すでに知っているかもしれませんが、2021年度の入試から、大学へ提出する調査書の様式が変わります。
新様式の調査書では、学業成績だけでなく、生徒自らが関わってきたさまざまな活動に対する意欲も細かく評価されます。調査書の内容が、どれほど合否に影響するのか、不安になるかもしれませんね。
そこで今回は、新様式の調査書で拡充される項目をくわしく解説し、調査書が大学入試の合否に与える影響を選抜方式ごとに考察してみます。
目次
調査書の様式変更で拡充される項目
これまでの調査書は、表面に“学業成績”、裏面に“出欠の記録”“特別活動の記録”“指導上参考となる諸事項”“総合的な学習の時間の内容評価”“備考”を記載する形でした。
新様式では、裏面の“指導上参考となる諸事項”が拡充され、以下の6項目につき学年ごとに記入することになっています。
- 学習における特徴等
- 行動の特徴、特技等
- 部活動、ボランティア活動、留学・海外経験等(具体的な取組内容、期間等)
- 取得資格、検定等(専門高校の校長会や民間事業者等が実施する資格・検定の内容、取得スコア・取得時期等)
- 表彰・顕彰等の記録(各種大会やコンクール等の内容や時期、科学オリンピック等における成績・時期、国際バカロレアなど国際通用性のある大学入学資格試験における成績・時期等)
- その他(生徒が自ら関わってきた諸活動など)
内容が拡充された影響で、裏表両面1枚の制限は廃止されました。
また、備考欄は、“大学が指定する特定の分野(例:保健体育、芸術、家庭、情報等)において、特に優れた学習成果を上げたことを記載させることができる。”とされています。
調査書の内容はどれくらい合否に影響するのか?
調査書が新様式に変更になることで、大学側では受験生を学業以外のさまざまな面から評価できるようになります。
ここからは、選抜方式ごとに、調査書が合否に与える影響を考察していきましょう。
総合型選抜
総合型選抜では、学業成績に加え、生徒の活動実績や個性をより重視する傾向があります。そのため、新様式で拡充された“指導上参考となる諸事項”の内容が合否に大きな影響を与えると考えられます。
資格などを得点化して評価する大学もあるため、受験勉強が本格化する前にある程度準備しておくべきでしょう。
学校推薦型選抜
指定校制による学校推薦型選抜では、高校内の選考を通過して推薦を受ければ、ほとんどの生徒が合格します。
したがって、調査書の内容が大学の合否に大きく影響するとは考えられません。
しかし、出願前の学内選抜がかなり厳しくなることが予想されます。
調査書の内容が充実している生徒のほうが有利になる可能性が高いため、学業以外の面にも力を入れなければなりません。
公募制の学校推薦型選抜では、大学側が提示する条件をクリアして、出身高校長の推薦があれば出願できます。
しかし、高校から推薦できる人数が限られている場合、指定校制と同様に調査書の内容が充実しているほうが有利になるでしょう。
また、調査書が面接時の資料として利用されることもあるため、合否に影響を与える可能性があります。
一般選抜
一般選抜では、調査書を点数化して合否判定に利用する国公立大学もあります。
ただし、現時点で詳細を明らかにしている大学はごくわずかです。また、筑波大学のように、調査書記載事項の優劣を評価するのではなく、記載の有無のみを評価するとしている大学もあります。
私立大学では、調査書を合否の判定ではなく、入学後の資料として活用するとしているところが多くなっています。
しかし、今後もこの傾向が続くとは限りません。調査書の取り扱いについては、各大学の動向を見守る必要があります。
いずれの方法で大学を受験するにしても、調査書の内容が充実していれば、将来の選択肢が大きく広がります。そのためには、受験に直接関係ない科目であっても、受験対策の一環として取り組み、部活動や学外活動も積極的に参加すべきでしょう。
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調査書の様式変更は、大学入試にも大きな影響をおよぼすものです。
「試験当日に合格最低点をクリアできれば良い」という考えは、もはや時代遅れになるかもしれません。これからは、さまざまな活動への参加や定期テストなども受験対策の一環として、今まで以上に意欲的に取り組まなければなりません。
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