こんにちは!四谷学院の奥野です。
京都府立医科大学は医学部(医学科、看護学科)からなる府立大学です。
京都市内に河原町キャンパス(附属病院)と、広小路キャンパス、下鴨キャンパス(教養教育共同化施設「稲盛記念会館」)の3つのキャンパスがあります。
京都では最大の規模を誇り、「世界トップレベルの医療を地域へ」を理念に持つ附属病院が併設されているため、地域社会の要請に応えられる、高レベルの医師と医学者を養成しています。
この記事では、京都府立医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格に向けた効率的な勉強方法をご紹介します。京都府立医科大学の受験を考えている方はぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2023年6月4日現在のものです。最新の情報は京都府立医科大学の公式ホームページでご確認ください。
目次
京都府立医科大学の入試問題で必要とされる能力
まずは、京都府立医科大学が求めている人材(学生)と、入試の特徴や難易度について解説します。
京都府立医科大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
京都府立医科大学の目的および使命は、以下のようになっています。
これらを達成するために、「国際的にも通用する一流の医師・医学研究者を育てる」という教育理念を掲げています。
京都府立医科大学のアドミッションポリシー
京都府立医科大学の入学者受入方針(アドミッションポリシー)では、上記の教育目標を理解したうえで、以下に掲げる基礎学力や意欲、行動力・意欲を有する学生を求めています。
<医学科>
- 生命の尊厳を重んじ、医学者・医師の職責を自覚し全うできるための人間愛と高い倫理観を有する人
- 「学問の都」京都で自ら医学を学び、他者と連携しながら生涯にわたって研鑽をつみ、地域の医療に最善を尽くす熱い意志と探究心を有する人
- 国際的視野に立ってトップレベルの医学・医療を京都から世界へ発信できるための向上心と自ら考え学ぶ力を持った人
- すぐれた医学・医療を地域に展開するために必要な使命感とともに、リーダーシップとコミュニケーション力を有する人
<看護学科>
- 心豊かに人と接することができる人
- 幅広い基礎学力を持ち、自ら考え学ぶ力のある人
- 看護への関心があり、看護職として広く活躍したい人
- 生涯看護活動に関わり、社会に貢献する意志のある人
京都府立医科大学ではこのほか、学科ごとにディプロマポリシー(学位授与方針)、カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施方針)を定めています。詳細は京都府立医科大学の公式ホームページをご確認ください。
京都府立医科大学の入試の特徴
京都府立医科大学の入試試験は、一般選抜(前期日程のみ)と学校推薦型選抜です。
ここではそれぞれの選抜方法を詳しく解説します。
一般選抜(前期日程のみ)
一般選抜は両学科とも前期のみ実施されます。
両学科とも大学入学共通テストが課され、入学志願者が募集人員の3倍を超えた場合は、共通テストの成績により第1段階選抜が行われるのが特徴です。
第1段階選抜の合格者のみ、次の第2段階選抜の受験が可能となります。
第2段階選抜では、共通テストと京都府立医科大学が実施する第2次学力試験、小論文試験および面接試験、調査書の内容をもとに合格者が決定されます。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜の合否判定方法は、医学科と看護学科で異なります。
医学科の入学者選抜方法は、大学入学共通テストの成績と面接試験、推薦書および調査書、志望理由書の内容などです。
看護学科では、小論文および面接ののち、推薦書および調査書、志望理由書の内容をもとに合格者が決定されます。
出願要件や提出書類、選抜方法などは、京都府立医科大学の学部入試情報ページでご確認ください。
京都府立医科大学の入試の概要
ここからは、京都府立医科大学の入試概要を解説します。
出願資格について
京都府立医科大学の出願資格は入試の選抜方法ごとに異なります。ここでは医学科の一般選抜における出願資格を一部ご紹介します。
一般選抜での出願資格は、大学入学共通テストにおいて大学が指定した教科・科目をすべて受験し、以下の項目のいずれかに該当する人です。
- 高等学校又は中等教育学校(以下「高等学校等」という。)を卒業した者及び入学年の3月卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者
- 外国において、学校教育における12年の課程を修了した者及び入学年の3月31日までに修了見込みの者又はこれらに準ずる者で文部科学大臣の指定した者
- 文部科学大臣が高等学校等の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び入学年の3月31日までに修了見込みの者
- 文部科学大臣の指定した者(昭和23年5月31日文部省告示第47号)
- 高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)により文部科学大臣が行う高等学校卒業程度認定試験に合格した者(同規則附則第2条の規定による廃止前の大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による大学入学資格検定に合格した者を含みます。)及び入学年の3月31日までに合格見込みの者で入学年の3月31日までに18歳に達する者
- 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上必要、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限ります。)で、文部科学大臣が別に指定したものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者及び入学年の3月31日までに修了見込みの者
- その他、本学において、相当の年齢に達し、高等学校等を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者
大学入学共通テストの試験科目や合格要件
ここからは、京都府立医科大学における大学入学共通テストの試験科目や配点をご紹介します。
なお、以下のデータはすべて2023年6月1日現在のものです。
医学科 大学入学共通テスト(令和6年度入試まで/5教科・7科目)
区分 | 一般選抜 | 学校推薦型選抜 |
国語 | 「国語」 配点200 | 「国語」(必須) 配点200 |
地理・歴史 公民 | 「世界史B」「日本史B」「地理B」 「現代社会」「倫理」「政治・経済」 上記から1科目 配点100 | 「世界史B」「日本史B」「地理B」 「現代社会」「倫理」「政治・経済」 上記から1科目 配点100 |
数学 | 「数学Ⅰ・数学A」(必須) 「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」 配点200 | 「数学Ⅰ・数学A」及び 「数学Ⅱ・数学B」 2科目必須 配点200 |
理科 | 「物理」「化学」「生物」 上記から2科目 配点200 | 「物理」「化学」「生物」 上記から2科目 配点200 |
外国語 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」 上記から1科目 配点200 | 「英語」(必須) 配点200 |
医学科 大学入学共通テスト(令和7年度入試から/6教科・8科目)
区分 | 一般選抜 ※配点は1/2圧縮 | 学校推薦型選抜 |
国語 | 「国語」 配点100 | 「国語」(必須) 配点200 |
地理・歴史 公民 | 「地理総合、地理探求」 「歴史総合、日本史探究」 「歴史総合、世界史探究」 「公共、倫理」 「公共、政治・経済」上記から1科目配点50 | 「地理総合、地理探求」 「歴史総合、日本史探究」 「歴史総合、世界史探究」 「公共、倫理」 「公共、政治・経済」上記から1科目配点100 |
数学 | 「数学Ⅰ・数学A」(必須) 「数学Ⅱ・数学B、数学C」(必須) 配点100 | 「数学Ⅰ・数学A」(必須) 「数学Ⅱ・数学B、数学C」(必須) 配点200 |
理科 | 「物理」「化学」「生物」 上記から2科目 配点100 | 「物理」「化学」「生物」 上記から2科目 配点200 |
外国語 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」 上記から1科目 配点100 | 「英語」(必須) 配点200 |
情報 | 「情報Ⅰ」(必須) 配点50 | 「情報Ⅰ」(必須) 配点100 |
看護学科 大学入学共通テスト(令和6年度入試まで/5教科・6~7科目)
区分 | 一般選抜 | 学校推薦型選抜 |
国語 | 「国語」(必須) 配点200 | ― |
地理・歴史 公民 | 「世界史A」「世界史B」 「日本史A」「日本史B」 「地理A」「地理B」 「現代社会」「倫理」 「政治・経済」「倫理、政治・経済」上記から1科目配点100 | ― |
数学 | 「数学Ⅰ・数学A」(必須) 「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」 上記から1科目 配点200 | ― |
理科 | 「物理基礎」「化学基礎」 「生物基礎」から2科目または、「物理」「化学」「生物」から1科目 配点200 | ― |
外国語 | 「英語」(必須) 配点200 | ― |
看護学科 大学入学共通テスト(令和7年度入試から/6教科・7~8科目)
区分 | 一般選抜 | 学校推薦型選抜 |
国語 | 「国語」(必須) 配点200 | ― |
地理・歴史 公民 | 「地理総合、地理探求」 「歴史総合、日本史探究」 「歴史総合、世界史探究」 「地理総合、歴史総合、公共」 「公共、倫理」 「公共、政治・経済」上記から1科目配点100 | ― |
数学 | 「数学Ⅰ・数学A」(必須) 「数学Ⅱ・数学B、数学C」(必須) 配点200 | ― |
理科 | 「物理基礎」「化学基礎」 「生物基礎」から2科目または、「物理」「化学」「生物」から1科目 配点200 | ― |
外国語 | 「英語」(必須) 配点200 | ― |
情報 | 「情報Ⅰ」(必須) 配点100 | ― |
医学科 個別学力検査<2次学力試験>
区分 | 現行(令和6年度入試まで) | 新(令和7年度入試から) |
数学 | 「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」(数学Bは、「数列」、「ベクトル」から出題する。) 配点200 | 「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」「数学C」(数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学Aは全範囲から、数学Bは「数列」、「統計的な推測」から、数学Cは「ベクトル」、「平面上の曲線と複素数平面」から出題する。) 配点200 |
理科 | 「物理(物理基礎・物理)」「化学(化学基礎・化学)」「生物(生物基礎・生物)」 から2科目選択
配点200 | 「物理(物理基礎・物理)」「化学(化学基礎・化学)」「生物(生物基礎・生物)」 から2科目選択
配点200 |
英語 | 「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」「英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ」
配点200 | 「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「英語コミュニケーションⅢ」「論理・表現Ⅰ、論理・表現Ⅱ」「論理・表現Ⅲ」
配点200 |
小論文 | 課題に対する論述
配点― | 課題に対する論述
配点― |
面接 | ― | ― |
看護学科 個別学力検査<2次学力試験>
区分 | 変更なし |
英語 | 総合問題 配点100 |
小論文 | 総合問題 配点100 |
面接 | ― |
参考:令和7年度大学入学者選抜における出題教科・科目等について(予告)
出願者数や合格者数のデータ
京都府立医科大学の志願者数や合格者数は以下のとおりです。
なお、ここで取り上げるのは2023年度(令和5年度)の一般選抜(前期日程)のデータです。
学科 | 募集人数 | 志願者数 | 合格者数 |
医学科 | 100人 | 352人 | 101人 |
看護学科 | 45人 | 58人 | 45人 |
引用:
令和5年度 入学者選抜要項
京都府立医科大学 令和5年度入学試験結果
個別学力検査(2次学力試験)問題の各科目の特徴や難易度
ここでは、京都府立医科大学一般選抜での個別学力検査(2次学力試験)問題の特徴について紹介します。
数学
大問は4問、試験時間は120分です。
全体的な難易度はやや難で、後半になるほど難易度が上がります。
ボリュームが多いため、効率よく解いていく必要があります。特に計算量が多く、高い水準の思考力や計算力、論証力が要求されます。
理科
理科は生物・物理・化学から2科目を選択し、試験時間は合わせて150分です。
生物については、大問4問から構成されます。
出題分野に偏りがあり、分子生物と体内環境はほぼ毎年出題されていますが、生態や植物生理の出題はほとんどありません。難易度は標準からやや難です。
英語
試験は4つの大問から構成されており、制限時間は120分です。
長文問題が中心で、大問4では英作文が出題されるパターンが多い傾向にあります。
なお、リスニング試験はありません。英文の単語力に加えて前後の文章から推測する力も求められます。
京都府立医科大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」の6/17時点のデータでは、京都府立医科大学の入試の偏差値は59~77、共通テスト得点率は70~88%となっています。
以下は、学部別の偏差値データです。
学科 | 偏差値 |
医学科 | 77 |
看護学科 | 59 |
京都府立医科大学に合格するための勉強方法
ここからは、京都府立医科大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
京都府立医科大学に入るには、何をすればいい?
京都府立医科大学の入試は、一般選抜と学校推薦型選抜です。
特に医学科はいずれの選抜において、看護学科は一般選抜のみにおいて大学入学共通テストが課されるため、十分な対策が合格へのカギとなります。
なお、共通テストの変化に対応するためには、最新の傾向を把握して対策を行うだけでなく、当日の試験に対応できる応用力を身に付ける必要があります。
また、医学部のなかでも難易度の高い京都府立医科大学に合格するためには、試験時間内でミスをできるだけ少なくして解ききる力も必要です。
受験期の過ごし方
京都府立医科大学に合格するためには、強い合格意識を持って、1年間集中的に勉強に取り組む姿勢が重要です。
1年間のスケジュールを立てて、効果的に学習を進めていきましょう。
ここでは、時期ごとにやるべき受験対策を紹介します。
- 1学期から夏休みまで(4~8月):基礎を固めましょう。基礎的な問題に取り組み、確実に得点を取る力を養います。特に医学部入試で頻出傾向のある数Ⅲ・理科の後半などは特に確認を怠らないようにしたい範囲です。もしこの段階で履修していない場合は、夏休みを機に先取りで勉強を開始するとよいでしょう。
- 2学期(9~11月):基礎力が身についてきたら、応用問題の習得に移ります。しかし、基礎の抜けがある場合は、引き続き基礎の問題集に取り組みましょう。また、受験校の過去問に着手するのも決して早くはない時期です。
- 3学期(12~3月):実戦力を養っていきます。時間配分を意識して、過去問を解く練習を繰り返しましょう。問題の形式や出題傾向に慣れ、自分の間違いやすい箇所が明確になります。
予備校で勉強する場合
予備校で勉強をする場合は、受け身の姿勢だとなかなか成績アップにつながりません。
塾の授業後に完全に理解できない場合は、積極的に質問するか自ら調べる習慣を身に付けましょう。
このように、授業だけでなく、自主的な予習や復習、自己学習の時間を設けて学習する姿勢が成績向上には不可欠です。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
四谷学院の「ダブル教育」システムなら、上記のような予備校の欠点をカバーできます。
ここからは、ダブル教育システムで採り入れている「2つのポイント」を紹介します。
科目別能力別授業
四谷学院の科目別能力別授業では、科目ごとの習熟度を考慮してクラスを編成します。これにより、各科目において自分のレベルに合った授業の受講が可能です。
通常の予備校で発生しやすい、科目ごとのレベルの不一致が生じにくく、成績の向上が期待できる効率的な学習が可能となります。
学力とクラスのレベルが合っていない場合には、「授業を聞いても理解できない」「質問しても疑問が解消できない」「そもそも質問することが難しいと感じる」という状態になってしまいます。四谷学院の科目別能力別授業では、先生との距離が近いため質問がしやすいのが特徴です。
科目別能力別授業の詳細はこちら!55段階個別指導
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底的に分析した55のテストを受験し、解答力を確認します。理解に穴がある点や考え方が不完全な点などを段階的にチェックし、個別指導で補強します。
プロの講師がその場で採点・解説を1対1で行うので、疑問点の質問もしやすい環境です。得意科目はどんどん先に、苦手科目はじっくり進めて、確実な学力をつけることができます。
級ごとに学習を進め、段階をクリアするごとに達成感を抱きながら進められるため、高いモチベーションを保ったまま学習を進めることが可能です。
中学から東大レベルまでの内容を網羅し、無駄なく学べます。
まとめ:京都府立医科大学入試はミスなく解ききる力が重要!
【京都府立医科大学の入試概要】
- 一般選抜と学校推薦型選抜を実施(一般選抜は前期日程のみ)
- 難易度は比較的高め
【京都府立医科大学の入試データまとめ】
- 一般選抜(前期日程)の学部での実質倍率は1.3~3.5倍(令和5年度)。
【勉強方法まとめ】
- 基礎知識はもちろん応用力も身に付ける
- 時間配分に注意する
京都府立医科大学は入試難易度が比較的高い府立大学です。
京都府立医科大学に合格にするには、限られた時間内でいかにミスなく問題を解ききるかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育」システムです。
自分の理解レベルに合った授業により、効率的な成績アップが望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2023年6月1日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会参加が重要!
予備校選びは大学受験の合否に大きくかかわります。そのため、予備校を選ぶ際には即決せずに入学説明会に参加しましょう。
予備校によっては個別相談の機会もあり、過去の経験や浪人生活の不安など、自身が抱える疑問点の解消も可能です。
実際に説明会に足を運び、学習環境を自分自身で確かめましょう。
入学説明会についてはこちら