山口大学は、山口県山口市に位置し、9学部8研究科を擁する国立の総合大学です。文化12年(1815年)に長州藩士・上田鳳陽が創設した私塾「山口講堂」を前身とし、200年を超える歴史を持っています。学生主体の企画を支援する「おもしろプロジェクト」などのユニークな教育プログラムが人気です。
この記事では、山口大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。山口大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年12月27日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
山口大学の入試問題で問われる能力
初めに、山口大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
山口大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
山口大学は教育理念「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」のもと、地域の基幹総合大学・世界に開かれた教育研究機関として、地域に生きるとともに、世界に羽ばたく人材の育成に努めるとしています。
このような山口大学では、大学全体のアドミッション・ポリシーとして「求める学生像」を次のように定めています。
●求める学生像 ○ 学習意欲・好奇心が旺盛で,チャレンジ精神のある人 ○ 明確な目的意識をもち,高い目標を掲げて努力してきた人 ○ 自己アピールできるものを持っている人や見つけたい人 ○ 自分の考えや意見を論理的に説明できる人 |
山口大学では、選抜方法ごとに重視するポイントや、各学部のアドミッション・ポリシーも公開しています。受験を考えている方は、山口大学HP アドミッション・ポリシーでご確認ください。
山口大学入試の特徴
山口大学は国立大学なので、大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験後、個別学力検査等を受験する「一般選抜」が中心となります。ここでは選抜方法の概要をご紹介しましょう。
- 一般選抜(前期日程・後期日程)
大学入学共通テストで、志望学部・学科で指定の教科・科目を受験し、前期日程または後期日程(教育学部は前期日程のみ)で個別学力検査等を受験する方法です。 - 総合型選抜
専願で受験する方法です。人文学部・教育学部・経済学部・理学部・工学部・国際総合科学部で、例年9月に実施されています。第1次選抜・第2次選抜により合格者が決定します。 - 学校推薦型選抜
大学入学共通テストを課さないⅠ型と、課すⅡ型があり、それぞれ該当する学部・学科が異なります。共通テストが課されない場合は、調査書などの提出書類や、面接・小論文などにより、選考が行われます。 - その他の選抜方法
帰国生徒入試や、社会人入試、私費外国人留学生入試なども実施されています。
受験を考えている方は、いずれも詳細を山口大学令和5年度入学者選抜要項など、最新の募集要項等でご確認ください。
山口大学入試の概要
ここからは、山口大学の入試概要を解説します。
出願資格について
山口大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。
出願資格は、以下に該当する者とされています。
- 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び入学年の3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
参照:山口大学 募集要項
試験科目や合格要件
ここからは、山口大学の学部ごとの試験科目や配点を、一部学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜(前期日程)の内容です。その他の学部・学科の試験内容については、山口大学令和5年度入学者選抜要項などで、最新の情報をご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2022年12月27日現在のものです。
人文学部
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 100 | 国語総合・現代文B・古典B 100 | 200 |
地歴公民 | 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目 100 | ― | 100 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数A から1科目 100 | ― | 100 |
理科 | ― | ― | ― |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目 100 | 英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ・Ⅱ) 100 | 200 |
合計 | 400 | 200 | 600 |
共同獣医学部
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 200 | ― | 200 |
地歴公民 | 世B、日B、地理B、倫・政経から1科目 100 | ― | 100 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数Aから1科目 数Ⅱ、数Ⅱ・数Bから1科目 200 | 数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数B 200 | 400 |
理科 | 物理、化学、生物、地学から2科目 200 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学から1科目 200 | 400 |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目 300 | ― | 300 |
合計 | 1,000 | 400 | 1,400 |
出願者数や合格者数のデータ
山口大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2022年度(令和4年度)一般選抜(前期日程)の結果です。
学部 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
人文 | 115 | 265 | 229 | 123 | 1.9 |
教育 | 126 | 269 | 241 | 155 | 1.6 |
経済 | 181 | 313 | 292 | 204 | 1.4 |
理 | 130 | 465 | 445 | 153 | 2.9 |
医 | 130 | 383 | 328 | 139 | 2.4 |
工 | 323 | 492 | 447 | 385 | 1.2 |
農 | 64 | 110 | 107 | 75 | 1.4 |
共同獣医 | 21 | 95 | 90 | 23 | 4.0 |
国際総合 | 80 | 198 | 190 | 99 | 1.9 |
参照:山口大学 令和4年度入学試験実施状況表 一般選抜(PDF)
各科目の試験問題の特徴や難易度
山口大学の試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、山口大学一般選抜(前期日程)での試験問題の特徴を、科目を抜粋してご紹介します。
英語
例年、大問3問で構成されており、試験時間は120分です。長文読解が2問と会話文が1問という内訳。大問1は問題文も英語で書かれており、語彙力が求められる内容になっています。大問2は和文での説明や解答といった設問で、共通テストレベルといわれています。大問3は空所補充などの設問です。
特殊な形式の出題はないので、日頃の学習の積み重ねが重要です。語彙力も増やしながら、読解力も磨いておきましょう。
数学
前期日程の数学には、文系数学と理系数学(数Ⅲまでの範囲)があり、そのうち理系数学に(α)および(β)の2種類があります。大問数や試験時間は学部・学科ごとに異なるので、事前に確認しておきましょう。
全体的に大学受験の標準的なレベルの問題が出題されますが、理学部数学科や医学部医学科で課せられる理系数学(β)は難易度が高くなっています。証明問題など、論述が必要な問題が毎年出題されるといわれており、幅広い分野で証明問題に取り組んでおくとよいでしょう。
山口大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、山口大学の入試の偏差値は49~70、共通テスト得点率は52~85%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
人文 | 54~55 |
経済 | 54~55 |
教育 | 49~54 |
国際総合科 | 54~59 |
理 | 52~59 |
工 | 49~53 |
医 | 56~70 |
農 | 52~55 |
共同獣医 | 65~67 |
山口大学に合格するための勉強方法
ここからは、山口大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
山口大学に入るには、何をすればいい?
山口大学は国立大学なので、一般選抜(前期日程)が中心となっています。入試制度自体はわかりやすいですが、学部・学科により受験に必要な教科・科目が異なるので、事前にしっかり確認して受験勉強を進めましょう。
入試の特徴としては、大学入学共通テストの配点比率が高くなっている点に注目です。学部・学科により異なりますが、平均すると合計点数のうち約70%程度は大学入学共通テストに配点されています。共通テスト対策をしっかり行い、十分に得点できていれば、合格のチャンスが高まります。
受験生は過去問などから自分の志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。
受験期の過ごし方
高校3年生という受験期をどう過ごすかにより、合否確率が変わるといっても過言ではありません。無計画に勉強するのではなく、年間を通じた長期的なスケジュールを立て、受験勉強に取り組みましょう。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期。教科書の内容に沿って丁寧に学習し、苦手分野の洗い出しも進めましょう。暗記ものは気に入った単語集や用語集を用意し、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期。長期休暇中は、まとまった学習に取り組めるので、ぜひ成績アップを狙いましょう。「一日に問題集を10ページ進める」など、短いスパンで目標を立てるのも、モチベーションを保つコツです。
- 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めをしつつ応用力を磨くことで、私大入試対策にもなります。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期。時間配分にも注意しながら、ミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
ひとりで受験勉強に取り組む場合、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。
理由は、予備校の集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることも珍しくないもの。集団のなかで講師の授業を受け身で聞き、わかった気になっているだけの場合もあり、知識が定着しない心配があります。
また集団授業では、苦手分野が取り残される可能性もあります。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、学習の効果につながらない可能性もあります。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
科目別能力別授業の詳細はこちら!
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
55段階個別指導の詳細はこちら!
山口大学入試は丁寧に解く力が重要!
【山口大学の入試概要】
- 一般選抜(前期日程・後期日程)が中心で、総合型選抜や学校推薦型選抜も実施されている。
- 難易度は標準~やや難。
【山口大学の入試データまとめ】
- 一般選抜の学部での実質倍率は1.2~4.0倍(令和4年度一般選抜前期日程)。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を十分に身に付け、共通テスト対策をしっかり行い、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
- 時間が足りなくなることのないよう、過去問を使って時間配分の練習をしておく。
山口大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、地域の基幹総合大学として安定的な立ち位置にあり、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年12月27日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。