大阪公立大学の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説

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大阪公立大学は、「大阪市立大学」と「大阪府立大学」が統合し、2022年4月に誕生した公立総合大学です。前身となった両大学は、大阪商業講習所と獣医学講習所を起源とする、140年以上の歴史を持っています。

この記事では、大阪公立大学の入試の特徴や難易度、偏差値、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。大阪公立大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2022年9月9日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大阪公立大学の入試問題で問われる能力

初めに、大阪公立大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

大阪公立大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

大阪公立大学では、統合・開学にあたってのキャッチフレーズとして「総合知で、超えていく大学。」を掲げています。

これは、歴史や文化の違いがある2つの大学が統合した大阪公立大学ならではの多様性が、背景にあると考えられるでしょう。個人の「専門知」を深めて土台を築き上げたうえで、他の領域を融合する「総合知」を育むことで、複雑な社会問題の解決を目指すとしています。

このように、公立総合大学としての大阪公立大学では、大学全体の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)を次のように示しています。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

大阪公立大学は、学士課程を通して、ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果を修める学生を育成して教育目標を達成するために、人間性豊かで、多様な関心、柔軟な思考力を持ち、科学・産業・文化・社会の発展や持続可能社会の実現に寄与しようとする志を持つ、向学心旺盛で優れた資質を有する学生を、広く国内外から受け入れる。

そのために、本学の学士課程では以下の方針に基づいて、学生の多様な能力を評価するための入学者選抜を実施する。従って、この方針をよく理解したうえで、高等学校までの学びを深め、広めることを期待する。

1.高等学校教育段階において目指す学力の3要素を確認する。
2.本学の基幹教育に十分に対応できる準備性を備えていることを確認する。
3.学域や各学部のアドミッション・ポリシーに示す資質を備えていることを確認する。

参照:大阪公立大学2023年度入学者選抜要項(PDF)

なお、大阪公立大学では学部・学科(学域・学類)ごとの入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)も詳細に定めています。詳しくは大阪公立大学2023年度入学者選抜要項(PDF)ご覧ください。

大阪公立大学入試の特徴

大阪公立大学で導入されている選抜方法はシンプルで、大きく分けると一般選抜、それ以外の総合型選抜などになります.

  • 一般選抜
    大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験し、大学で個別学力検査等を受験する方法です。前期日程・後期日程がありますが、大阪公立大学では工学部の試験が「公立大学中期日程」で実施されます。異なる日程に属する国公立大学には併願できるので、工学部を志望する方には受験のチャンスが増えます。
  • 特別選抜
    大阪公立大学の特別選抜は、総合型選抜、学校推薦型選抜、専門学科・総合学科卒業生特別選抜、国際バカロレア特別選抜など、多彩な内容で実施されます。

受験を考えている方は、いずれも詳細を大阪公立大学2023年度入学者選抜要項(PDF)など最新の情報でご確認ください。

大阪公立大学入試の概要


ここからは、大阪公立大学の入試概要を解説します。

出願資格について

大阪公立大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。

出願資格は、大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験し、以下に該当する者とされています。

  1. 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び入学年3月に卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年3月に修了見込みの者
  3. 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者

参照:大阪公立大学2023年度入学者選抜要項(PDF)

なお、上記の3番に該当する場合は、条件が7項目あります。詳細は大阪公立大学2023年度入学者選抜要項(PDF)など最新の情報でご確認ください。個別の入学資格審査が必要な場合は、大学入試課まで問合せが必要です。

試験科目や合格要件

ここからは、大阪公立大学の学部ごとの試験科目や配点を一部学部・学科(学域・学類)を抜粋してご紹介します。

今回取り上げるのは、一般選抜(前期日程)の内容です。その他の学部・学科の試験内容については、大阪公立大学2023年度入学者選抜要項(PDF)など最新の情報でご確認ください。

なお、以下のデータはすべて2022年9月9現在のものです。

文学部
区分大学入学共通テスト2段階選抜が実施される倍率個別学力検査配点
国語1006倍国語総合・現代文B・古典B

200

300
地歴公民世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から2科目

※ただし1科目は必ず世B、日B、地理Bを選択すること

100

100
数学数Ⅰ・数Aは必須

数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目

100

100
理科物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目、又は物理、化学、生物、地学から1科目

50

50
外国語英、独、仏、中、韓から1科目

100

英語

200

300
合計450400850
商学部
区分大学入学共通テスト2段階選抜が実施される倍率個別学力検査配点
国語1006倍国語総合・現代文B

160

260
地歴公民世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から2科目

※ただし1科目は必ず世B、日B、地理Bを選択すること

100

100
数学数Ⅰ・数Aは必須

数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目

100

数Ⅰ・数A・数Ⅱ・数B

170

270
理科物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目、又は物理、化学、生物、地学から1科目

50

50
外国語英、独、仏、中、韓から1科目

150

英語

170

320
合計5005001000
理学部 数学科
区分大学入学共通テスト2段階選抜が実施される倍率個別学力検査配点
国語1006倍(理学部全体で実施)100
地歴公民世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目

50

50
数学数Ⅰ・数Aは必須

数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目

100

数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B

200

300
理科物理、化学、生物、地学から2科目

100

物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学から2科目

200(2科目)

300
外国語英、独、仏、中、韓から1科目

100

英語

100

200
合計450500950

出願者数や合格者数のデータ

大阪公立大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2022年度一般選抜(前期日程)の結果です。

学部募集人数志願者数受験者数合格者数実質倍率
現代システム科学域1706656281763.6
1253723631292.8
1553693521652.1
経済1853373121921.6
1983653242161.5
2044684342162.0
2698838542823.0
90314287982.9
獣医35125121393.1
1102492001121.8
看護85195149881.7
生活科1093833301142.9

参照:大阪公立大学 2022年度入試結果(PDF)

各科目の試験問題の特徴や難易度

大阪公立大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、大阪公立大学一般選抜(前期日程)での試験問題の特徴を、科目を抜粋してご紹介します。

なお、大阪公立大学では、2022年入試の出題意図と過去問について、公式サイトで公開しています。ぜひご活用ください。

英語

大問は3問で、試験時時間は100分。大問1・2は学部・学域共通の問題で長文読解、大問3は学部ごとに異なる出題で、和文英訳問題となっています。標準レベルの問題ですが、問題量が多いので、時間配分に注意が必要です。

国語

大問は3問で、試験時間は学部・学域により大問2題で90分、または大問3第で120分です。文章量が多く、解答も内容説明が多いので、的確にまとめる力が必要です。
古典が範囲に含まれる場合は、基礎知識を問われる内容となっているため、基本語句や文法はしっかり身に付けておきましょう。

数学

大問は4問で構成されており、試験時間は90分または120分です。大阪市立大学時代には文系数学ではベクトルが頻出といわれていましたが、大阪公立大学でも2022年度入試に出題されています。理系数学でも市立大学の傾向を引き継いでおり、数Ⅲの出題が多くなっています。

大阪公立大学入試の難易度・偏差値

Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、大阪公立大学の入試の偏差値は57~75、共通テスト得点率は64~84%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。

学部偏差値
69~75
67~75
経済66~71
67~68
58~65
59~69
57~73
看護60~64
58~61
獣医67
生活科学61~65
現代システム科学59~67

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

大阪公立大学に合格するための勉強方法

ここからは、大阪公立大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

大阪公立大学に合格するには、何をすればいい?

大阪公立大学の入試は国立大学と同様に、大学入学共通テストで指定科目・教科を受験し、志望学部・学科の個別学力検査を受ける一般選抜がスタンダードです。ただし近年は総合型選抜など、一般選抜以外の入試方法も多彩になってきているので、十分なリサーチが必要です。

大学入学共通テストで2段階選抜が実施される場合がありますので、共通テスト対策もしっかり準備してください。

受験生は過去問などから自分が志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。

大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけ時間内にミスなく解き切るかが重要です。

受験期の過ごし方

受験期の高校3年生をどのように過ごすかによって、合否の可能性が変わるといっても過言ではないでしょう。無計画に勉強するのではなく、1年間を通じた長期的なスケジュールを考え、受験勉強に取り組んでください。

  • 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期です。教科書の内容を基本として丁寧に学習し、苦手分野の洗い出しもしておきます。暗記ものは自分に合った単語集や用語集を使い、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
  • 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期です。長期休暇中は、まとまった学習に取り組みやすいので、ぜひ成績アップを狙いましょう。「一日に問題集を10ページ進める」など、短いスパンでスケジュールを組むのも、モチベーションの維持に役立ちます。
  • 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。基礎固め+応用力を磨くことで、個別学力検査対策にも役立ちます。
  • 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期です。個別学力検査対策には、時間配分にも注意しながら、ミスなく問題を解くようにして、最後の仕上げをします。

予備校で勉強する場合

独学で受験勉強に取り組む場合、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。

その理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受ける場合も珍しくありません。講師の授業を受け身で聞いて、わかった気になっているだけの場合もあり、それでは知識が定着しない心配があります。

また集団授業のなかで、苦手分野が取り残される可能性も捨てきれません。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、思うように学習の効果が上らない可能性もあります。

予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。

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大阪公立大学入試は丁寧に解く力が重要!

【大阪公立大学の入試概要】

  • 一般選抜が中心だが、総合型選抜などの特別選抜も多彩に用意されている。
  • 難易度は標準~やや難。
  • 偏差値は57~75。

【大阪公立大学の入試データまとめ】

  • 一般入試(前期日程)の学部での実質倍率は1.5~3.6倍(2022年度入試)。

【勉強方法まとめ】

  • 基本的な知識を十分に身に付け、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
  • 問題量が多く、時間が足りなくなる科目もあるので、時間配分の練習をしておく。

大阪公立大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、狙いやすい公立大学としてハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

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※本記事でご紹介した情報は2022年9月9日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

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