのままに見ることのできる真実の安らぎのあり方です。
阿弥陀仏の願いに照らされ、自らの自己中心性が顕わにされることにおいて、初めて自己の思想・観点・価値観等を絶対視する硬直した視点から解放され、広く柔らかな視野を獲得することができるのです。
本学は、阿弥陀仏の願いに生かされ、真実の道を歩まれた親鸞聖人の生き方に学び、「真実を求め、真実に生き、真実を顕かにする」ことのできる人間を育成します。このことを実現する心として以下5項目にまとめています。これらはみな、建学の精神あってこその心であり、生き方です。
- すべてのいのちを大切にする「平等」の心
- 真実を求め真実に生きる「自立」の心
- 常にわが身をかえりみる「内省」の心
- 生かされていることへの「感謝」の心
- 人類の対話と共存を願う「平和」の心
また、龍谷大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)は、以下のとおりです。
龍谷大学では、多様化する現代に対して適応できる学生を受け入れていることが分かります。
また、学部別に「教育理念・目的」と「3つの方針」が定められており、詳しくは「教育理念・目的」と「3つの方針」からご確認いただけます。
龍谷大学入試の特徴
龍谷大学では多様な入試制度が導入されており、得意分野を活かして受験できます。また、併願制度も豊富で複数回の挑戦が可能です。
2024年度の入学試験要項から、おもな入試制度をご紹介します。
一般選抜入試(前期日程・中期日程・後期日程)
龍谷大学の一般選抜入試は、独自試験のみの方式と共通テスト併用方式があり、それぞれ前期日程・中期日程・後期日程があります。
独自試験で選択できる入試方式は以下の4つです。
- スタンダード方式:各科目の得点を合算
- 高得点科目重視方式:指定科目のうち高得点科目の得点を2倍換算して合算
- 英語重視方式:英語の得点を4倍換算して合算
- 理系科目重視方式:数学または理科の得点を2倍換算して合算
共通テスト併用方式では、日程・学部ごとに複数の入試方式が設けられています。
また、英語資格検定試験の基準を満たしている場合は、大学入学共通テストの英語(リーディング・ライティング)を得点換算できます。
共通テスト利用入試(前期日程・中期日程・後期日程)
共通テスト利用入試は、大学入学共通テストの成績を合否判定に用いる方式です。
前期日程・中期日程・後期日程があり、日程・学部によって複数の入試方式を選択できます。英語資格検定試験の得点換算も利用可能です。
公募推薦入試
公募推薦入試には、「2教科型」「専門高校、専門学科・総合学科対象」の2種類があります。
2教科型は、指定する2科目の得点を用いる方式です。以下5つの入試方式があり、スタンダード方式以外は調査書の点数を使用しません。
- スタンダード方式:指定2科目の得点と、調査書の点数(10倍換算)を合算
- 英語資格試験利用方式:指定2科目の得点と、英語資格検定試験のスコアを得点換算したものを合算
- 2科目方式:指定2科目の得点を合算
- 高得点科目重視方式:指定2科目のうち、高得点1科目の得点を2倍換算して合算
- 英語重視方式:英語の得点を3倍換算し、国語の得点と合算
専門高校、専門学科・総合学科対象は、現役生を対象とし、心理学部・文学部をのぞく8学部に導入されている入試方式です。
学部により筆記試験や面接、小論文、エッセーなどから2種類の試験が行われ、合計点で合否を判定します。
総合型選抜入試
龍谷大学の総合型選抜入試には5つの方式があります。
- 学部独自方式
心理学部・政策学部・先端理工学部(応用化学課程・環境生態工学課程)・社会学部・農学部農学科が対象です。
第一次選考は書類選考、第二次選考は学部により、小論文や課題論文、プレゼンテーション、グループワーク、面接などで合否を判定します。 - 検定試験利用型
文学部が対象で、第一次選考は、出願書類と指定の外部資格試験の成績を総合して合否を判定します。第二次選考は小論文と面接です。 - 英語型
国際学部が対象で、第一次選考は、出願書類と英語外部試験のスコアを総合して合否を判定します。第二次選考は、英語によるプレゼンテーションです。 - スポーツ活動選抜、文化・芸術・社会活動選抜
スポーツや文化・芸術・社会活動において優れた能力と実績を持つ方を対象とした専願制の入試方式です。
第一次選考は書類選考、第二次選考は、小論文と面接で合否を判定します。 - 伝道者推薦型
僧侶となり仏教の伝道を志す方を対象とした専願制の入試方式で、文学部(真宗学科・仏教学科・歴史学科仏教史学専攻)と国際学部が対象です。
真宗学科のみ英語試験とエッセーで、その他の学部・学科は小論文と面接で合否を判定します。
各科目の試験問題の特徴
龍谷大学に合格するためには、試験問題の特徴や傾向をつかんでおくことが大切です。
ここでは、龍谷大学の一般選抜入試を例に、独自試験の特徴を一部抜粋してご紹介します。
英語の対策と勉強法
龍谷大学の英語は、大問4つで構成され、試験時間は70分です。問1・2が長文読解で、問3が会話文、問4が空欄補充問題となっています。
文章の量はやや多いものの、マーク式のため、難易度は標準的です。時間配分に注意しながら、確実に得点を重ねましょう。
数学の対策と勉強法
数学は、2024年度試験より試験時間が1科目60分となりました。
理系学部の試験では下記2科目が設定され、学部・学科・課程によって選択可能な科目が異なります。
- 数学(1):数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B(数列・ベクトル)
- 数学(2):数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列・ベクトル)
いずれも問題は標準的です。夏までは基礎を固め、秋以降から過去問に取り組みましょう。
また、記述式の問題に慣れておくことも大切です。
国語の対策と勉強法
国語は、大問3問で構成され、試験時間は60分です。
問1・2が現代文で、問3が古文の出題となっています。解答はマーク式ですが、それぞれ小問が8、9問程度あるため、短時間で読解する能力が求められます。
制限時間を意識しながら過去問に取り組むと効果的です。
龍谷大学入試の難易度
Benesseの「マナビジョン」では、龍谷大学の偏差値は45~66、大学入学共通テストの得点率は50~82%とされています(2024年3月18日時点)。
学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
学部 | 偏差値 |
文学部 | 45~66 |
心理学部 | 62~63 |
経済学部 | 55~61 |
経営学部 | 53~60 |
法学部 | 56~62 |
政策学部 | 53~59 |
国際学部 | 54~61 |
先端理工学部 | 48~55 |
社会学部 | 51~58 |
農学部 | 49~54 |
参照:龍谷大学/偏差値・入試難易度【2023年度入試・2022年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
龍谷大学の偏差値を見ると、難易度はやや平易~標準ですが、学部・学科によってはやや難といえます。基本を押さえながら、確実に得点を積み上げることが必要です。
龍谷大学試験の概要
ここからは、龍谷大学の入試概要を解説します。
出願資格について
龍谷大学の一般選抜入試に出願できるのは、以下いずれかに該当する方です。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者。および、入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
なお、公募推薦入試や総合型選抜入試には、別途出願資格が定められているため、詳細は、大学公式ホームページの入試情報をご確認ください。
入試日と出願の受付期限
龍谷大学の入試日と出願期間は入試制度などによって異なるため、ここでは2024年度一般選抜入試(前期日程・中期日程・後期日程)の入試日と出願期間をご紹介します。
試験日 | 出願期間 | |
前期日程 | 2024年1月29(月)~31日(水) | 2024年1月4日(木)~16日(火) |
中期日程 | 2024年2月14(水)・15日(木) | 2024年1月4日(木)~2月2日(金) |
後期日程 | 2024年3月10日(日) | 2024年2月9日(金)~2月28日(水) |
参照:龍谷大学入学試験要項2024(PDF)
なお、公募推薦入試や総合型選抜入試は、入試日や出願期間が異なります。最新の情報は大学公式ホームページの入試情報をご確認ください。
入試科目や配点
龍谷大学の入試科目や配点は、学部や学科、入試制度などによって異なります。
ここでは、一般選抜入試(前期日程)のうち、文学部と先端理工学部の独自試験のみの方式(スタンダード方式)を抜粋してご紹介します。なお、以下は2024年度実施分です。
その他の入試制度の入試科目や配点は、大学公式ホームページの入試情報より各要項をご確認ください。
文学部(スタンダード方式)
教科 | 科目 | 配点 |
英語 | 「英語」(コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・コミュニケーション英語Ⅲ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ) | 100 |
国語 | 「国語」(国語総合・現代文B・古典B※いずれも漢文除く) | 100 |
選択科目 | 「日本史B」「世界史B」「政治・経済」「数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B」から1科目選択 | 100 |
計 | 300 |
先端理工学部(スタンダード方式)
教科 | 科目 | 配点 |
英語 | 「英語」(コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・コミュニケーション英語Ⅲ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ) | 100 |
理科 | 「物理(物理基礎・物理)」「化学(化学基礎・化学)」「生物(生物基礎・生物)」から1科目選択 | 100 |
数学 | 「数学(1)※」「数学(2)※」から1科目選択 | 100 |
計 | 300 |
※数学(1):数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B(数列・ベクトル)
※数学(2):数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列・ベクトル)
なお、数学で数学(2)を選択できるのは、応用化学課程と環境生態工学課程のみ、理科で生物を選択できるのは環境生態工学課程のみです。
参照:龍谷大学入学試験要項2024(PDF)
出願者数や合格者数のデータ
2024年度の龍谷大学における一般選抜入試(前期日程・独自試験のみの方式)の出願者数や合格者数は、以下のとおりです。
学部 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
心理学部 | 1,613 | 1,583 | 249 | 6.4 |
文学部 | 4,699 | 4,610 | 1,358 | 3.4 |
経済学部 | 3,007 | 2,954 | 781 | 3.8 |
経営学部 | 2,814 | 2,770 | 408 | 6.8 |
法学部 | 1,714 | 1,676 | 534 | 3.1 |
政策学部 | 2,505 | 2,464 | 525 | 4.7 |
国際学部 | 1,773 | 1,744 | 495 | 3.5 |
先端理工学部 | 2,219 | 2,140 | 1,235 | 1.7 |
社会学部 | 3,601 | 3,557 | 737 | 4.8 |
農学部 | 1,885 | 1,854 | 510 | 3.6 |
参照:2024年度 一般選抜入試 共通テスト併用方式を除く[前期日程]
龍谷大学に合格するための勉強方法
ここからは、龍谷大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
龍谷大学に入るにはどのような対策をすればいい?
龍谷大学は入試制度が充実しています。多数の受験機会がある一方、競争率も高くなる傾向が見られるため、入念な対策が必要です。
入試問題では教科書の内容などが重視されるため、小さなミスが合否を左右します。
基礎を押さえたうえで確実に点数を重ねることがポイントです。
また、龍谷大学の入試問題は癖が少なく、出題パターンも毎年大きく異なるわけではありません。過去問を活用して、実力を固めましょう。
受験期の過ごし方と勉強のコツ
合格を勝ち取るには、高校3年生の受験期の過ごし方が大切です。目先の目標だけでなく、長期的なスケジュールを立てて勉強を進めましょう。
ここでは、季節ごとのポイントをご紹介します。
- 春(4~5月):基礎固めを行う時期です。教科書を中心に勉強を進め、苦手分野の洗い出しもしておきましょう。
- 夏(6~8月):洗い出した苦手分野の克服に取り組みましょう。まとまった時間が取りやすい夏休みは、週単位の短期的な目標を立てて、時間を有効活用してください。
- 秋(9~11月):過去問に取り組み、実力固めを行います。問題を解いたあと、わからない部分をそのままにしないことが大切です。大学入学共通テストを受験する場合には、その対策も開始しましょう。
- 冬(12月~):勉強の仕上げの時期です。入試本番を意識して過去問を解き、出題形式や時間配分に慣れておきます。併せて、隙間時間に暗記系の復習も行い、得点力を高めましょう。
龍谷大学を目指すなら予備校を使って入試対策をしよう
受験勉強は独学で取り組むこともできますが、効率的に勉強を進めるなら予備校へ通うのがおすすめです。
ただし、予備校へ通っておけば大丈夫というわけではありません。集団授業が行われる予備校では受け身の姿勢になりやすく、わかった気になってしまうこともあるためです。
そうなると、必要な知識が身につかず、わからないところを解決できないまま、入試本番を迎えることになりかねません。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の集団授業に起こりがちなデメリットを解消するのが、四谷学院の「ダブル教育」です。ダブル教育の2つの柱「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」について解説します。
科目別能力別授業
科目別能力別授業では、科目と能力の2つでクラス分けを行います。
多くの予備校では、総合得点や志望校別にクラス分けが行われますが、科目ごとの得意・不得意が反映されず、ついていけない科目や簡単すぎる科目が発生しがちです。
科目的能力的授業なら、どの科目でも自分に合ったレベルの授業が受けられます。
科目のレベルは毎月アップの機会があるため、上のクラスを目指すことで効率的な成績向上を望めます。
55段階個別指導
55段階個別指導では、受験に必要な知識やテクニックを55段階に分け、各段階の記述式テストを受験します。
問題を解いたその場で、弱点や不完全な点をプロ講師が確認・指導するため、無理なく高い解答力を身につけられるのが特徴です。自分では見つけにくい苦手分野の把握に役立ちます。
龍谷大学に合格するには基本を確実に押さえることがポイント
【龍谷大学の入試概要】
- 多様な入試制度があり、自分の得意分野を活かした受験が可能
- 難易度はやや平易~標準、学部によってはやや難
【龍谷大学のデータまとめ】
- 2024年度入試の実質倍率は、一般選抜入試・前期日程(独自試験のみの方式)で1.7~6.8倍。学部・学科により大きく差がある
【勉強方法まとめ】
- 出題は基礎が重視されるため、教科書の内容を確実に押さえることが大切
- 例年、出題傾向は大きく変わらないので、過去問のやり込みを必ず行い、時間配分などに慣れておく
龍谷大学はそれほど高い難易度ではありませんが、入試制度が充実していることから、競争率は高めです。基礎を押さえて、ミスなく確実に点数を重ねましょう。
苦手分野を克服し得点力を確実にするには、自分のレベルに合ったきめ細かい指導が受けられる四谷学院の「ダブル教育」がおすすめです。龍谷大学への合格を勝ち取りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2024年3月18日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!
どの予備校を選ぶかは、受験の合否に影響を与えます。自分に合った予備校を選ぶには、説明会・相談会に参加して、自分の目で確認することが重要です。
以下の記事では、予備校の説明会とはどのようなものか、どのようなポイントで予備校を選ぶべきかをご紹介しています。
四谷学院の個別相談会は、こちらのページからお申し込みいただけます。大学受験を予定している方は、ぜひ四谷学院の個別相談会へお越しください。