徳島大学は、徳島県徳島市にキャンパスを構える国立大学です。総合科学部・医学部・歯学部・薬学部・理工学部・生物資源産業学部の6学部を有する総合大学で、特に歯学部は四国で唯一となっています。青色LEDの研究で2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の母校としても知られています。
この記事では、徳島大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。徳島大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2023年1月19日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
徳島大学の入試問題で問われる能力
初めに、徳島大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
徳島大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
理系に強みをもちつつ、文系学部も抱える徳島大学では、大学の基本理念として次のように定めています。
国立大学法人徳島大学は、自主と自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し向上させ、世界に開かれた大学として、豊かで健全な未来社会の実現に貢献する。 |
このような理念のもと、徳島大学では卓越した学術・文化の継承と学びの志・進取の気風を持つ、未来へ飛躍できる人材育成を目指しています。
また、全学の学生受け入れ方針を次のように公表しています。
●求める人物像
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引用:入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)【令和5年度】 – 徳島大学 受験生サイト
なお徳島大学では、学部・学科・専攻ごとの入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)も詳細に定めており、公式サイトから閲覧可能です。
徳島大学入試の特徴
徳島大学は国立大学なので、受験の中心となる一般選抜では、大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験後、個別学力検査に臨む流れとなります。ただし入試方法は複数あり、共通テストを課されない方法もあります。
- 一般選抜
全学部で実施される入試方法で、前期日程・後期日程があります(後期日程は学部・学科により実施されない場合あり)。医学部医学科・歯学部歯学科・薬学部では、状況により、大学入学共通テストの成績で2段階選抜が実施される場合があります。2段階選抜の実施要件は、次のとおりです。【医学部医学科】大学入学共通テストの合計点が600点に達していない場合か、600点に達していても志願者が募集人員の5倍を超えた場合
【歯学部歯学科】志願者が募集人員の10倍(前期日程)もしくは15倍(後期日程)に達した場合
【薬学部】大学入学共通テストの合計点が500点に達していない場合か、500点に達していても志願者が募集人員の5倍(前期日程)もしくは10倍(後期日程)に達した場合 - 学校推薦型選抜
大学入学共通テストを課さないⅠ型と、課すⅡ型があります。それぞれ実施される学部・学科は次のとおりです。
【Ⅰ型】総合科学部、医学部医科栄養学科、理工学部(昼間、夜間主)、生物資源産業学部
【Ⅱ型】全学部(理学部夜間主を除く) - 総合型選抜
医学部医学科で実施される入試方法です。 - 帰国生徒選抜・社会人選抜
実施される学部が限られているため、詳細は募集要項等でご確認ください。
徳島大学の募集要項は、入学者選抜要項・学生募集要項よりすべて閲覧可能です。
徳島大学入試の概要
ここからは、徳島大学の入試概要として、出願資格や入試教科・科目などを解説します。
出願資格について
徳島大学の出願資格は、入試方法ごとに定められています。一般選抜での出願資格は、受験年度の大学入学共通テストで指定された全教科・科目を受験したうえで、以下に該当するもの、とされています。
- 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者又は入学年3月卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育若しくは通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者又は入学年3月修了見込みの者
- 外国において学校教育における12年の課程を修了した者若しくは入学年3月修了見込みの者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの
- 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者又は入学年3月修了見込みの者
- 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者又は入学年3月修了見込みの者
- 文部科学大臣の指定した者
- 高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による高等学校卒業程度認定試験に合格した者又は廃止前の大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による大学入学資格検定に合格した者
- 本学において,個別の入学資格審査により,高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で,入学年3月31日までに18歳に達するもの
参照:徳島大学 令和6年度学生募集要項 一般選抜(PDF)
試験科目や合格要件
徳島大学の試験科目や配点を一部学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜(前期日程)の内容です。その他の学部・学科の試験内容については、徳島大学 令和6年度学生募集要項 一般選抜(PDF)などでご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2023年1月19日現在のものです。
医学部 医学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 150 | ― | 150 |
地歴公民 | 世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目 50 | ― | 50 |
数学 | 数Ⅰ・数Aと 数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目 200 | 数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 数A・B 200 | 400 |
理科 | 物理、化学、生物から2科目 300 | ― | 300 |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目 200 | 英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ・Ⅱ200 | 400 |
面接 | ― | 集団面接 | |
合計 | 900 | 400 | 1,300 |
歯学部 歯学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 100 | ― | 100 |
地歴公民 | 世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目 50 | ― | 50 |
数学 | 数Ⅰ・数Aと、数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目 100 | 数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 数A・B 200 | 300 |
理科 | 物理、化学、生物、から2科目 200 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から1科目 100 | 300 |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目 100 | 英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ・Ⅱ) 200 | 300 |
面接 | ― | 個人面接 | |
合計 | 550 | 500 | 1,050 |
出願者数や合格者数のデータ
徳島大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2022年度(令和4年度)一般選抜(前期日程)の結果です。
学部 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
総合科 | 85 | 485 | 404 | 96 | 4.2 |
医 | 162 | 495 | 389 | 170 | 2.3 |
歯 | 30 | 99 | 79 | 34 | 2.3 |
薬 | 50 | 258 | 230 | 61 | 3.8 |
理工 | 304 | 913 | 763 | 347 | 2.2 |
理工(夜) | 45 | 103 | 94 | 48 | 2.0 |
生物資源 | 48 | 193 | 156 | 49 | 3.2 |
参照:令和4年度 徳島大学入学試験 入学状況(PDF)
各科目の試験問題の特徴や難易度
徳島大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、徳島大学一般選抜での試験問題の特徴を、一部科目でご紹介します。
数学
試験時間は120分で、数学が課せられるすべての学部・学科で数Ⅰ~Ⅲと数A・Bが範囲に入っています。大問は4問程度で記述式です。
問題は医学部医学科・歯学部・薬学部用の数学と、理工学部・医学部保健学科用の数学の2パターンがあり、難易度が異なります。医学部医学科などの数学は難易度が高め、理工学部の数学は標準的な内容と言われています。いずれも確率や微分積分、数列が頻出となっており、証明問題の対策も必要です。
英語
試験時間は70分で、大問は3問。長文読解が2問と自由英作文が1問の内訳です。
徳島大学の英語は、設問が独特と言われており、長文読解では設問が英語で解答も英文で記述する形式が中心となっています。ただし出題形式が年度により変化しているため、今後も変更される可能性があります。したがって、過去問対策の場合は出題形式にとらわれ過ぎないよう注意が必要です。
自由英作文は文章の構成をあらかじめ問題文で指示されており、文章の構成よりも、指示通りの適切な表現ができるかどうかが問われます。
徳島大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、徳島大学の入試の偏差値は48~68、共通テスト得点率は50~81%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
総合科 | 55~57 |
理工 | 50~57 |
理工(夜間主) | 48 |
医 | 56~68 |
歯 | 53~64 |
薬 | 64~65 |
生物資源産業 | 51~54 |
徳島大学に合格するための勉強方法
ここからは、徳島大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
徳島大学に入るには、何をすればいい?
徳島大学を一般選抜で受験する場合、すべての学部・学科で大学入学共通テストの配点が高くなっています。
例えば先ほど紹介した医学部医学科では、共通テストの配点900点に対し、個別学力検査の配点は400点と倍以上の差があります。歯学部歯学科のように550点/500点とさほど差がない学部・学科もありますが、おおむね共通テストでの得点が大きく影響します。
したがって、まずは大学入学共通テストでしっかり得点できることが、合格の確率を高めるといえるでしょう。
受験生は過去問などから自分の志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。
受験期の過ごし方
高校3年生という受験を控えた1年間をどう過ごすかにより、合否の確率が変わるといっても言い過ぎではないでしょう。やみくもに勉強するのではなく、年間を見通した長期的なスケジュールを立て、受験勉強に取り組んでください。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期。教科書の内容を丁寧に学習し、苦手分野の洗い出しを進めます。暗記ものは好みの単語集や用語集を用意し、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期。長期休暇中は、自分のペースでまとまった学習に取り組めます。ぜひ成績アップにつなげましょう。「一日に問題集を10ページ進める」など、短期スケジュールを組むのも、モチベーションアップに役立ちます。
- 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めをしつつ応用力を磨くことで、私大入試対策にもなります。
- 冬(1月〜):過去問を集中的に取り組み、演習を積む時期。時間配分に気を付けながら、ミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。過去問を解いて終わり、ではなく、解答や解説を見て復習が必要な箇所がないか確認しましょう。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強に取り組む場合は、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。
その理由は、予備校の集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ教室に集まり、授業を受けることも珍しくありません。講師の授業を受け身で聞いて、わかった気になっている可能性もあり、知識がしっかり定着しない心配があります。
また集団授業では、苦手分野が取り残されがちです。授業でわからなかったところは、自分で講師に質問に行くなどの積極性がないと、思うような学習の効果が出ない可能性もあります。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
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徳島大学入試は丁寧に解く力が重要!
【徳島大学の入試概要】
- 国立大学なので、一般選抜が中心。その他、学部によって学校推薦型選抜や総合型選抜など多彩な入試方法がある。
- 難易度は標準~やや難。
【徳島大学の入試データまとめ】
- 令和4年度一般入試(前期日程)の学部での実質倍率は2.0~4.2倍。
【勉強方法まとめ】
- 大学入学共通テストの配点率が高いため、特に基本的な知識を十分に身につけ、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
- 時間が足りなくなる場合があるので、時間配分の練習もしておく。
徳島大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、理系学部が多く四国唯一の歯学部も擁しており、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2023年1月19日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。