札幌医科大学の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説

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札幌医科大学は、北海道札幌市中央区にキャンパスを構え、医学部と保健医療学部の2学部を擁する医療系の公立大学です。旧道立女子医学専門学校を前身とし、1950年(昭和25年)新制医科大学の第一号として開学しました。北海道唯一の公立医系総合大学として、北海道の医療・保健・福祉の充実と発展に貢献しています。

この記事では、札幌医科大学の入試の特徴や難易度、偏差値、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。札幌医科大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2022年9月8日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

札幌医科大学の入試問題で問われる能力

初めに、札幌医科大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

札幌医科大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

札幌医科大学は、北海道の地域医療に貢献する医療人の育成を目指しており、建学の精神と教育理念を次のように定めています。

【建学の精神】

一、進取の精神と自由闊達な気風

一、医学・医療の攻究と地域医療への貢献

引用:札幌医科大学HP 建学の精神・理念等

【理念】最高レベルの医科大学を目指します

人間性豊かな医療人の育成に努めます

道民の皆様に対する医療サービスの向上に邁進します

国際的・先端的な研究を進めます

引用:札幌医科大学HP 建学の精神・理念等

このような基本理念のもと、札幌医科大学のアドミッション・ポリシーは次のようになっています。

【アドミッション・ポリシー】 入学者受入方針

札幌医科大学では、カリキュラムに沿った学修によってディプロマ・ポリシーに示す水準を満たすことができる学生を求めています。そのため、高い基礎学力、文化や社会に関する基礎知識、基本的なコミュニケーション能力と協調性、自己教育の意欲と習慣を備えた学生を受け入れます。

引用:札幌医科大学HP 教育ポリシー

なお、医学部・保険医療学部のアドミッション・ポリシーも、それぞれ定められています。受験を考えている方は、札幌医科大学HP 教育ポリシーなどでご確認ください。

札幌医科大学入試の特徴

公立大学である札幌医科大学で導入されている選抜方法は、医学部・保健医療学部とも、一般選抜と学校推薦型選抜の2種類となっています。ただし、医学部の入試には独特のシステムが取られているので、注意が必要です。

  • 医学部の「先進研修連携枠ATOP-M(エイトップ・エム)」について

医学部の入試では、一般選抜・学校推薦型選抜とも、募集人員に「先進研修連携枠ATOP-M(エイトップ・エム)」が設定されています。これは、卒業後の初期臨床研修を修了したのち、所定のプログラムに従事することを確約する人を対象にした募集枠です。

所定のプログラムの内容は、具体的には以下のようになっています。

卒業後、札幌医科大学附属病院を含む臨床研修指定医療機関で初期臨床研修修了後、札幌医科大学医学部又は附属病院の各診療科に所属し、7年間、札幌医科大学及び本学の卒後の必修プログラムに関連する国内外の医療機関又は研究機関において医学・医療に従事するものです。

北海道の医学・医療において指導的・中核的役割を担える医師の育成を目指します。

引用:札幌医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)

「先進研修連携枠ATOP-M(エイトップ・エム)」に出願するには、このプログラムへの参加について、志願者本人と保護者の確約書が必要です。

なお、出願に際して、出身地や出身高校の所在地の縛りはありません。

  • 一般選抜

大学入学共通テストで所定の教科・科目を受験後、第2次選抜を受験する方法です。医学部・保健医療学部とも、前期日程のみ実施されます。また、両学部とも志望者数が募集人員に対して既定の倍率以上になった場合は、2段階選抜が行われます。規定倍率は医学部では5倍、保健医療学部では3倍です。

  • 学校推薦型選抜

高等学校などの学校長の推薦を受けて出願する方法です。医学部・保健医療学部とも、北海道内の高等学校または中等教育学校の卒業見込者で、最終学年を含めて3年以上道内の居住していることを、推薦の条件としています。

医学部では学校推薦型選抜でも「先進研修連携枠ATOP-M(エイトップ・エム)」があるほか、以下の条件を付けた「特別枠」での募集も実施されます。

(ア) 高等学校又は中等教育学校における調査書の成績が、全体の学習成績概評で A又はA段階に属する者で、人物、学力ともに優秀であり、将来、医学の分野において社会に貢献する意欲のある者

(イ) 大学入学共通テストにおいて、本学が指定した5教科7科目を受験する者

(ウ) 本学を卒業後、道内の医療機関に9年以上勤務し、かつ、当該勤務期間のうち北海道医師養成確保修学資金貸付条例の規定に基づく5年以上の期間を知事が指定する公的医療機関等で勤務することを確約するとともに、修学資金制度の内容を承知している者

(エ) 合格した際に入学を確約できる者

参照:札幌医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)

特別枠では卒業後の進路に規定がありますが、修学資金制度が利用できます。

いずれも詳細は札幌医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)などでご確認ください。

札幌医科大学入試の概要

ここからは、札幌医科大学の入試概要を解説します。

出願資格について

札幌医科大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。

出願資格は、以下に該当し、大学入学共通テストで所定の教科・科目を受験した者、となっています。

  1. 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び入学年3月に卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年3月に修了見込みの者
  3. 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者

参照: 札幌医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)

なお、上記3番に該当する場合は、詳細を札幌医科大学事務局学務課入試係に問い合わせしてください。

試験科目や合格要件

ここからは、札幌医科大学の試験教科・科目や配点を一部抜粋して紹介します。今回取り上げるのは、一般選抜(前期日程)の内容で、札幌医科大学 令和5年度入学者選抜要項(PDF)を参照しています。

また、以下のデータはすべて2022年9月8日現在のものです。

医学部 医学科

医学部医学科は、第1段階選抜に使用される大学入学共通テストの配点と、第2段階選抜に使用される配点とが異なりますので、ご注意ください。

なお、「一般枠」と「先進研修連携枠ATOP-M(エイトップ・エム)」に、試験内容や配点の違いはありません。

区分大学入学共通テスト(教科・科目と第1段階選抜の配点)大学入学共通テストの、第2段階選抜の配点第2次試験第2段階選抜の配点
国語200150150
地歴公民世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目

100

5050
数学数Ⅰ・数Aは必須

数Ⅱ・数B、簿・会計、情報から1科目

合計2科目

200

150数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B

200

350
理科物理、化学、生物から2科目

200

200物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目

200(2科目)

400
外国語英(リスニング含む)、独、仏、中、韓から1科目

200

150英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)

200

350
面接100100
合計9007007001,400
保健医療学部 看護学科

保健医療学部看護学科は、選抜に使用される大学入学共通テストの配点は、第1段階・第2段階で違いはありません。

区分大学入学共通テスト第2次試験配点
国語200200
地歴公民世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目または2科目

※選択科目数により理科で課せられる科目数が異なります

※理科選択と合わせて合計300

※理科選択と合わせて300
数学数Ⅰ、または数Ⅰ・数Aより1科目

数Ⅱ、数Ⅱ・数B、簿・会計、情報から1科目

合計2科目

200

200
理科物理、化学、生物

基礎科目(物理基礎、化学基礎、生物基礎)

★地歴公民が1科目の場合、2科目または1科目+基礎2科目(同一科目名不可)

★地歴公民が2科目の場合、1科目または基礎科目2科目

※地歴公民と合わせて合計300

※地歴公民と合わせて300
外国語英(リスニング含む)、独、仏、中、韓から1科目

200

200
面接200200
合計9002001,100

出願者数や合格者数のデータ

札幌医科大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2022年度(令和4年度)一般選抜(前期日程)の結果です。

学部募集人数出願者数第二次受験者数合格者数実質倍率
医学部医学科75280257912.8
保健医療学部看護学科407068421.6
保健医療学部理学療法学科163534191.8
保健医療学部作業療法学科164845182.5

参照:札幌医科大学 令和4年度入学試験の実施結果(PDF)

各科目の試験問題の特徴や難易度

札幌医科大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、札幌医科大学一般選抜での試験問題の特徴を取り上げます。

札幌医科大学の保健医療学部では第2次試験に学科試験がないため(面接のみ)、ここで紹介するのは医学部第2次試験の情報です。

英語

札幌医科大学の英語は大問数で2~3問、記述式で、試験時間は80分です。出題されるのは長文読解が中心で、1000語~1200語程度のボリューム。医学に関する専門用語が含まれており、難解といわれます。出題の際に高度な医学用語には注釈が付いていますが、英文での解説になるので、あらかじめ対策して知っておくほうが有利に解答できます。

空所補充、内容説明、同意表現の問題が頻出ですが、出題傾向が比較的短期間で変わりやすいので、過去問を通じていろいろな問題に慣れておくとよいでしょう。

数学

大問は4問で、すべて記述式、試験時間は100分です。頻出範囲は確率や微分積分、場合の数、行列。毎年のように出題されているので、重点的に対策しておきましょう。計算量が多いのも特徴的で、計算力とスピードを意識して演習してください。

レベルは標準的といわれるものの、一部、難関国立大レベルの問題が出題されることもあるので、注意してください。

理科

理科は3科目から2科目選択で、120分の試験時間です。

【物理】大問が3問、記述式です。標準的な難易度ですが、その分高得点が求められるため、計算ミスには十分注意してください。原子の分野の知識問題が出題されるケースもあるようです。

【化学】大問が3問、一部選択式の問題もありますが、ほぼ記述式です。有機・無機・理論のすべての範囲から出題されます。文字数制限のある論述問題の対策が必要で、過去問や類似問題を使って、わかりやすくポイントを押さえた解答ができるよう、練習しておきましょう。

【生物】大問は4問、ほぼ記述式です。難易度は標準からやや難しいレベルといわれます。100字程度にまとめる記述問題も多く、対策が必要です。毎年「遺伝情報とその発現」から出題されるので、細かい知識までしっかり復習が必要です。

札幌医科大学入試の難易度・偏差値

Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、札幌医科大学の入試の偏差値は55~71、共通テスト得点率は61~80%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。

学部偏差値
医学部71
保険医療学部55~57

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

札幌医科大学に合格するための勉強方法

ここからは、札幌医科大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

札幌医科大学に入るには、何をすればいい?

札幌医科大学の入試は一般選抜が中心です。医学部・保健医療学部とも、倍率が規定の数値を超えた場合、大学入学共通テストの得点を利用して第1次選抜が実施されます。したがって、まずは共通テストでしっかり得点できるよう、十分対策を行いましょう。

特に保健医療学部では学力試験が大学入学共通テストのみで、第2次試験は面接となります。学力試験は共通テスト対策に絞り込んで、しっかり得点できるようにしてください。

医学部でも共通テスト対策はもちろん重要ですが、第2次試験の際には、得点調整が入り、共通テストと3教科(数・理・英)の配点が同じになります。第2次試験も過去問などから傾向をつかみ、絞り込んで学習を進めましょう。

一方で、すべての受験生が同じように受験勉強を進めるため、本番では1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。

大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。

受験期の過ごし方

高校3年生という受験期をどう過ごすかにより、合格の確率が変わるといっても過言ではないでしょう。やみくもに勉強する前に、年間を見通した長期的なスケジュールを立て、受験勉強に取り組んでください。

  • 春(4~6月):基礎を徹底して身に付ける時期。教科書の内容を中心に丁寧に学習し、苦手分野の洗い出しも同時に進めます。暗記ものは単語集や用語集を使い、1日でも早く取りかかるのがよいでしょう。
  • 夏(7~9月):徹底して苦手分野の克服に努める時期。長期休暇中は、まとまった学習に取り組めるので、ぜひ成績アップを狙いましょう。「一日に問題集を10ページ進める」など、短いスパンでスケジュールを組むのも、モチベーションを保つのに役立ちます。
  • 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めはもちろん、応用力も磨くことで、個別学力検査対策にもなります。
  • 冬(1月~):過去問を集中的に学習して演習を積む時期。個別学力検査対策には、時間配分に気を付けながら、ミスなく問題を解く練習をし、最後の仕上げをします。

予備校で勉強する場合

独学で受験勉強に取り組む場合、継続する強い意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。

その理由は、集団授業。大手予備校では、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることも珍しくありません。大人数の授業では、講師の話を受け身で聞いて、わかった気になっているだけの場合もあり、本当の知識が定着しない心配があります。

また集団授業のなかで、苦手分野が取り残される可能性もあります。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、思うように学習の効果が出ないかもしれません。

予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。

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四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

科目別能力別授業の詳細はこちら!

 

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身に付いているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。

科目別能力別授業の詳細はこちら!

 

札幌医科大学入試は丁寧に解く力が重要!

【札幌医科大学の入試概要】

  • 一般選抜が中心で、例年2段階選抜が実施されているので、大学入学共通テスト対策も重要。
  • 難易度は標準~やや難。
  • 偏差値は55~71。

【札幌医科大学の入試データまとめ】

  • 一般入試の学部での実質倍率は1.6~2.8倍(令和4年度前期日程)。

【勉強方法まとめ】

  • 基本的な知識を十分に身に付け、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。医学部の英語では専門用語が出題されるので、あらかじめ押さえておく
  • 医学部の第2次試験は記述問題が中心で、時間が足りなくなる可能性がある。規定文字数でまとめるなどの記述の訓練と、時間配分の練習もしておく。

札幌医科大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、志望者も多くハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2022年9月8日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

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