2025年度共通テストはこう変わる!各教科の変更点・注意点をまとめて解説

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こんにちは、四谷学院の奥野です!

2022年4月に高校へ入学した生徒から、新学習指導要領に基づく授業がスタートしています。
※詳細は以下記事を参照ください。

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変わるのは授業内容だけではありません。学習指導要領の変更にともない、2025年実施の大学入学共通テストから出題科目や内容も変わります。具体的には、どのように変わるのでしょうか。

今回は、2023年9月時点で明らかになっている情報に基づき、共通テストの変更点や注意点などを解説します。大学受験全体の仕組みや流れについては、以下の記事もぜひご覧ください。

大学受験全体の仕組みや流れについては、以下の記事もぜひ参照ください。

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2025年の新課程共通テストでは何が変わる?

2025年の新課程共通テストでは、2022年に導入された新学習指導要領に基づき、いくつかの変更点があります。
ここでは、2025年の新課程共通テストで変わる、おもなポイントを解説します。

 

出題教科・科目は7教科21科目へ

2025年の共通テストでは、出題教科・科目が現在の6教科30科目から、7教科21科目に変更されます。

新教科として「情報」が追加され、「地理歴史」と「公民」の出題科目が大きく再編されます。

数学では、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」以外が「数学Ⅱ、数学B、数学C」として1科目にまとめられ、理科では「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」が1科目とされる予定です。

 

地理歴史と公民は科目選択が制約される

2025年の共通テストでは、「地理歴史」と「公民」の科目選択に制約が設けられます。

「地理歴史」と「公民」の6科目のなかでは最大2科目を選択できますが、「公共、倫理」と「公共、政治・経済」の組み合わせは不可です。

さらに「地理総合、歴史総合、公共」を選択する場合は、選択科目と同一名称を含む科目の選択ができません。

2025年度共通テストにおける教科ごとの変更点


2025年度共通テストにおける教科ごとの大きな変更点は、以下のとおりです。

 

情報:学習指導要領の変更にともない新設

学習指導要領の変更にともない、新教科として導入されるのが「情報」です。試験時間は60分、出題科目は「情報Ⅰ」とされています。

また、2022年1月に一般社団法人 国立大学協会が発表している「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度-国立大学協会の基本方針-」では、国立大学の入試に関して以下のように示しています。

2024年度に実施する入学者選抜から、全ての国立大学は、「一般選抜」においては第一次試験として、高等学校等における基礎的教科・科目についての学習の達成度を測るため、原則としてこれまでの「5教科7科目」に「情報」を加えた6教科8科目を課す。

引用:一般社団法人 国立大学協会 2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度-国立大学協会の基本方針-

公立大学でも、一部の大学では共通テストの教科に「情報」を含めるようです。

一方で私立大学では、2025年度の入試でも現行と変わらないという大学が多く見られるため、国公立大学に比べると影響は少ないでしょう。

 

国語:試験時間が10分増

「国語」では、試験時間が現行より10分長い90分で試験が実施されます。 これは、「現代文」の大問数が2問から3問に増えるためです。

また文部科学省の資料では、試験時間が長くなる理由を、以下のように示しています。

現在測定している内容を維持した上で多様な文章を提示する観点から、90分とする。

引用:文部科学省 「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)」について(通知)

 

地理歴史・公民:科目が変更

「地理歴史」「公民」は、新学習指導要領に従って6科目に再編され、最大2科目を選択するようになります。

2025年度共通テストでの出題科目は、以下のとおりです。

  • 「地理総合、地理探究」
  • 「歴史総合、日本史探究」
  • 「歴史総合、世界史探究」
  • 「地理総合、歴史総合、公共」(いずれか2科目を選択)
  • 「公共、倫理」
  • 「公共、政治・経済」

新学習指導要領で選択科目とされている「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「倫理」「政治・経済」は、必須科目である「地理総合」「歴史総合」「公共」との組み合わせで出題されます。

なお、選択科目の内容は現在の「地理B」「日本史B」「世界史B」とは異なる部分があるため、注意しましょう。

 

数学:科目変更+数②の試験時間10分増

数学は、数学①が「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅰ」であることは変わりませんが、数学②がまとめられて「数学Ⅱ、数学B、数学C」になります。

数学①では「数学Ⅰ、数学A」と「数学Ⅰ」のいずれかを選択します。
数学②では、「数学Ⅱ、数学B、数学C」の出題範囲のうち、「数学B」の「数列、統計的な推測」および「数学C」の「ベクトル、平面上の曲線と複素数平面」から、計3項目を選択して解答します。

試験時間は、数学②の試験時間が60分から70分に変更され、数学①②ともに70分になります。数学②の試験時間の変更になった理由は、以下のとおりです。

出題範囲が「数学Ⅱ」、「数学B」及び「数学C」となり、選択解答する項目数が2から3へ増加するため、70 分とする。

引用:文部科学省 「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)」について(通知)

先生
先生
数学②では選択解答する項目数が増えているため、文系受験者にとっては負担増となるでしょう。

 

理科:大きな変更点なし

理科は基礎科目の数え方が変わり、4科目(「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」)が、1科目(「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」)にまとめられます。

もっとも、基礎科目はいずれか2分野を選択解答するため、受験生の科目選択は現行と変わりません。

 

外国語(英語):大きな変更点なし

外国語(英語)は大きな変更点がなく、「コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・英語表現Ⅰ」が「英語コミュニケーションⅠ、コミュニケーション英語Ⅱ、論理・表現Ⅰ」と科目の名称が変わるのみといえます。

<試験教科・科目の新旧比較>

教科・科目従来の試験科目・試験時間新課程の試験科目・試験時間変更点
情報「情報Ⅰ」

60分

新設
国語「国語」

80分

「国語」

90分

大問数増加

試験時間10分増

地理歴史

 

公民

「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」

 

「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」

 

1科目60分、2科目130分(うち、解答時間120分)

「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」

 

「地理総合、歴史総合、公共」

 

「公共、倫理」「公共、政治・経済」

 

1科目60分、2科目130分(うち、解答時間120分)

科目変更
数学②「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」

60分

「数学Ⅱ、数学B、数学C」

70分

科目変更

試験時間10分増

理科

 

 

「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」

2科目60分

「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」

1科目60分、2科目130分(うち、解答時間120分)

基礎科目の数え方の変更

 

 

「物理」「化学」「生物」「地学」

1科目60分、2科目130分(うち、解答時間120分)

外国語(英語)「コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・英語表現Ⅰ」

【リーディング】80分

【リスニング】60分(うち、解答時間30分)

「英語コミュニケーションⅠ、コミュニケーション英語Ⅱ、論理・表現Ⅰ」

80分

【ICプレーヤーを使用する試験】60分(うち、解答時間30分)

科目名変更

 

旧課程履修者への経過措置


2025年度の共通テストで試験の内容が大きく変わるため、既卒者(2023年度の高校3年生以上の人)が不利にならないよう、経過措置が設けられます。

既卒者は、旧学習指導要領の科目を受けるか、新学習指導要領の科目を受けるか、新旧学習指導要領の科目を混ぜて受けるか、選択可能です。

 

情報

新たに導入される「情報」では、別科目として「旧情報(仮)」が設置され、旧学習指導要領で選択必修科目の「社会と情報」「情報の科学」に対応した問題が出されます。

 

地歴公民・数学

「地理歴史」「公民」「数学」は、現行共通テストの出題教科・科目が経過措置科目として出されます。

ただし、数学②の試験時間は70分と、現行より10分長くなります。

 

理科

現行の教育課程と新教育課程とで、扱いが異なる「理科」の内容については、既卒生が選択解答可能な問題を出される場合があります。

 

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