浜松医科大学は、静岡県浜松市に本部を構える国立大学で、医学部(医学科・看護学科)のみを有する医学系の単科大学です。入学者全員が医療職を目指している医科大学の特徴を生かして、多職種間教育やコミュニケーション学習、医療倫理学習など、特色ある医学教育を取り入れています。
この記事では、浜松医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。浜松医科大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年12月16日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
浜松医科大学の入試問題で問われる能力
初めに、浜松医科大学が求めている人物像と入試の特徴について解説します。
浜松医科大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
1974年(昭和49年)に開校した浜松医科大学は、建学の理念として、次のように掲げています。
第1に優れた臨床医と独創力に富む研究者を養成し、第2に独創的研究並びに新しい医療技術の開発を推進し、第3に患者第一主義の診療を実践して地域医療の中核的役割を果たし、以て人類の健康と福祉に貢献する。 |
これは、高度な知識や技術、人間性、医学の倫理を身に付けた医療人の養成を目的とし、医学・看護学の進展に寄与しつつ、地域医学・医療の中核的役割を果たし、人類の健康増進や福祉に貢献するという使命を表しています。
このような浜松医科大学は、学科ごとにアドミッションポリシーを定めています。
一例として、医学科のアドミッションポリシーは次のとおりです。
医学部医学科では、本学の建学の理念を尊重し、将来、臨床医や医学研究者として社会に貢献できる以下の人材を求めており、志願者の資質と能力を総合的に評価して選抜します。
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なお、公式HPではアドミッションポリシーに加え、「入学者選抜の基本方針」「大学入学までに身につけておくべき教科・科目等」について、学科ごとに明記しています。
参照:浜松医科大学HP アドミッションポリシー(医学科)
参照:浜松医科大学HP アドミッションポリシー(看護学科)
受験を検討している方は、ぜひご一読ください。
浜松医科大学入試の特徴
浜松医科大学は国立大学であり、大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験後、個別学力検査を受験する一般選抜が入試の中心になります。また学校推薦型選抜など、その他の選抜方法もあります。
- 一般選抜(前期・後期)
一般選抜(前期日程)は医学科・看護学科で実施されます。大学入学共通テストと個別学力検査、面接が課せられます。後期日程は医学科のみで行われ、看護学科では実施されませんので、ご注意ください。医学科では、前期日程で志願者が募集人員の4倍、後期日程で10倍に達した場合、2段階選抜が行われます。第1段階選抜は大学入学共通テストの成績で実施※され、合格者のみが第2段階選抜として個別学力検査を受験します。
※前期日程での大学入学共通テストの配点は450点ですが、2段階選抜に用いる場合は各科目の配点を倍にし、900点満点で選抜が行われます。 - その他の選抜方法
・学校推薦型選抜
・海外教育プログラム特別入試
・社会人入試(看護学科のみ)
詳しくは浜松医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)などでご確認ください。
浜松医科大学入試の概要
ここからは、浜松医科大学の入試概要を解説します。
出願資格について
浜松医科大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。
一般選抜の出願資格は、以下に該当し、大学入学共通テストで指定された教科・科目をすべて受験した者、となっています。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
なお、医学科の【地域枠】で受験する場合は、以下の内容も追加されます。
- 静岡県医学修学研修資金の貸与(6年間)を受け、卒業後「静岡県キャリア形成プログラム」に沿った卒後臨床研修及び診療業務への従事が確約できる人。
いずれも詳細は浜松医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)などの、最新の情報でご確認ください。
試験科目や合格要件
ここからは、浜松医科大学の試験科目や配点について、一般選抜(前期日程)の内容を紹介します。
参照:浜松医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)
なお、以下のデータはすべて2022年12月16日現在のものです。
医学部(一般選抜前期)
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 100 | ― | 100 |
地歴公民 | 世B、日B、地理B、現代社会、倫理、政経、倫・政経から1科目 50 | ― | 50 |
数学 | 数Ⅰ・数A、数Ⅱ・数B 100 | 数Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B(数列・ベクトル) 200 | 300 |
理科 | 物理、化学、生物から2科目 100 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物より、出願時にあらかじめ届け出た2科目 200 | 300 |
外国語 | 英(リスニング含む) 100 | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ・Ⅱ 200 | 300 |
面接 | ― | 100 | 100 |
合計 | 450 | 700 | 1,150 |
看護学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 200 | ― | 200 |
地歴公民 | 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目 100 | ― | 100 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数A、数Ⅱ、数Ⅱ・数B、簿・会、情報から1科目 100 | ― | 100 |
理科 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目 または物理、化学、生物から1科目 100 | ― | 100 |
外国語 | 英(リスニング含む) 200 | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ 200 | 400 |
面接 | ― | 50 | 50 |
合計 | 700 | 250 | 950 |
出願者数や合格者数のデータ
浜松医科大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは令和4年度(2022年度)一般選抜前期日程の結果です。
学科 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
医 | 75 | 265 | 231 | 76 | 3.0 |
看護 | 40 | 78 | 60 | 40 | 1.5 |
各科目の試験問題の特徴や難易度
浜松医科大学の試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。
医学部医学科の一般選抜(前期日程)では、大学入学共通テストと個別学力検査の配点が、450:700です。つまり、個別学力検査重視の配点となっており、個別対策が欠かせません。
ここでは、医学科の一般選抜(前期日程)での試験問題の特徴を、一部ご紹介します。
数学
大問4つで記述式、試験時間は90分。数Ⅲの範囲からの出題が多いといわれています。全体的に難易度は標準的ですが、超難問が混在する場合があり、解ける問題から確実に解答していくことが重要です。思考力を問われる論証問題も多く出題されるので、全体のボリュームが大きく、時間配分に注意が必要です。
英語
大問は3つで記述式、試験時間は90分。長文読解が2問出題されており、医学系を中心に、理系の内容が多く出題されます。英語で解答する問題もあるので、英語での表現力も試されます。残りの1問は自由英作文で設定語数も多いため、いろいろなバリエーションで作文演習を積んでおくことが大切です。
浜松医科大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、浜松医科大学の入試の偏差値は55~70、共通テスト得点率は64~85%となっています。以下は、学科別の偏差値データです。
学科 | 偏差値 |
医 | 69~70 |
看護 | 55 |
浜松医科大学に合格するための勉強方法
ここからは、浜松医科大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
浜松医科大学に入るには、何をすればいい?
浜松医科大学の入試は一般選抜が中心ですが、医学科・看護科では個別学力検査の内容も大きく異なるため、学科に応じた対策が必要です。
例えば医学科を受験する場合は、前期日程では個別学力検査の配点が大きいことから、個別対策が重要になってきます。ただし、2段階選抜が実施される可能性を考えると、大学入学共通テストもおろそかにすることはできません。また、後期日程で受験する場合は小論文が課せられる点も注意が必要です。
看護科では共通テストの配点が高くなっているため、共通テスト対策をメインにしっかりと準備すれば、合格の可能性も高まります。
受験生は過去問などから自分が志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。
受験期の過ごし方
高校3年生という受験期をどう過ごすかにより、合否確率が変わるといっても過言ではありません。無計画に勉強するのではなく、年間を通じた長期的なスケジュールを立て、受験勉強に取り組みましょう。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期。教科書の内容に沿って丁寧に学習し、苦手分野の洗い出しも進めましょう。暗記ものは気に入った単語集や用語集を用意し、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期。長期休暇中は、まとまった学習に取り組めるので、ぜひ成績アップを狙いましょう。「一日に問題集を10ページ進める」など、短いスパンで目標を立てるのも、モチベーションを保つコツです。
- 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めをしつつ応用力を磨くことで、私大入試対策にもなります。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期。時間配分にも注意しながら、ミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
ひとりで受験勉強に取り組む場合、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。
その理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることも珍しくありません。講師の授業を受け身で聞いて、わかった気になっているだけの場合もあり、知識が定着しない心配があります。
また集団授業のなかで、苦手分野が取り残される場合もあります。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、思うように学習の効果が出ないかもしれません。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
科目別能力別授業の詳細はこちら!
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
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浜松医科大学入試は丁寧に解く力が重要!
【浜松医科大学の入試概要】
- 一般選抜が中心で、学校推薦型選抜なども実施されている。
- 難易度は標準~やや難。
【浜松医科大学の入試データまとめ】
- 令和4年度(2022年度)一般選抜の実質倍率は、医学科が3.0倍、看護学科が1.5倍。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を十分に身に付け、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
- 特に医学科の数学などは、時間が足りなくなる可能性があり、過去問などで時間配分の練習をしておく。
浜松医科大学は医学系の単科大学で、地域とのつながりも大きく、特徴ある教育を取り入れている大学です。それゆえにハイレベルな戦いになりやすい大学ともいえます。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
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※本記事でご紹介した情報は2022年12月16日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。