こんにちは!四谷学院の奥野です。
通信制高校は、ほぼ自宅学習のみで卒業できる高校教育です。自分のペースで学び、夢に向かって進みたい人には、通信制高校が最適な選択肢になるかもしれません。
そこでこの記事では通信制高校とはどのような学校か、全日制高校や単位制高校との違いについて解説します。
目次
通信制高校とは
通信制高校とは、自分で学習スケジュールを組み、通信教育によって単位を取得していく高校のことです。全日制や定時制のような時間割がないため、自分の都合に合わせて学習できるメリットがあります。
学校教育法によれば、通信制高校は「高等学校」として認められており、一定の条件を満たすことで高校卒業資格を取得できます。
また、通信制高校は年齢制限がなく、入学年度の4月1日時点で満15歳以上であれば、誰でも受験できます。
高校卒業資格を持っていない成人や、高校を中退してしまった人などが再度学ぶのにも良い選択肢です。
通信制高校は、全日制高校や定時制高校と比較すると、以下のような違いがあります。
- 自分で学習スケジュールを組む必要がある
- 通信教育によって単位を取得するため、学校に通う必要がない
- 授業料が全日制高校よりも安価
通信制高校にはどんな人が通っている?
通信制高校に向いているタイプと向いていないタイプについて解説します。
通信制高校のメリットが大きい人
通信制高校に通うメリットが大きいのは、以下のようなタイプの人です。
- 仕事や家庭の事情で、通学が難しい人
- 個人で学習スケジュールを組むことが得意な人
- 進学や就職を目指し、自分自身で学習することに自信がある人
- 集団生活が苦手な人
通信制高校は、通学タイプの高校と異なり、勉強のスケジュールなどは自分で主体的に組む必要があります。
また家庭の事情で通学がきびしいひとにとっても、大きなメリットになるでしょう。
通信制高校のデメリットが大きい人
以下のようなタイプの人は、あまり通信制高校にメリットを感じられないでしょう。
- 自主性・自己管理能力がない人
- クラスメイトとの交流を求める人
- 部活をがんばりたい人
特にクラスメイトとの交流を楽しみたい人や、部活動に積極的に活動したい人にとっては通信制高校に通うのは向いていない可能性があります。
通信制高校のしくみ
通信制高校はどのようなしくみなのでしょうか。学校生活の様子や学費などについて解説します。
通信制高校の入学から卒業まで
通信制高校の入学試験は、書類選考と面接が基本です。
入学式はおもに4月と10月に行われ、在籍中は自宅で学習を進めながら、レポート提出、スクーリング(学校に登校して授業を受けること)、テストによって卒業に必要な単位を取得していきます。
卒業に必要な単位や課程は、全日制高校や定時制高校と同様に設定されていますが、個々人の学習ペースによって進度が異なるため、卒業までの期間は個人差があります。
最短だと3年で卒業でき、学歴は「高校卒業」です。
【参考記事】
通信制高校の学校生活
通信制高校の生徒は、自宅学習とレポート提出を中心に進めるのが基本ですが、必要に応じて学校に出向くこともあります。
また、オンライン授業を設けているケースもあるでしょう。
登校日数は各学校の規定によって異なり、年に4日程度であったり月に1回程度であったりとさまざまです。
登校日は、自宅学習で出てきた疑問点などを教師に直接質問できる機会となります。
通信制高校入学と同時にサポート校に入学する人もいます。サポート校の役割などについては後述します。
通信制高校にかかる学費
通信制高校の学費は、全日制高校や定時制高校に比べて安価な傾向です。
例えば、私立の通信制高校だと、一年間で15~30万円程度が相場となっています。
公立校の学費はさらに安価で、年間3万円程度で通えるところもあります。
ただし、学習教材や入学金など、別途必要な費用が発生する場合もあるため、事前に確認しましょう。
通信制高校からの大学進学
通信制高校の生徒は、全日制高校などの生徒と同じように大学進学を目指すこともできます。
高校によっては大学進学コースに所属したり、予備校や塾などを併用したり、大学受験対策をして志望校合格を目指します。
通信制高校からの大学受験については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「通信制高校からの大学受験の記事一覧」通信制高校から大学合格するための対策や大学進学のための勉強方法をご紹介しています。
サポート校の役割
サポート校とは、最短の3年間で通信制高校を卒業できるように、勉強面や精神面をサポートしてくれる民間の教育機関です。
おもに、学習面や進路、メンタル面のサポート、カリキュラム・課外活動での生徒同士の交流といった形で支援します。
サポート校は、学校教育法で規定されるような学校ではなく、塾のような教育機関です。
そのため、サポート校のみを卒業しても高校卒業の資格は取得できませんが、通信制高校生活をスムーズに送るため、同時入学するケースも多くみられます。
まとめ:通信制高校からの大学受験
通信制高校は自宅にいながら自分のペースで学べるため、通学が難しい人にとって有効な選択肢です。全日制の高校と比較して、安価な学費で高校卒業資格を取得できるのも魅力といえるでしょう。
入学資格は年齢や学歴に制限がないため、働きながら大学進学を目指す人や、高校中退した人の学びなおしの場としても選ばれています。
ただし、自宅学習が中心で自己管理能力が問われるため、必要に応じてサポート校のサポートを受けるなどして、最短での卒業を目指すとよいでしょう。