2022年4月入学の高校1年生から、新学習指導要領に基づく教育がスタートしました。そして2025年度には新課程に対応した大学入試が初めて実施されます(詳しくは以下の記事もご覧ください)。
2025年度の大学入学共通テストについては、すでに教科・科目の新設や再編などが発表されているため、不安を感じている受験生も多いことでしょう。
そこで今回は、文系科目の国語、地理歴史・公民、外国語(英語)のおもな変更点や対策、科目選択のポイントを解説します。
目次
国語の変更点・対策
国語は試験時間が変更されます。出題範囲は現行と同じとされていますが、さまざまなタイプの文章にふれ、慣れておくことが大切です。
変更点
現行の共通テストで国語の試験時間は80分とされていますが、2025年度共通テストでは10分増の90分 になります。
出題教科は「国語」で現行と同じですが、必履修科目の「現代の国語」と「言語文化」が出題範囲になる予定です。
対策
テスト時間が長くなることから、出題される文章の情報量や種類が増えることが予想されます。
現代文対策では、文学的な文章や論理的な文章に加えて実用的な文章にも慣れておくこと、複数の文章を関連付けて理解する能力を鍛えておくことなどが必要でしょう。
古典対策は、文法や単語を丸暗記するだけでは不十分です。知識を活かして文意を的確に把握する力を身に付けてください。複数の文章を読み、共通のテーマや要素をとらえる力も磨いておくとよいでしょう。
地理歴史・公民の変更点・対策・科目選択のポイント
地理歴史・公民は科目が大きく変わります。科目選択の組み合わせパターンが複雑なので、志望大学が指定する科目をあらかじめチェックしておきましょう。
変更点
2025年度の共通テストでは、地理歴史・公民が現行の10科目から6科目に再編されます(下表)。
現行 | 新課程 |
「世界史A」「世界史B」 「日本史A」「日本史B」 「地理A」「地理B」 「現代社会」 「倫理」 「政治・経済」 「倫理、政治・経済」 | 「地理総合、地理探求」 「歴史総合、日本史探求」 「歴史総合、世界史探求」 「公共、倫理」 「公共、政治・経済」
「地理総合、歴史総合、公共」(このなかから2分野選択) |
新課程で選択科目とされる「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「倫理」「政治・経済」は、必履修科目の「地理総合」「歴史総合」「公共」との組み合わせで出題されます。
なお、試験時間は現行と同じで1科目60分。2科目選択する場合は130分ですが、途中で10分間の休憩をはさみます。
対策
対策は、科目ごとに見ていきましょう。
歴史科目
歴史科目を選択する場合、日本史と世界史の近現代史の融合分野である「歴史総合」が必ず出題範囲に含まれます。そのため、従来の「日本史A・B」「世界史A・B」の知識だけでは解けない問題が出題される可能性が高いため、注意が必要です。
いずれにせよ、歴史科目を選択する場合は教科書で大きな流れをつかみ、各時代の背景や特徴まで把握するようにしましょう。
地理科目
地理科目の出題範囲は、現行の「地理A・B」の学習範囲と大きく変わりません。地図帳や資料集を使って地域の自然環境や産業、文化などを確認するのはもちろんのこと、ほかの地域との対比も忘れないようにしましょう。
公民科目
公民科目は、「倫理」や「政治・経済」のみでの受験ができなくなり、必履修科目の「公共」と組み合わせて受験することになります。そのため、公民科目の受験を考えている場合は、現行より負担が増えることを覚悟しなければなりません。もっとも、公共は政治・経済と重なる部分が多いため、「公共、政治・経済」を選べば負担が少なく済む可能性があります。
ただし、いずれを選ぶ場合でも、暗記に頼るだけではなく内容の理解まで掘り下げた学習が必要です。また、時事問題も頻出なので、ニュースや新聞記事にも目を通しておかなければなりません。共通テストで特徴的な思考力や判断力が要求される問題にも積極的に取り組み、素早く解答できるようにしておきましょう。
科目選択のポイント
地理歴史・公民で2科目受験する場合、組み合わせられないパターンがあるため気を付けなければなりません。ここでポイントになるのは「地理総合、歴史総合、公共」を含むかどうかです。
「地理総合、歴史総合、公共」を含まない場合、科目選択はかなり自由になります。できないのは「公民科目から2科目選択」だけで、ほかはどのような組み合わせでも選択可能です。
一方、「地理総合、歴史総合、公共」を含む場合、「地理総合、歴史総合、公共」で選択する2分野とは異なる分野から1科目選択しなくてはなりません。例えば、「地理総合、歴史総合、公共」で「歴史総合」と「公共」を選ぶ場合、残りの1科目は「地理総合、地理探求」しか選べないことになります。
募集要項で大学の指定科目を確認し、選択ミスで受験機会を逃すことがないようにしましょう。
外国語(英語)の変更点・対策
英語の出題範囲は、実質的に現行と同じです。ただし、センター試験に比べてかなり語数が多くなっています。出題傾向も大きく変わっているため、変化に応じた対策を講じるべきでしょう。
変更点
英語の出題範囲は、現行の「コミュニケーション英語I・Ⅱ」「英語表現I」から「英語コミュニケーションI・Ⅱ」「論理・表現I」になります。科目名は変わっていますが、基本的な内容は変更ありません。
ただし、リーディング・リスニングともに総語数がセンター試験に比べてかなり増えています。また、英文の題材がWebサイトなど身近なものから論説文まで幅広く、図表やイラストなどが多用されているのも特徴です。そのため、単語や構文の知識だけではなく、速読力や情報処理能力も必要になってきます。
対策
リーディングでは、設問の答えと関連する部分はていねいに、ほかは大意をつかみながら読み進めるなど、普段から時間を意識して読み進める練習をしておきましょう。
リスニングでは、放送の合間に必要な情報を効率よく拾い上げる練習をしておいてください。1回しか読み上げられない問題も多く出題されるため、図表やイラストから素早く情報をピックアップして視覚情報と結びつける訓練もしておきましょう。
まとめ:暗記だけでは太刀打ちできない!共通テスト対策は四谷学院で
2025年度の共通テストでは、表面的な知識や暗記だけでは解答にたどり着けない問題が多く出題されると予想されます。もっとも、だからといって出題範囲が大きく変わるわけではありません。基礎力をベースに、思考力・判断力・情報処理能力などを武器にすれば、目標点突破はかなうでしょう。
しかしながら、これらの「力」は一朝一夕で身に付くものではありません。ライバルに打ち勝つために、早めに共通テストを視野に入れた学習に取り組むようにしましょう。
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